中島克治先生が著書の中で推薦している本の中から約100冊を、国際子ども図書館で実際に手にとって、現代っ子たちにも読みやすいものや、ぜひ読ませたいものを厳選しました。親のほうが率先して読みたくなる素敵な本が満載です。
科学への興味をかき立てる
『宇宙への秘密の鍵』
小説仕立てで宇宙への興味をかき立ててくれそう。
小学生の少年が宇宙空間に飛び出し、旅をしながら地球やブラックホールについて学ぶ。スティーヴン・ホーキング、ルーシー・ホーキング( 著) 佐藤勝彦( 監修)さくまゆみこ(翻訳)¥1,900(岩崎書店)
『トリプル・ゼロの算数事件簿』
算数の問題やクイズがちりばめられた謎解き小説。語り口が面白くて読み始めた瞬間にハマり、シリーズを読破する子続出。
算数好きの少年が算数の謎を解くシリーズもの。向井湘吾( 著)イケダケイスケ(絵)¥650(ポプラポケット文庫)
戦争を次世代に伝える
『生きることの意味 —ある少年のおいたち』
今まで見聞きしてきた被害者としての戦争体験ではない、別の視点に立った本。歴史を知るうえで親子揃ってぜひ読みたい。
戦時下の日本に生まれ、敗戦を迎えるまでの在日朝鮮人少年の生いたちをたどる。高 史明( 著) ¥480(ちくま文庫)
『時のむこうに』
戦争をどう伝えるべきか悩むところ。現代の少年がタイムスリップして戦時中の暮らしを体験するこの物語はとっつきやすく親子で読んで語り合えそう。
歴史好きの少年が昭和19年にタイムスリップしてしまう。山口 理(著) 最上さちこ( 絵)¥1,600(偕成社文庫)
自分と重ね合わせて楽しめる
『霧のむこうのふしぎな町 』(新装版)
映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えた日本作のファンタジー。表紙のイラストも可愛らしく、高学年女子のハートをつかみそうです。
夏休みに一人旅をする少女リナの冒険物語。柏葉幸子(著)杉田比呂美( イラスト)¥68(0 講談社青い鳥文庫)
『ぼくらのサイテーの夏』
思春期に入る男の子が共感できるジュニア小説。子ども向けのハードカバーでなく文庫本を持ちたい子におすすめ。
どこにでもいる普通の少年の普通の夏休みに起こる物語。友情、家族、社会などが少年目線で描かれている。笹生陽子(著)¥390(講談社文庫)
『急行「北極号」』
大人向けの絵本。子どもが主人公ですが、村上春樹の文学的で大人っぽい語り口は、高学年女子にぴったりです。
少年を乗せたポーラー・エクスプレスはサンタの街へ。クリス・ヴァン・オールズバーグ(著、絵) 村上春樹( 翻訳)¥1,500(あすなろ書房)
絵本から小説への移行期におすすめ! SF・ミステリー
『今夜は眠れない』
大人向けの本に移行する時期には、少年少女を主人公にした、推理小説は手に取りやすい。
謎の5億円の遺産を母が受け取ったことから、家族がバラバラに。主人公の少年が友達とともに遺産の謎を解き明かす。宮部みゆき(著)¥572(KADOKAWA/角川文庫)
『宇宙戦争』
男の子が大好きなタコ型宇宙人が登場。アメリカでラジオドラマ化された際、聴取者が事実と勘違いしパニックを引き起こしたという逸話も。
1898年に発表された宇宙侵略を題材にしたSFの名作。H・G・ウェルズ( 著)中村 融( 翻訳)¥700(創元SF文庫)
スポーツ好きの子が食いつくこと間違いなし
『イチロー 262のメッセージ』
本に興味のないスポーツ好きの子も、スポーツ選手の自伝やハウツーものなら喜んで読みます。イチローだけでなく、ラグビー選手のものも読みたがりそうです。
イチローの名言集。『夢をつかむイチロー262のメッセージ』編集委員会( 著)¥1,00(0 ぴあ)
Lifestyle特集 小学生ママ必見! 今こそ必要な「読書力」を、親子で育む方法 2020.04.06
撮影/久保田育男(OWL) モデル/佐藤 純 ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) 取材/秋元恵美
2020年2月号掲載