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Lifestyle特集

ダイエット上手な腸内環境美人が持っている 「やせ菌」とは?

「やせ菌」「デブ菌」ってご存じですか?腸内に生息するこの2つの菌の存在が、痩せたり太ったりすることに大きく影響します。
ダイエットといえば、まずカロリー制限や糖質制限を思い浮かべますが、極端な制限ダイエットは栄養が不足し、やめたとたんにリバウンドしがちです。
「やせ菌」は増やすだけで、無理なく自然と痩せられる、まさに夢のような細菌!
そこで、注目の「やせ菌」について、日比野佐和子先生にお話を伺いました。

★ 痩せやすい、太りやすいは腸内環境が決める!? 「やせ菌」とは?
★ 善玉菌が作り出す 「短鎖脂肪酸」のダイエット効果
★ 「やせ菌」を増やす食事とは?
★ 健康的な生活習慣が、痩せやすい腸内環境を作る!
★ 日比野先生からSTORY世代に向けてメッセージ

痩せやすい、太りやすいは腸内環境が決める!? 「やせ菌」とは?

「やせ菌」とは善玉菌のこと。
私たちの腸内には、約1000種類、約100兆個もの腸内細菌が生息していると言われています。腸内細菌は、消化や病原菌から身体を守る働き以外にも、腸内環境のバランスを保ち健康を維持する役割を担っています。

腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見(ひよりみ)菌の3つの菌がいて、その割合は2:1:7が理想的なバランスと言われていますが、個人差はあります。最近では、腸内細菌は種類が多いこと。つまり、多様性があることが重要視されています。

善玉菌
乳酸菌でもある善玉菌は、悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の働きを整え、肥満を防ぐ。
悪玉菌
有害物質をつくり出し、肥満を促す。脂質や動物性たんぱく質を好み、悪玉菌が増えると、便秘や下痢、肌荒れやアレルギーを引き起こすこともある。
日和見菌
数の上で一番多い日和見菌は、体内で善玉菌が多いときには善玉菌に、悪玉菌が増えれば、悪玉菌の働きを助けます。

今まで「やせ菌」と「デブ菌」は、日和見菌に分類され、「やせ菌」は『バクテロイデス』、「デブ菌」は『ファーミキューテス』というグループに属する細菌群を指すことが一般的でした。「デブ菌」が多いと太りやすく、「やせ菌」が多いとやせやすいと言われていましたが、最近、「デブ菌」と言われる『ファーミキューテス』と、同じく「やせ菌」の『バクテロイデス』の組織の比率(F/B比:エフビー比)は、日本人の肥満度と全く関係がないことがアメリカの研究で明らかになってきました。また、「デブ菌」は、免疫を高め、長寿に導く効果もあり、悪い効果だけではないのです。実際、日本人の大規模な腸内細菌研究では、長寿者には「デブ菌」が多いことが確認されています。

「やせ菌」とは、日和見菌のバクテロイデスと、善玉菌のことを指します。
「デブ菌」とそしりを受けるファーミキューテスは、日和見菌に所属します。
腸内で悪玉菌が増えると、日和見菌は悪玉菌に味方して、ますます腸内環境を悪化させます。

肥満を防ぐためには、腸内に生息する腸内細菌を、理想的なバランスで増やしていくこと。
つまり、「やせ菌」である善玉菌を増やしていくことが大切なのです。

腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスは、食事によって日々変化します。例えば、うまれたばかりの赤ちゃんの腸内環境は乳酸菌が多いことが分かっていますが、母乳を終えると、同居する家族の腸内環境と似てきます。腸内環境を変化させるには、約1年、最低でも3ヶ月はかかるので、まずは善玉菌を増やす食生活を心掛けましょう。

善玉菌が作り出す 「短鎖脂肪酸」のダイエット効果

ビフィズス菌などの善玉菌が作る「短鎖脂肪酸」には、3つの効果があります。

①脂肪を燃焼させる
②食欲をおさえる
③代謝をあげる

日比野先生
「炭素の数が6個以下のものを短鎖脂肪酸と呼び、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。短鎖脂肪酸は、大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成され、短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収されます。
短鎖脂肪酸が大腸から吸収されると、脂肪を燃焼します。また、短鎖脂肪酸がたくさん発生すると、小腸から「インクレチン(GLP-1)」というホルモンが発生し、食欲をおさえる効果があります。さらに、全身の交感神経にあるレセプターに短鎖脂肪酸が結合して交感神経節が刺激されて、代謝があがる効果もあります」

注目される次世代善玉菌「アッカーマンシア・ムシニフィラ」

「やせ菌」として今注目されているのが、次世代善玉菌と言われる「アッカーマンシア・ムシニフィラ」です。腸内に大量に棲息する細菌の一種で、成人の腸内環境の1~4%を占め、血糖値を下げ、太りにくくなる効果があることが確認されています。

「やせ菌」を増やす食事とは?

やせ体質を作るには、腸内環境の善玉菌を増やすことが大切。
善玉菌そのものである乳酸菌を含むヨーグルトや、納豆やぬか漬け、キムチなどの発酵食品を食べて腸内環境を整え、ダイエットに効果的な短鎖脂肪酸のもととなる、善玉菌のえさを食べましょう。
善玉菌のえさになるのは、ハチミツやタマネギ、果物に含まれるオリゴ糖食物繊維です。食物繊維は、「水溶性食物繊維」をとることがポイント。不溶性の食物繊維は水分を十分にとらないと逆に便秘の原因にもなるので注意が必要です。水溶性食物繊維には、りんごやいちごなどの果物、昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類、オクラや長芋、モロヘイヤなどのネバネバ系食品があげられます。
発酵食品を食べて善玉菌を増やし、そのえさとなる水溶性食物繊維オリゴ糖一緒に食べることが、痩せやすい腸内環境へ導きます。

「やせ菌」に有効なホットヨーグルト

善玉菌そのものである乳酸菌を、積極的に食べましょう。
おすすめは『ホットヨーグルト』
腸は38℃前後が最も活発に動き、消化吸収や免疫の働きがよくなると言われています。腸内の善玉菌は温かい温度を好むため、肌温にあたためたヨーグルトを食べると吸収力がアップします。

1回分(約100g)のヨーグルトにラップをしないで、電子レンジ(500W)で40秒ほど加熱。38℃程度に温めると、乳酸菌が活性化された状態で腸に届きます。
もしくは、冷蔵庫から出して、30分室温で戻すだけでも構いません。

空腹時だと、胃酸で乳酸菌が破壊されてしまうので、食後に食べましょう。
また、就寝してから3時間の‘ゴールデンタイム’と言われる時間帯に腸内環境が修復されるので、に食べるのがおすすめです。
ヨーグルトは食べすぎると脂肪分をとりすぎてしまうので、できれば糖質の入っていないものをセレクトしてください。食物繊維やオリゴ糖が豊富なフルーツや、オリゴ糖の含まれるハチミツをホットヨーグルトに添えて食べると、水溶性食物繊維やオリゴ糖が一緒にとれてより効果的です。

ホットヨーグルトを食べる前に「マッサージ」をすると、さらに効果アップ!

お腹の左側にある直腸やS字結腸を刺激するように、手のひらでおへそ周りを「の」の字を書くように右から左へマッサージしてください。お風呂あがりなどに行うと、血液の循環もよくなり、より効果的です。マッサージした後にホットヨーグルトを食べれば、乳酸菌の活性化がさらに期待できます。

健康的な生活習慣が、痩せやすい腸内環境を作る!

痩せやすい腸内環境を整えるには、食事・睡眠・運動がとても重要です。

まずは、腸に優しい食事を心がけること。

・生きて腸に届く、体に有益な働きをする微生物(菌類)が多く含まれる発酵食品を食べる
・善玉菌の「えさ」となる水溶性食物繊維やオリゴ糖を食べる
ほかにも、
・高カロリーや高脂質の食事をとらない
・からだにいい、アマニ油やエゴマ油などオメガ3脂肪酸の油を中心にとる
・化学調味料や保存料などの食品添加物をできるだけ減らす

また、良質な睡眠も腸内環境を整えてくれるので、夕方5時以降はノンカフェインのルイボスティーやほうじ茶など、抗酸化力のあるドリンクがおすすめ。寝る2時間前からは、スマートフォンやパソコンの液晶画面から発せられるブルーライトは目を疲れさせるだけでなく、睡眠にも悪影響を及ぼすので、2時間前からは遠ざけるように、就寝1時間前くらいから照明も徐々に落としていくといいですね。

日比野先生からSTORY世代に向けてメッセージ

40代は心身ともに大きな転換期。基礎代謝が落ち、筋力も落ちるので、若いころのように体重がリセットできなくなります。でも腸内環境にスポットをあてて、正しい知識のもとで生活習慣を見直せば、効率よく痩せられます。
食事はもちろん、良質な睡眠やストレッチなど運動も大切です。腸内環境が整うとセルトニン、別名「幸せホルモン」が増え、太りにくい体質に変化します。逆に、ストレスによる精神的な疲労や睡眠不足は自律神経の乱れに直結し、腸の動きも乱れがちに。
私は今年51歳になりますが、仕事がいそがしくなりはじめた40代のころから急激に太りはじめ、体調管理もおろそかになりがちでした。そこで、腸内環境を整える食事、睡眠、運動を中心に生活習慣をあらためましたところ、1年後には15㎏減り、シミやシワ、たるみと無縁となり、ハリや潤いのある美肌へと変化しました。
正しい生活習慣を意識するだけで、40代の皆さまでも無理なく痩せられ、健康的に若返ることができます。ストレスを上手に発散しながら、健康で楽しい毎日をお過ごしください。

お聞きしたのは…日比野佐和子先生

◆プロフィール
日比野佐和子
医師・医学博士
医療法人社団康梓会Y’s サイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 特任准教授。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。
著書
・『オトナ女子の「美肌」づくり百科』(ぴあ)
・『つまり、結局何をしたら免疫力って上がるの?』(アントレックス)
・『最新医学で証明された最高の食事術』(講談社)など多数
https://yss-clinic.jp/

取材/萩原雅子

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