親子の15分性教育ワーク。初回のお題は性教育といったらまず語られることの多い「生理」。
最初っから、なかなか大変そう!うちの子は男の子だからちょっと関係ないかも?
と思った皆さん、まだページ閉じないで。
なかなか性教育が根付かない日本でも、母親から女の子への生理のケアの方法は、話し継がれてきました。生理のことは、家庭内で話せる唯一の性の話題だったという人もいるでしょう。(アクロストンのみさとも、そんな家庭で育ちました)
学校で4年生のちょうど今の時期、2学期の終わりから3学期にかけて、保健体育の第2次性徴についての単元で、生理と射精について学びます。
実際に私たちも4年生のこの分野の授業の講師を受け持つことがありますが、4年生の子どもたちが生理について知っているかどうかはものすごい個人差があります。面白いことにあまり性差はありません。女の子でも男の子でも、知っている子はよく知っていて、生理の仕組みだけではなく、PMSのことまでよく知っている。かたや、女の子でも「生理??え?血!?」というリアクションの子もいます。
学校でどれだけ丁寧にこの分野を教えてもらえるかは保健室の先生や担任の先生次第なのですが、突然、「血!?」とびっくりしないように、家庭であらかじめ伝えておくのはおすすめです。4年生ごろは生理など性やカラダに関する話に詳しくても、「詳しすぎるw」「男の子のくせに、生理のこと知ってるなんてエロい」みたいな雰囲気には全くなりません。(何歳であっても、そのような雰囲気になってしまうこと自体が、性教育がしっかりとされていない、ということなのですが。)
小学校4,5年生は、算数などのほかの授業同様、性やカラダについてよく知っている子にたいしては「すごいね!」と前向きに賞賛される傾向にあります。なので、知りすぎていて浮いたらどうしよう……。なんて考えずに、是非、今回のワークにトライしてみてください。
②話し合いつつ大切な情報を子どもに伝える
「ねぇ、生理って知ってる?」とストレートに淡々と話しかけてみる
話しかけ方のポイントは「ストレートに」「淡々と」です。「女の子の日」「アレ」などなど、いろいろな隠語がありますが、ここは、最も一般的な「生理」という言葉で。親が恥ずかしがっていたり、そわそわしていたりすると子どもにバレます。どーんと気を大きくもって、「ストレートに」「淡々と」。
ふと、思いついたように(内心、タイミングを今か今かとうかがっていたとしても)「ねぇ、そういえば、生理って知ってる?」といった雰囲気がおすすめ。
もうお子さんに生理が来ているという方は、「生理のしくみってしってる?」とちょっとすすんだ内容からはじめてみましょう。
どんなことを知っているのか、知らないのかを確認しつつ、基本的なしくみを伝える
「生理って知ってる?」のこたえは色々だと思います。「血がでるんでしょ?」と答えがかえってきたら素晴らしい。でも、「なにそれ??」となっていても、ここから始めれば大丈夫。
「なにそれ??」と全くわかっていない、あるいは、話題を避けようとするお子さんには、最低限の基本情報を。「女の人って、毎月1週間ぐらい、おまたから生理といって血がでてくる期間があるんだよ」これだけでも伝えられたら大成功です。
「血が出るんでしょ?」というふうに、少しでも知っているお子さんには、もう少しくわしくきいてみましょう。
「何日ぐらい続くか知ってる?(答えは3~7日)」
「何歳ぐらいにはじまるでしょう?(答えは9歳~16歳)」
「何歳まであるでしょう?(答えは:45歳~60歳)」
「出てくる血のことは何て言う?(答えは経血)」
我が家の10歳の息子にクイズ形式で色々ときいたら、知っている問題は自信満々に、知らない問題はボケたりもして盛り上がりました。
もっと詳しく知りたい!という場合はこちらの図をお子さんと一緒に見てみてください。生理はただ経血がでてくるというわけではなく、1カ月かけておこる子宮の変化の結果であることを伝えられるといいですね。
12月28日発売の書籍「10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック 変わるカラダのいろいろ編」(ほるぷ出版)からの抜粋です。
NGな言い回し
「生理がくると赤ちゃんがうめるようになるんだよ」
たしかに、生理がくると妊娠する可能性があるからだとなります。ただ、からだの成長を「妊娠」と結びつけられてしまうことは、思春期のこどもにとって負担となることがあります。大人のからだに変化していくことに戸惑いを感じることも多い、思春期の入り口の子には生理を妊娠とむすびつけるのではなく、からだの成長とともにおこる一つの現象として「生理」を伝えることをおすすめします。
それぞれの話せる範囲で生理について話したら、次回につながるしめの言葉を。
「早い子は9歳、10歳ごろから生理がくるんだって。いつ来てもこまらないように、今度準備をしようか!」
もう生理がきているお子さんには、「生理用品って最近いろいろあるらしいから、今度ちょっと見てみよう。」
男の子のお子さんに向けて:
「世の中の女の人とかクラスの女の子とか、毎月生理がきてちょっと大変なこともあるから、知っておいてくれると嬉しいな。」
このように次につながる言葉をつたえて、今回のワークは終了。お疲れ様です。次回は、こどもに伝えた通り、生理用品など生理のケアについてのワークです。最近流行っているグッズについてもお伝えします。お楽しみに!
〈次回へつづく〉
イラスト/ばばめぐみ
公立小の保健の授業や楽しく性について学べるワークショップを日本各地で開催。
家庭ではじめられる性教育のヒントや性に関する社会問題についてなどを発信している。
著書:「10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック 変わるカラダのいろいろ編」 (ほるぷ出版)、「3~9歳ではじめるアクロストン式 『赤ちゃんってどうやってできるの?』」、「いま、子どもに伝えたい性のQ&A 、思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!」(ともに主婦の友社)
監修:シールでぺたぺた「おうちせいきょういくえほん」(主婦の友社)
インスタグラム
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ホームページ
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