◯ 舞台『パンドラの鐘』に出演する成田凌さん(28歳)
今までの自分がやっていなかった
「出し切る」ことに
チャレンジしたいですね
「出し切る」ことに
チャレンジしたいですね
「舞台に対する憧れは、この仕事を始めた時からありました」と話す成田凌さん。俳優デビュー8年目にして、舞台に初挑戦します。作品は、蜷川幸雄さんのご指名で野田秀樹さんが1999年に書き下ろした『パンドラの鐘』。キャストもスタッフもアプローチも異なる、蜷川演出版と野田演出版が別々の劇場で同時期に上演され、大きな話題を呼びました。
物語の舞台は、太平洋戦争開戦前夜の長崎と、かつてそこにあった古代王国。成田さんが演じるのは、古代の王女・ヒメ女(葵わかなさん)と心を通わせる、古代王国の葬式屋ミズヲ。古代から現代へ、遥かなる時空を結ぶ壮大なスケールの衝撃作が、蜷川さんの七回忌を迎える今年、気鋭の若手演出家・杉原邦生さんの演出と新キャストで、鮮やかに甦ります。
「最初にやるべき作品だなと思いました。メッセージも含めて、とてもチャレンジしがいがあって。’99年の舞台の映像を両バージョンとも観せてもらったんですが、同じ台本なのに、こうも変わるのかというくらい、ビジュアルもテンションもテンポ感も違う印象でした。ミズヲという役も、作品の中での存在の仕方みたいなことから違っていて、自分の居方ひとつで作品の印象も変わるんだなと実感したので、丁寧にやっていこうと思います。色々試してどんどん失敗しながら、新しいミズヲを作りたいですね。愛おしい存在になったらなと思います」
子どもの頃から、テレビや映画を観るのが好きだったという成田さん。「映画『踊る大捜査線2』の演技を風呂の中で練習してみたり、友達とコントを作って学校のレクリエーションの時間にやってみたり、高校の時は文化祭で出し物をしたり。人前に出るのが好きでしたね」。
美容学校に通いながら、古着店でアルバイトをしていたところ、スカウトされて芸能界へ。「〝リアルであること〟や〝何もしないで何が伝わるか〟を目指してやってきました」と話す、肩の力が抜けたナチュラルな佇まいは、テレビや映画の印象そのままです。
「でも最近、ちゃんと〝表現〟しないと、一緒にお芝居をしている人にも、ドラマや映画を観ている人にも、台本に書かれた以上のことが伝わらないんじゃないかと感じていて。そんなタイミングで今回初舞台に挑めて、よかったです。今までの自分がやっていなかった〝出し切る〟ことにチャレンジしたいですね」
ちなみに、まだ稽古は始まっていませんが、成田さんは早くも「頭の中が真っ白になって、ヤバいと焦りながら舞台袖に立っている夢を見た」のだそう。「正夢にならないことを祈りつつ、とりあえず今は、体力づくりのためにも、ご飯をたくさん食べています。この舞台を終えた時、俳優としてはフットワークが重いほうだと感じている自分の体の動きが、軽くなっていたらいいなと思っています」。
『パンドラの鐘』が、俳優人生の一つの転機になりそうな28歳。今後のさらなる活躍も楽しみです。「この先の人生を考えると、オジサンである時間のほうが圧倒的に長いと思うんです。将来のことはわからないけど、今できることをやっていきながら、人に〝こうなっていたい〟と言われるようなオジサンになりたいですね」
◯ COCOON PRODUCTION 2022 NINAGAWA MEMORIAL 『パンドラの鐘』
太平洋戦争開戦前夜の長崎では、考古学者カナクギ教授や助手のオズらが古代遺跡の発掘作業を進めていた。一方、古代王国では、国王の葬儀が行われており……。
作/野田秀樹 演出/杉原邦生 出演/成田凌、葵わかな、前田敦子、玉置玲央、 大鶴佐助、柄本時生、片岡亀蔵、南 果歩、白石加代子ほか。
6月6日~28日/シアターコクーン 7月に大阪公演あり。 https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_pandora.html
ニット¥41,800(ギャルリー・ヴィー/ギャルリー・ヴィー 丸の内店)その他スタイリスト私物
撮影/嶋野 旭 ヘア・メーク/宮本 愛(yosine.) スタイリスト/伊藤省吾 (sitor) 取材/岡﨑 香 ※情報は2022年6月号掲載時のものです。
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