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リアル「セシルのもくろみ」?稲沢朋子さんが唯川 恵さんと語る「大人の女性として、成長するということ」

様々な女性の生き様に焦点を当て、40代女性の圧倒的な共感と支持を得ている唯川恵さん。STORYで連載されていた小説「セシルのもくろみ」が7月からTVドラマ化されるにあたり、40代女性の生き方や恋愛について、STORYカバーモデルのイナトモこと稲沢朋子さんが伺いました。

撮影/前 康輔 ヘア・メーク/川村友子 スタイリスト/MaiKo yoshida 取材/秋元恵美

稲沢 『セシルのもくろみ』読ませていただきました。主人公が、普通の主婦から読者モデルを経てプロの専属モデルになるというストーリーは、「私のこと?」と錯覚するくらい自分の人生と似ていて驚きました。

唯川 これをSTORYで連載したのはもう10年も前なのよ。ちょうど表紙モデルが変わるときで、それを題材にして、雑誌作りの裏舞台を見てもらうのも面白いなと書いたの。

稲沢 リアルに存在しそうなヘアメークさんや編集者が登場して、その人たちとの関わりの中で自覚が育ち、プロになっていく。共感しました。でも、現実は、小説みたいに女同士はドロドロしていないし、カッコいい編集長と不倫とか、全くないですよ(笑)。

唯川 あら、本当に?(笑)でも、男と女のいるところに恋愛はあって当然だし、それがなければ面白くないじゃない? 小説だけじゃなくて、人生だってそうよ。

稲沢 40代の恋愛ってどう思います?

唯川 もちろんありでしょう。というか40代が一番いいんじゃない?

稲沢 私、今、すごく本気の恋愛がしたいんです。急に綺麗になったと思ったら不倫していた、なんて話、よく聞きますよね。不倫を肯定はしないけど、どんな形でも恋って女性をキラキラさせるんですよね。

唯川 そんな気軽な恋もいいけれど、人生後半の恋は、生きるか死ぬかになっていくと私は思うよ。それに、恋愛は「したいしたい」と思っていてするものじゃなく、したくなくても落ちてしまうもの。不倫ならどちらかの家庭に知れたり、もめたりしてからが本番よ。

稲沢 わ、怖いわ〜(笑)。先生の小説の中には、様々なタイプの女性が出てきますよね。

唯川 「いろんな女性を描いていますね」とよく言われるけれど、実は、私が書いているのは、たった1人の女なのかもしれない。女は光の当たり具合によって全く違う面を持っているし、そのどこを伸ばして生きていくかでその人が決まっていくのよね。だから、誰と出会うかは、すごく大事だと思う。

稲沢 先生がご結婚されたのも40代ですよね。きっと素敵な出会いがあったんですね。

唯川 飲み友達だったのね。いずれ一緒に暮らすようになったら、セントバーナードを飼おうなんて話していたの。で、子犬が産まれたら譲ってくださいと知り合いに頼んだら、すぐに親犬が妊娠したと知らせが入って、慌てて家探し。ある意味できちゃった婚ね(笑)。ところが、東京の夏は暑すぎて犬を外に出せない。それで、軽井沢に引っ越してきたの。ずっと3人暮らしだったから、’10年に犬が死んじゃったときは、夫婦でどう向き合っていいかわからず、ちょっと危機もあったわね。

稲沢 でも、乗り越えて、今はお幸せなんでしょう? いいな。40代で出会って結婚か。私もそんなふうになれるといいんだけど。

唯川 いくらでも出会いはあるでしょ?

稲沢 この年齢になってくると出会うのが怖いという面もあるんです。

唯川 なるほどね。恋愛って、楽しいうちは、本当の醍醐味じゃなくて、どんなに苦しくてもそこも含めてこそ本物よね。年をとるほど、生きるか死ぬかの恋になっていく。だから、慎重にもなるわね。その一方で40代は、女としての賞味期限が迫っている気もする。男から認められれば、期限切れじゃないと確認できるわけだから、恋愛に目がいくよね。判断基準が男目線というのは悔しいけど。でもね、50、60になると、男より、女性の目のほうが怖いし、気になるようになるわよ。

稲沢 私も、この仕事を始めてからは、男性の目よりも女性の目のほうが気になります。男性は好みに左右されるけれど、女性はそのものを見てるから、的確で正しい気がする。

唯川 そう。男は女が化粧をした外見で綺麗だと感じるわけだけれど、女はそういう装飾をはぎ取った内側を見ているからね。

稲沢 そうなんです。だから、素敵になれるよう、中身を磨かないと、と思うんです。

唯川 素敵になるために、何かをするというのは違うかもよ。素敵って結果だと思うの。やりたいことを突き詰めてやっていくことで、結果として素敵になれるんだよね。SNSで誰もが自分を発信できるようになったけれど、「いいね!」をたくさんもらいたいと思って投稿していると、だんだん本当の自分自身から離れてしまう。誰かの評価なんてどうでもいい。自分がやりたいことを突き詰めていった先に、「素敵」があるんじゃないかな。

稲沢 そうか。まずはモデル業にしっかり向き合って、ぶれずに取り組むことからですね。

唯川 60代になって、人生って長く続くものだなって、つくづく感じるの。40代のころは、早く答えを出さないと間に合わないという追い詰めるような気持ちがあったけど、答えが出せたとしても、実はそこで終わりじゃないのよ。その先にもまた答えが必要で、60代になっても、ずっと探し続けている。だから、焦らずに、ゆっくり探していけばいいのよ。(敬称略)

お話したのは・・・唯川 恵さん 1955年金沢市生まれ。銀行勤務などを経て、’84年『海色の午後』でコバルト・ノベル大賞を受賞しデビュー。2002年『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞。洗練された恋愛小説を中心に、様々なジャンルの作品を発表し続けている。

今回話題にしたのはこちらの小説

専業主婦の主人公「奈央」が、友達に誘われ、軽い気持ちで応募した読者モデルに合格。華やかな雑誌の裏側や恋愛など人間模様に揉まれながら、次第に自覚を持ちプロのモデルへ成長していく。¥590(光文社刊)

 

稲沢さん衣装:ブラウス¥24,000(Theory)パンツ¥15,000(スタニングルアー/スタニングルアー 青山店)ピアス¥47,000バングル¥204,000〈ともにサイモン アルカンタラ〉ブレスレット〔太〕¥133,500中指のリング¥310,000〈ともにハム〉ブレスレット〔細〕¥56,000〈マリハ〉人差し指のリング¥53,000〈ヒロタカ〉(すべてジュエルズ・オブ・ストラスブルゴ)

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