「混合教育」を実際に行う学校では、さまざまな違いを理解し、助け合うことで得られる心の成長を大切にしていました。「偏差値」ではなく、心の「変化値」。子育てのうえで大事なことを伺いました。
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我が子の「発達」が気になったとき、親ができること
「インクルーシブ教育」は、すべての子どもの心が成長する環境です
武蔵野東学園小中学校 統括校長 石橋恵二さん
’84年から学校法人武蔵野東学園(武蔵野市)で教師を務める。同小学校で自閉スペクトラム症児クラスの担任を経て、現在は小学校中学校統括校長。文部科学省「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」委員を歴任。
本校は通常学級と特別支援学級の教室が隣に位置し、掃除や行事は一緒に行うので、色々な特性の生徒がいるのが普通という日常があります。体育祭では一緒に競技をしますが、その子に合った声のかけ方やスピードを調整し、中学生になると生徒たちで競技内容を考え、難易度も設け、その異なる難易度にどの生徒が出場するかも自分たちで決めています。できないと決めつけず、全員が理解しやすい競技にすることを心がけます。子どもたちは偏見などなく、友だちに言葉をかけ、働きかけをしてサポートしていますね。
人を助けたいという思いは誰もが持っている感情。それを大人は見守ればいいのです。日本では「人並みでありたい」という考えが強いですが、それが変わっていけたらいいなと思います。多様性を理解するというのは、これからの子どもたちにはとても大切なことです。また諸外国に比べて「May I help you?」という言葉がなかなか出てこない。複雑な社会であっても、温かい気持ちを失わないでほしいです。
「インクルーシブ教育」 ならではの気になること、教えてください!
Q.わが子に、発達が気になる友だちのことを説明する場合、どのように伝えるのがいいですか?
Q.発達が気になる友だちのサポートを任される子に対して、親はどのように見守ればいいですか?
Q.双方の子ども達からSOSが出た時、大人はどうすれば?
撮影/イ・ガンヒョン 取材/田路暢子 企画監修/LITALICO ※情報は2023年1月号掲載時のものです。