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仕事の記憶しかない……暗黒の30代から、自分を取り戻した40代へ ――作家・角田光代さんINTERVIEW①

「今までの私、これで良かったのかしら?」

「これからの私、どうすればいいのかしら?」

この2つのモヤモヤ感に包まれがちなのが、私たち40代……。
先輩女性たちは、そんな40代をどのように過ごされてきたのでしょう。
夫婦のこと、仕事との向き合い方、住まいについて、歳の重ね方、等々。

直木賞作家の角田光代さんが、30代、40代を振り返り、同時にこれからへの思いを語ります。

角田光代さん 作家。1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。‘90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。’05年『対岸の彼女』で直木賞を受賞。その後も『ロック母』(川端康成文学賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『ツリーハウス』(伊藤整文芸賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)、『かなたの子』(泉鏡花文学賞)と受賞作が続く。最新刊は短編集『ゆうべの食卓』と猫エッセイ集『明日も一日きみを見てる』。

「阿佐ヶ谷のあの朝の空気」と「ライブハウスの漆黒の壁」

もともと、今の夫とは周りの仲間グループと組んでいた“互助会”で知り合いました。フリーランスの作家数名たちと一緒に、病気になったときやノミネートされた賞を逃したときに、ともに労わり合おうと思って作った会です。
当時、彼は香港の女の子に片思いしていて、私たちメンバーはその恋を応援していました。彼のいいところを知ってもらおうと、みんなで香港までアピールしに行ったり、彼女が日本に来た時にはバンドをやっている彼のライブに連れて行ったり……。大奮闘していました。
結局、彼は香港のその子に振られてしまったんですけれど。

一方で、私自身の30代は……というと、前の夫と結婚し、ちょうど忙しくなってきた時期で、異様なくらい仕事に没頭していました。
それまで大好きだった芝居やライブ、麻雀には目もくれず、さきの互助会メンバーで飲みに行くぐらいが娯楽で、仕事以外は全くの暗黒時代……。
それでも“結婚”という状態は、何もしなくても続いて行くのだろうと思っていた。
だけど、終わってしまった。夫婦関係というものが、努力して構築していくものだと気づいてなかったんです。ショックでしたね。
離婚が決まってから、友人と朝5時まで飲み明かしたのですが、そのとき〈あ! この感じ、懐かしい!〉と我に返って。阿佐ヶ谷のあの朝の空気は、今でも忘れられない光景です。

シングルになって精神的にどん底状態だった私に、「付き合いませんか」と、今の夫に言われました。〈私の価値を認めてくれて、この状態から救い出してくれるのだったら何にでもすがりたい。すぐにふられたっていいや〉と思って、付き合い始めました。

それから分かったのが、彼とは人生に対する向き合い方が似ているということ。仕事が好きで、人生の優先順位が仕事というところ。だから一緒になるのに時間はかかりませんでしたね。
とはいえ、彼が29歳で私が41歳。〈12歳差で本気?〉と思いましたが、今度こそ向き合う結婚がしたい、ちゃんと結婚しよう、と。
今でもまざまざと目に浮かぶのは、交際してから初めて彼に連れて行ってもらった下北沢のライブハウス。昔から好きだったサンボマスターと、彼のバンドが出演したライブだったのですが、十数年ぶりに足を踏み入れたライブハウスの壁の黒さ! その黒さにまず興奮し、懐かしさで込み上げるものがありました。〈ああ、私はこれが好きだったのに忘れていた!〉。暗黒の30代の反動でしょうか?
それからは足繁く芝居やライブなどに通うようになりました。仕事だけに没頭するのでなく、本来、好きだったものを取り返し、そして自分自身を取り戻したように思います。ディープな40代を過ごすことができましたね。

インタビューその2「目指したのは“目立たない家”、“飲み屋みたいな家”、“地面に近い家”」へ続く

撮影/吉澤健太 取材/竹永久美子

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