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息子には「しょうがないな……」と感じ、娘には注意する自分に反省――STORYライター羽生田由香

STORY本誌5月号「『息子を彼氏化してしまうママ』の言い分」(P.208~)では、“息子LOVE”を大いに楽しみ、そして発信する、従来の「マザコン」とはちょっと違った今どきの母・息子関係のあり方に迫りました。今回この記事を取材してみて、息子を育てる1人の母として思ったこと、誌面でご紹介しきれなかったことなどをご紹介します。

さて、この企画が動き出した時、まだ前号の「思春期のお弁当づくり」企画(STORY4月号P.224~)の取材で、料理研究家の上島亜紀先生と「息子のお弁当」について雑談をしていたところ、「男の子のママのほうが比較的お弁当作りに気合いが入ってるかも……」と日頃から薄々感じていたという話を聞き、私は思わずハッとしたのです。

〈確かに私もそうかも……息子の弁当作り。品数や彩りに気合い入るわ〉

そんなモヤッとした感情が芽生え、娘には申し訳ない心地悪さのフラグが立ったままで、普段どおりの生活を送っていると、2人の子どもに等しく接してきたつもりでも、実は“息子LOVE”で、息子に激甘な自分をたーくさん発見することに……。

〈男の子/女の子だから〉とか、〈お兄ちゃん/妹だから〉を理由に、子どもたちに無意識な刷り込みをすることは家族内で避けてきたものの、こと一例をあげると、学習机周りの整頓や洗濯物の出し方など、息子に対しては「しょうがないなぁ、これだから男子は……」と心の中で若干呆れつつ、その一方で、娘には「ちゃんとしようね」と注意、時には厳しく叱ったり諭したりすることもあり……。(娘よ、本当に申し訳ない)

私自身、姉妹育ち・女子校育ちで周囲に男の子がいなかったことから、パワフルで不思議な男子の生態を愛らしいと思わないとやってられないというのもあるような。

取材でさまざまなお話を聞き、特に岡田祐佳さんには「自分もそうやんか」と息子の世話を焼きがちなことを取材中に指摘され、母として子どもとの距離のさじ加減を見直さねばと思いました。

〈一方で、息子の母離れについても気になるところ〉

昨今のSNSでは、「#息子とデート」という常連のタグがあることも興味深く、5月号の誌面で取り上げた方々の投稿をはじめ、その他さまざまな投稿を見ると、どうも息子たちの側にも、母と一緒のお出かけやその様子をSNSアップされることに抵抗がないという一面も見えてきました。

思春期になってこそ、詮索や干渉に過敏になり、息子からのNGや年相応な秘密主義など、母との距離を取るようなことはあったものの、岡田祐佳さんの息子・隆之介さんは、母との食事や買い物といった仲良しシーンのSNSアップも全然構わないとのこと。
カフェで取材中の2人の仲睦まじい様子は、本当に微笑ましく感じました。

また、体操の内村航平さんの母・周子さんも、全力の応援を一時は拒絶されつつも、今ではよく一緒に食事に行ったりするそうで、息子にもらったプレゼントのことについて、とても嬉しそうに語ってくれました。
取材現場では、スタッフ皆に「息子の好物のブラックサンダー」を笑顔で配ってくれたのですが、その様子は清々しいほどの“息子LOVE”。
息子をはじめ、家族をまるごと愛して支える先輩ママの力強さや信念に勇気をいただきました。
忙しい毎日の中で子育てに一喜一憂することも多い中、私に対して「子育てがんばってね」と声をかけてくださいました。周子さん、ありがとうございます!

〈取材を終えて、私も息子に声をかけてみた〉

さて、話は戻って、私も息子に話を振ってみました。
「私とデートして、って言ったらどうする?」

デートという語感に多少とまどった中2の息子の返事は
「いい感じのカフェに行ったり、モールに買い物に行ったり、一緒に行くよ!」

 そして、この会話の流れで判明したのですが、息子は私のことを友だちの前では「お母さん」と呼ぶこともあれば、いまだに「ママ」と呼ぶこともあるとか。
むしろ、たじろぐ私……。

でも、息子の友だちの話を聞いても、母と息子の関係はどこも似たり寄ったりで、さして変わりなさそうです。最近では、「ママっ子男子」と言って、やはり母と仲良しな息子が多いと聞きます。
約30年前、息子ほどの年齢の頃の私は、【冬彦さん】を見て震撼しました。毎週、ドラマの翌日の学校では【冬彦さん】の話でもちきりでした。友人たちとモノマネしていたほどです。
日本中に衝撃を与えたあのドラマ『ずっとあなたが好きだった』から30年余年、【冬彦さん】のように母の意のまま依存し合うような関係ではなく、精神的に自立している息子と母とが、それぞれの生活や状況を尊重できる関係で、お互いが楽しみながら「#息子とデート」「#親子デート」ができるなら、むしろ思う存分楽しむだけ楽しんじゃおう! と取材を終えてじんわりと感じました。

娘との“友達母娘”という関係と変わらない。
性差もほぼなくなってきているのかもしれません。

本誌では、ご自身も2人の男の子育て中のママ、ベストセラー『これからの男の子たちへ』の著者で弁護士の太田啓子先生が、〈息子との正しい接し方のルールや線引き〉なども紹介しています。ぜひ本誌も合わせて読んでいただければと。

取材/羽生田由香

STORYライター・羽生田由香 プレーも観戦も野球大好きな中2男子と、外出時はいつもカメラと一緒の小6女子の母。思春期に突入した子どもたちを育てる日常の中で生じた、さまざまなギモンや戸惑いを、自分が育った時代の価値観や知識を振り返りながら、これから子どもたちが生きていく未来のためには何が正解なのか、さまざまな取材を通してJunior STORYで発信中。
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