まずは、〈犬山までどうやって行くの？〉と調べるところからスタート。
東京から新幹線で名古屋まで約1時間15分、名鉄名古屋駅から特急で約25分。約2時間あれば行けてしまう思いがけずアクセスのいい場所です。タクシーを利用したい人はロータリーのある犬山駅から、徒歩でOKの人はひとつ先の犬山遊園駅で降りるのがベストです。荷物が多かったので、この日は犬山駅からタクシーで向かいました。

【ホテルインディゴ犬山有楽苑】は木曽川のほとりの広い敷地に建つ新しいホテル。「犬山城」と茶室「如庵」という２つの国宝が隣り合わせにあり、天然温泉も楽しめるというとても稀少な場所にあります。

石庭のように美しいエントランスの長い通路を抜けると大きな扉があり、その先には凛とした佇まいが美しい犬山城がそびえます。ロビーの大きな窓に、まるで絵葉書のように収まっている圧巻の眺め。

そして、鵜飼いのかがり火をイメージしたレセプションのアートウォールをはじめ、館内のあちこちに犬山らしいデザインが溢れています。

こちらは1階にある「有楽苑スイート」。2室でコネクティングルームにもなるので、家族4人で広々と使えます。
木曽川と犬山城を浮世絵風にダイナミックに描いた壁、鵜飼いの籠をモチーフにしたブルーのランプ、縁側をイメージしたソファ、からくり人形の組紐をイメージしたカラフルなペーパーコードを巻いたテーブルの脚など、モダンでユニークなアートワークがたくさん！
他にもネイバーフッドのアイテムがいっぱい隠れているので、ホテルのネイバーフッドホストに聞きながら子どもと宝探しをするように発見するのも楽しそうです。「有楽苑スイート」のテラスには柵がないので、別荘の庭のように水盤に映し出される景色を眺めることができます。

ミニバーは、隣接する国宝茶室「如庵」の斜め壁と水屋をイメージしたモダンなデザイン。ネスプレッソのコーヒーマシン、ロンネフェルトの紅茶、ハバリーズの紙パックウォーターなど充実の品揃え。

桜と紅葉が描かれた犬山焼の手作り茶器など、特注の伝統工芸品も置いてあります。
こういう伝統工芸品は、子どもたちが本物に触れる良い機会ですね。見るだけより、実際に使うことで感性が豊かになるはずです。

私にとって嬉しいのは、天然温泉があること。犬山唯一の温泉「白帝の湯」は、澄み渡ったアルカリ性単純温泉なのでツルツルの美肌に。

ちょうど桜が咲いている季節だったので、緑の合間にピンク色が見えて目も癒されました。露天風呂で涼みながら長湯もできますし、サウナで汗を流すこともできます。

もちろんフィットネスセンターもあります。備えてあるのは、再生可能な木材を使用して作られた電源を使わないマシン。水抵抗の負荷や自走式駆動の機器で環境負荷のない新感覚のトレーニングが楽しめます。
24時間使えるので、早朝、子どもが起きる前にしっかりとワークアウトできるのもありがたいですね。

お腹がすいたらレストラン「車山照（やまてらす）」へ。ネイバーフッドの食材を使った美味しい料理をいただくのは、旅の目的のひとつですよね。
ここでは、フレンチの名店「クイーン・アリス」で腕を振るった経験を持つ永宮シェフの洗練されたフレンチがいただけます。味噌や日本酒などの発酵食品文化がある愛知らしさと、フレンチのエスプリを融合した季節ごとのフルコースがメニューにラインナップ。
この日はペリエ ジュエのシャンパンで乾杯した後、地産の守口大根とマグロのタルタルをのせたオープンサンドのアミューズをいただき、アルプスサーモンを塩麹マリネした前菜、養老山麓の水でアサリの出汁をとったスープ、知多半島師崎で獲れたマダカ、和牛フィレの笹焼き…など、和を意識した食材が登場しました。
大人はフルコースを楽しめても、子どもは好き嫌いが多いし、量も食べきれない……というのは子どもがいる家庭の“あるある”です。その点、こちらのダイニングでは、パスタやサンドイッチ、魚や肉のアラカルトも選べるし、小さい子どもにはキッズセットもあります。キッズフレンドリーなレストランなので、子ども連れでも安心して食事できますね。

食後は「ザ・バー 夜車山（よやま）」で、ライトアップされた犬山城を眺めながら夫と2人で乾杯するのはいかがでしょう？　ロビー脇にあるので、ラフな服装で気軽に寄ることができます。
子どもがいると夫婦でバーへ出かけるなんてことは無縁になりがちですが、ホテル内なら安心。
茶室「如庵」を建てた茶人の織田有楽斎が現代に生きていたらどんなカクテルを飲むかをテーマにしたシグネチャーカクテル「有楽ナイト」は、犬山の抹茶、ブランデー、ココアで作った、まるでお抹茶のようなカクテル。やや強めなので、アルコールが少なめのものやノンアルコールのカクテルもリクエストすれば作ってくれます。たまには夫と語らいながらのんびりとグラスを傾ける時間も大切です。

こちらではモーニングも好評。
和朝食かアメリカンセットが選べるのですが、豪華なトレーで運ばれる和食が人気のようです。アメリカンセットの卵料理は、王道の目玉焼きやスクランブルエッグだけでなくエッグベネディクトやホテルインディゴオープンオムレツも選べるのが嬉しいですね。加えて、ライブキッチンの前には厳選されたブレッドやサラダ、スモークサーモン、フルーツなど様々な種類のビュッフェが並ぶので、どれにしようか迷うほど！　なかでも東京・青山「ゴントランシェリエ」から取り寄せた、焼きたてのクロワッサンは見逃せません。
息子は美味しいビュッフェがあると大喜びするので満足すること間違いなしです。もちろん、キッズブレックファーストセットやアラカルトのオーダーも可能です。

家族で快適なホテルライフを満喫した後は、旅をしながら子どもと学ぶ後編《旅育》へ。

どこもホテルから歩いて行けるところばかりなので、チェックアウト後、ホテルに荷物を預けて出かけられます。城下町での食べ歩きも楽しいですよ♪　……つづく