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思春期の子どもには男女別学が良い!――元開成学園校長・柳沢幸雄先生INTERVIEW

中1の男女双子の子どもがいるSTORYライター・東 理恵です。

本誌7月号P.200~のJuniorSTORY企画で「息子のダラ勉」について取り上げましたが、うちの息子も動画を見ながらプリントを開き、ダラダラしっぱなしです…。
宿題やテスト勉強は「しまった。今日は理科をやらないといけなかったんだ!」「あ、漢字テストは50問テストだった!」と直前に慌てる始末。母としては、本当にもう何をやってんだか……と思う日々です。

でも、開成学園の元校長・柳沢先生が「男子は切羽つまらないとできないもの。そこで自分がどう勉強すれば良いかを失敗しながら学べばいい」とお話しされていたので、最近は口を出さず、子どものドタバタをほっておくことにしました。

そちらの記事については、ぜひ本誌をご覧ください。

子どもに対して上から目線の子育てにならない方法は? 新山千春さんINTERVIEW

そして、他にも興味深いお話がたくさんありました。誌面ではお伝えできなかった柳沢先生のインタビューの内容をこちらで紹介させていただきます。

柳沢幸雄先生 北鎌倉女子学園学園長。東京大学名誉教授。2011年~開成中学校・高校校長を9年間務めた。開成高校、東京大学工学部卒業後、民間企業勤務、ハーバード大学公衆衛生大学院准教授、東京大学大学院教授などを経て、現職。

令和の時代は男女別学がジェンダーレス教育に役立つ

歴史的に見れば、もともと「男女別学」には差別的な背景がありました。男子校は社会のエリートを育てる機関で、女子校は良妻賢母を作る場所でした。それが戦後、1947年の学校教育法により、男女の教育機会均等がうたわれ、共学が推奨されました。

そう考えると、共学のほうが男女平等だと思いがちですが、私はそう思いません。もちろん成熟した大人の世界では男女は完全に平等ですが、思春期段階の中高生は「男女別学」が良いと思っています。
思春期は、自分自身の体が男として、あるいは女として、はっきりと成長していく年齢で、子どもたちも徐々にそれを意識していきます。そんな時期に、例えば、共学で修学旅行や林間学校に行った場合、“食事を配膳するのは女子の役割”“キャンプファイヤーの薪を運ぶのは男子の役割”と思い込み、口に出さずとも自然と男女がそのように行動します。子どもたち自身は無意識でも、今までの社会の刷り込みによって、ステレオタイプな男女役割分担をそのまま引き継いでしまう。それぐらい今までの社会のジェンダーギャップは深いものですから。

ところが、男女別学であれば、今までのジェンダーの刷り込みは通用しない。すべての作業を自分たちがするしかない。男子校では「今まで料理をしたことがなかったけど面白いかも!」とか、女子校では「初めて大工仕事をしたけど、こんなに楽しいとは!」といった自分の新しい一面を発見する機会が得られるのです。ジェンダーギャップに影響されないので、自分の可能性も広がります。

特に思春期男子の場合は、親の話はあまり聞きません。それよりも1~2年上の先輩の話に引き込まれたりするものです。同性の先輩を見て、学び考えることが多い。少し上のお兄さんたちの意見は素直に聞き入れます。親に反発する時期があって当然なのです。

以前、私が校長をしていた開成学園では、自然発生的にお弁当や料理を作るグループができあがり、楽しそうに作って食べていました。男女共学ではありえないのではないでしょうか。クイズ王の伊沢拓司君も開成時代は、ミニ回転寿司をして楽しんでいたようです。自由な校風だったので、それをしても誰も文句を言わないし、怒らない。そういった経験をしてこそ学べることもあるのですから。

一方で、女子校も昔とは変わりました。今では、良妻賢母ではなく、女性キャリアを育むための教育に力を入れています。10年前、20年前とは変わったのです。

子どもには「リビング学習」を!

それともうひとつ、私が子どもの勉強に関してお話したいことがあります。それは子どもに「子ども部屋」で勉強させないでください。テレビの音が聞こえたり、誰かがいるような「リビング学習」をお勧めします。将来、社会に出た際、会社には横に誰かがいて、一緒に仕事をする機会が多いです。フリースペースで仕事をするというところも増えています。職種にもよりますが、閉ざされた自分1人の空間ではなく、どんな場所でも勉強できるようにさせておくほうが良いでしょう。

撮影/吉澤健太 取材/東 理恵

《取材ライターの編集後記》 双子が中1になり、確かに男女の刷り込みが勝手にでき上がっているように感じていました。息子は“男は積極的に攻めるもの”と思っているようで、ゲームをしながら「ここで攻めるのが男だろ!」と叫んでいました。私の子どもたちは共学ですが、息子のクラブは男子テニス部。初めて男子だらけのクラブに入り、さらに初めての先輩たちに良い影響をもらっているようです。先日、街で偶然先輩に会い、息子が敬語で話しており、少しほっとしました…。

東 理恵
中1男女双子の母。大阪在住時は放送作家を、東京では某百貨店でPOSレジ業務勤務を経て、STORYライター歴6年目に突入。「思春期の男女って、それぞれ違うなぁ」と感じる日々を過ごし中。
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