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子どもに対して上から目線の子育てにならない方法は?――新山千春さんINTERVIEW

本誌STORY7月号のJunior STORYで「娘の激ヤセ願望」(P.202〜)のPARTを担当したライターの奥村千草です。
今回STORY初登場となった新山千春さんは、STORY世代で高校2年生の女の子のママ。私たちと同じように思春期の子育て悩みの経験を経て、今はとても良好な親子関係を築いているそう。

思春期の子どもには男女別学が良い! 元開成学園校長・柳沢幸雄先生

ここでは、本誌でお伝えしきれなかった新山千春さんのお話をたっぷりとご紹介します。

新山千春さん 1981年生まれの42歳。青森県出身。タレント、女優としての活躍の傍ら、子育てや食育に関する数々の資格を取得するなど勉強熱心な一面も。最近は一人娘の もあさんとの親子共演や20代の年下彼氏の存在にも注目が集まっている。

過去には母子でぶつかり合った経験も…

「中3の受験シーズンに、進路で悩んで不安定になっている娘と何度かぶつかることがありました。
それまでは、私も一緒になって娘の目標を立てていたんですが、高校受験ともなると将来を見据えて〈なりたい職業〉から逆算して、自分の意思で選ばなければならない。自分の意思を求められたり、これまで置かれたことがない環境に置かれることへの不安、さらに受験で合格できるかどうかのプレッシャー…そんなモヤモヤとした気持ちを私にぶつけてくることがありました。
『絶対にこうなりなさい』と言うような親にはなりたくなかったので、逆に『私も14〜15歳の頃、そういう悩みを抱えていた時期があったよ』なんて話をしながら、娘と同じ目線で話すことを意識しました。私自身15歳でデビューしているので、自分が仕事をし始めた頃の気持ちを思い出しながら話すようにしていましたね。
娘とぶつかったのはその時期が最後だったと思います。
私が娘の想いを何でも受け入れる“スポンジ役”に徹したことで、娘は言いたいことを私に隠さずに伝えてくれました。だから今はいい関係を築けているのだと思います」

 

目盛りの数字に囚われる日々は送りたくないと、自宅に体重計を置いていない新山さん。体型を気にする子が増える思春期女子を育てる母として、娘に対して心がけてきたことを聞きました。

娘に対して心がけてきたこと① 自分の“過去のしくじりポイント”を正直に伝える

「今の子どもたちってリアルで生きてる。例えば、YouTubeにしても、リアルな時間にリアルな場所でその人ならではのものを伝えて共感を得たりするので、親が上から話すのでは絶対に入らないし、拒否されちゃうんですよね。
よりリアルな目線で話さないと、そして、ちゃんとした根拠がないと、聞いてもくれません。話をしながらずっとスマホを見られちゃうんですよ(笑)。
だから、私は自分の失敗談から伝えるようにしています。“しくじりポイント”から話して、自分なりの反省を話したほうが、『え? そうなんだ。ママはそれでどうしたの?』と乗ってきます。そんなときは〈スマホに勝った!〉って、私も内心でガッツポーズ!(笑)」

娘に対して心がけてきたこと② 「ヤセ=美」と思わないように幅広く色々見せる

「今はK-POPが流行っているからK-POPアイドルのように細い体型に憧れる女の子が多いと思うんですが、ダンサー志望のうちの娘の場合はビヨンセの“ボン、キュッ、ボン”スタイルに憧れていて。
それは、もともと私が海外のさまざまなPVを観るのが好きで、娘にも国内外問わずいろいろと見せていたのが影響している気がします。
私自身、“ヤセ=美”という考えがどうしても引っかかってしまって…。そこだけを切り取って子どもが憧れてしまうと大変だと思うので、小さい頃から限られた狭い世界だけじゃなく、多様な美のカタチがあるということを見せるのは、とても大事なことだと思います」

娘に対して心がけてきたこと③ 上から目線にならないように、逆にSNSを利用する

「SNSには問題点もたくさんあるけど、使いようだと思うんです。
例えば子どもに伝えたいことがある時。
前もって子どもの憧れの人を把握しておいて、親の意見としてではなく、その人のSNSでの言葉を使って伝える。そうすると、子どもはダイレクトに吸収してくれるんです。
他にも、子どものInstagramアカウントをこっそりチェックしておくと(もちろんバレてますが、決してコメントや“いいね”はしません)、その日の行動や食べたものが分かるからちょっと安心。
親から『今日どこ行ってたの?』『何を食べてきたの?』と聞かれるのは嫌だろうし、監視されているみたいな感覚になりますよね。思春期は詮索されるのを嫌がる年代。上から目線にならないためにもSNSを逆に利用してます」

そして、子どもと一緒に成長していきたい…

「私自身、高校生の頃から仕事をしていたので、あまりちゃんと学校に行けていなかったんです。
それもあって、今は意識して《学び直し》をしています。
この前、ダンスの練習に忙しい娘が全然テスト勉強に取り組めないことがあったんです。ちょうど資格の勉強をしていた私は、返却されたばかりの自分の模擬テストの採点結果をリビングのテーブルに置いて、『そうだ、仕事は終わったけど、テストが近いから勉強しなきゃ!』と呟いて、『あれ? そっか、もあも試験だっけ?』とリビングにいた娘に声をかけました。すると娘は『あー。そう』と言いながら自分の部屋へ行きました。それで少しはスイッチが入ったようです。
思春期の子どもは『やりなさい』って言われても聞かないんですよね。むしろ、『やりなさい』って言われるとやりたくなくなる。だからママも勉強している姿を見せるのがいいのかと思って、リビングで教材を広げて勉強しています。
母と娘は女同士。お互いに負けず嫌いなところがあるんです(笑)。
これからも刺激し合って、娘と一緒に成長していけたらいいなと思っています」

撮影/大森忠明 取材/奥村千草

《取材ライターの編集後記》 ここ数年、思春期の娘との関係に悩む私にとって【新山千春さん&もあさん親子】は理想的な母子関係だなと思いながらお話をうかがいました。〈親としてきちんとしつけなければ〉〈できるだけ苦労の少ない道を用意してあげなければ〉と、無意識のうちに自分の中に築き上げた「しなければならないこと」に囚われすぎて、本当に大切な娘の気持ちを置き去りにしてしまっていたのかも…。そして、つい上から目線で話してしまっていることも反省。同性だからつい自分と重ねて比べがちだけど、もう少し娘に寄り添って、時には「スポンジ役」に徹することも必要だと思いました。

奥村千草
中1女子と小3男子ママ。中学受験を経てJC(女子中学生)になった娘は思春期真っ只中。小学校高学年の頃から何かにつけて衝突する日々に、何かいい解決策はないかとリサーチ→取材へと繋げている。「思春期キャリア教育」(2023年6月号)、「思春期受験」(2023年2月号)、「思春期の我が子に『裏切られた』時」(2022年7月号)などこれまで様々なJunior STORYの企画を担当。思春期の子どもを持つ母の一人としての視点を交えつつ、同じ悩みを抱えるママたちに向けて情報を発信中。
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