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卒母が近づき、生きがいがなくなりそうです【尾木ママ連載vol.24〈最終回〉】

第24回は子育てロスになりそうな自分が心配という方からの相談です。

前回は息子の友達を褒めたらイヤな顔をされたママのお悩みです。

H.Fさん(47歳) 高校3年生と中学2年の女子 私がしっかりしていないせいか、逆に子ども達がしっかりしていて、育児悩みというより、子育てロスになりそうな自分自身のことが心配です。趣味も特技もないし、特に夫婦仲も良くないので。子育ては大変だったけれど、子どものイベントごとで楽しかった日々がなくなってしまったら、どうなっちゃうのかなと。生きがいを見つけられるのか心配です。周りのママさん達と比べてしまって、自分自身の自己肯定感をあげなくてはと思っているのですが。子育てロスにならない方法を知りたいです。

 

 

 

尾木ママ’s Answer

「子ども達がしっかりしている」―これは、子どもが自立してきているということですから、子育てにおいては半ば成功している証拠なのです。過干渉でもなく、放任でもなく、愛情を持ってお子さん達を育てられた素敵なお母さんなのでしょうね。

このお母さんは「趣味も特技もない」と言っていますが、私はそうは思いませんよ。お悩みにもありますが、子育てをしていく上で、お子さんの多種多様なイベントに参画されてきたと思います。合唱祭や文化祭などの学校行事やPTA、地域のお祭りやボランティアなど、様々な場で、色々な方と接しながら、活動されてきたのでしょう。そのようなイベントに参加することをこの方は苦ではなく楽しめる素養をお持ちなのですから、これは立派な特技です。そこは自信を持ってほしいですね。

近い将来に子どもが手を離れていくことを寂しく思われるお気持ちもわかります。でも、子どもの自立をきちんと意識されているお母さんですから、ひどい子育てロスに陥る心配はないんじゃないかしら。注意しなければならないのは、自分の子どもを所有物のように思っている親御さんです。自分の叶えられなかった夢を子どもに委ねていたり、習い事をたくさんさせて、親の期待に応えさせるような子育てをしている方。子どもを自分の作品のように思っている方。一般的には男の子のお母さんが陥りがちですが、息子を自分の理想の男性に仕立て上げようと、髪型やファッションまで決めたがるお母さんもいます。こういうお母さんは、思春期を過ぎて自立していく時期にも干渉してしまうタイプかもしれません。母親にとって異性である息子はやはり可愛いのでしょうから、気持ちはわかります。娘を見送るときは洗濯機を回しながらだけど、息子は角を曲がって姿が見えなくなるまで見送るなんていうお母さんもいますから(笑)。娘でも息子でも、所有物のような子育てをし、過干渉だということに気がつかないと、子どもの自立を遅らせてしまうし、親御さん自身も子離れできず自立できなくなります。お互いに独立した人格であるということを意識することで、子育てロスは回避できるでしょう。

ところで、きっとこの方のように、子育てを楽しみながらも最優先にされてきた方は、実は我慢したり諦めたこともあるのではないでしょうか。自分の時間を持つことや旅行、習い事や勉強、今までできなかったことをひとつずつやってみると、それをきっかけに、あらたな生きがいが見つかるかもしれません。是非、自分の「やってみたかった」をひとつずつ実現するということを意識してみてください。また、新しいコミュニティや人間関係を通して友達ができることもあります。悩みの程度に差はあるにしても、子育てロスに悩む方も少なくないでしょうから、不安や悩みを話してみると共感する友達もいるかもしれません。同じような立場の仲間がいると思うと気持ちも楽になりますよ。

この相談で注目すべき点がもう一つ、「夫婦仲が良くない」ということ。子育てが一段落する頃の年齢で夫婦仲があまりよくないという方は少なくないように思います。夫婦仲が悪くなると子どもに依存していく傾向にあります。でも、これからは人生100年時代ですから、90歳超えても夫婦で一緒にいるかもしれませんからね。先の事を考えたら、卒母が転換期です。子どもが自立したら、今度は旦那さんに目を向けるというのはどうですか?定年退職後に一緒に楽しんだり共有できることを増やしてくというのもおすすめします。

子どもと一緒に経験することが減ってきたというのは、子ども達の世界が広がっているということですから、喜ばしいことです。親が教えていた立場から、今度は教わることが増えていくというのは子どもが成長した証。それは親にとって、何よりも幸せなことではないでしょうか。子育てロスになることを心配するくらいなんだから、それだけ、愛情をもって子育てされてきた素晴らしいお母さんです。まずはここまで、おつかれさまでした!ぜひ、今度は自分自身に目を向けてあげてくださいね。

今回を持ちまして、2年間続いた連載の最終回となります。長らくご愛読いただきありがとうございました。
STORYの多くの読者さんの率直なお悩みに向き合い、私自身もとても勉強になりました。連載は閉じますが、これからも思春期ママをずっと応援していますよ。皆様、またお会いできる日まで、お元気で。

取材/小仲志帆

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