投資を始めるにはまず、「何のために」「いつまでに」「どのくらい」「どうやって」投資するか考える必要がありますが、11月号の誌面で私がお勧めした投資の仕方について、ここでは、もう少し詳しく、そしてわかりやすく説明します。
まず、P.210で提案した「トラッド投資」ですが、私が選んだ投資信託ファンド『日経225インデックス』は、日本経済新聞社が東京証券取引所のプライム市場上場銘柄から選定した 225 銘柄の平均株価である「日経平均株価」という「トラッド(伝統的)な」指数(インデックス)に連動する投資をしていきます。「日経平均株価」は70 年以上も前から算出されており、経済指標が全くわからない方でも日々ニュースなどで目にする機会が多いはず。運用担当の部署にいる銀行員の友人によると、お客さまから「何がどうなったらこのファンドは利益が出るの?」といった質問が多いようですが、日経平均株価であれば購入時点での価格も追いやすく、日経平均株価がいくらになったら利益が出る、というのもわかりやすいです。長期投資でこのファンドを毎月積み立てていく方法もありますが、放ったらかしにしないためにも、もう少し値動きを注視して短期で売買していきたいと思っています。チャート(株価のグラフ)を読み、騰落レシオ(市場の過熱感をみる指標)や投資主体別売買動向(海外投資家や個人投資家、信託銀行などの売買動向)など学んでいきたいです。
一方、「トレンド投資」では流行を意識して、投資対象を世界の株式にしました。例えば、米国の株式市場(NYダウ)は長期にわたって上昇しており、今後も注目される市場であり続けると思われます。そのほか、日本では人口減少が叫ばれていますが、世界では人口が増加傾向の国もたくさんあります。そういった国は、GDP(国内総生産)も今後上昇が見込まれ、経済成長が期待できる。直接購入が難しい国の株式も、投資信託では対象に含まれている場合がありますし、全世界の株式に連動する投資信託もあります(オール・カントリー・ワールド・インデックス)。
気をつけたいのは、証券会社によって取り扱いが異なる点と、実際に投資する国の成長率の推移、今後の見通しなど、さまざまな要因にも考慮する必要があります。また、誌面では「ある程度まとまった金額」としましたが、もちろん小額からも投資できます。