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著書が話題に!イライラ、一喜一憂しない中学受験のコツを小児脳科学者が提言

「中学受験」まで残すところあと3カ月。志望校を絞り込んでラストスパートをかける時期なのに、天気以上に安定しない子どもの偏差値に一喜一憂してイライラ……。でも、そのイライラの原因は? 小児脳科学者:成田奈緒子先生に伺いました。

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目次 ★ 〝イライラ〟は「過干渉」が原因?


〝イライラ〟は「過干渉」が原因?

教えてくれたのは…小児脳科学者 成田奈緒子先生

神戸大学医学部卒業。医学博士、文教大学教育学部特別支援教育専修教授。子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表。著書に『高学歴親という病』『「発達障害」と間違われる子どもたち』など。

--「中受」も子育てと同様に、心配を信頼に変える旅

『高学歴親という病』という著書のタイトルから、〝中受反対派〟と思われがちですが、私自身「中受」を経験していますし、娘も受験することを選択し、決して反対派ではないんです。上手く使えば、「中受」は脳の発達にもすごくいい経験だと思っています。

昨今は、小学校1年生や2年生の低学年から受験塾に通う子も多いようですが、「やりたーい!」と口では言ったとしても、脳の発達としては、まだ自分で選択して決定できない段階です。そのため、親主導で始まることになります。

それが、小学校6年生になると自分で判断して行動できる年齢に達するんですね。その段階で本人が「中受をしたい」と言うのなら、自身で一つ人生の選択をしたことになるでしょう。12歳という年齢は、脳科学の見地から65%の信頼を置いていい年齢です。そう、心配は35%くらいでいいのです。

親は子どもが成人した時、信頼度が100%になるように少しずつ心配を減らし、信頼を増やしていかなければなりません。さあ、今のあなたは過干渉になってはいませんか――?

子育ては〝心配を信頼に変えてゆく旅〟です。そして、「中受」も、まさにその旅の一つ。今、「中受」というレールに乗っているのなら、子どもを信頼し、心配を減らさなくてはいけません。

子育ては、諦めと我慢の連続。そして待ち、信頼を置くと子どもは育つものです。一方、信頼の逆の位置にあるのが過干渉で、ママがイライラしてしまうのは、子どもを信頼していない証しなんです。そして、信頼されていない子どもは不安になってしまう

受験期こそ「伸びる脳」になる環境を作りたいものですが、「伸びる脳」=「不安じゃない脳」なんですね。ママのメンタルが揺れると不安になり、脳の伸びしろを奪うことになりかねません。そして、不安の強い子は自己肯定感も低くなってしまいます。

逆に、「あなたは今より絶対良くなる、成長するよ」というマインドセットは、大人以上に子どもに有効です。そう、信頼こそが、「中受」に挑む12歳の子にとって、一番のエールなのです。

-- あと3カ月、のびのびとした脳でその子らしく受験の日を迎えて

そして、親がつい忘れてしまいがちなのが、〝自分〟と〝わが子〟が別人格だということ。得意なことも個性も、自身とはきっと異なることでしょう。

しかし、概して自分が成功している高学歴の親御さんは、自分と同じ道を歩むこと=幸せなのだと思い込む傾向にあります。でも、幸せの形なんて人それぞれ。結局それはすごく強い偏見、差別で、自分の社会的立ち位置は良くて、それ以外はダメな人という見えない偏見を子どもに刷り込むことになってしまいます。偏差値より、過去問題のコピーより、今見るべきは、我が子そのもの。塾の勧めるままの学校を受験させていいのか、もっと合う学校があるのではないか……? 今一度、考えてみてください。

さて、残り数カ月。受験すると自身で決めた脳はこの時期からでも伸びます。私の場合、〝お受験ママ〟をやったのは、12月22日から1月8日までの2週間くらいですが、娘と共にみっちりと過ごしました。一緒に朝4時に起きて過去問をやり、朝ごはんを挟んで13時くらいまで勉強したら、ランチに行って。脳のためにも9時間以上は寝たほうがいいからと、お風呂に入って6時くらいには寝て。イベントみたいで楽しかったですよ。「中受落ちても公立があるからありがたいね!」と楽観的だったため、脳にもノンストレスだったのでしょう。今でも、娘と「中学受験は楽しかったね!」と話します。

「中受」は、一生の友を得、自分を知る良き経験です。 12歳の子どもにとって、そして親子の、良きイベントとなるよう願っています。

Message 脳科学の見地から12歳の子どもは65%信頼できます。あと数カ月、親ができることはわが子を信頼すること――

撮影/馬場わかな 取材/山崎智子、宮寺佳愛、竹永久美子  ※情報は2023年11号掲載時のものです。

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