STORY1月号で長女・向日葵さんと「親子ジュエリー共演」していただいている髙田万由子さん、夫はご存じバイオリニストの葉加瀬太郎さんです。「母は理想の女性。尊敬している母と親友の父、なんでも相談できる祖母に囲まれて、家族の中に味方がたくさんいます」と話される向日葵さん。万由子さんはどのような家族のあり方を作ってきたのか、お話を伺いました。
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【髙田万由子さん、長女・向日葵さんインタビュー特別カット集】
パパを嫌いっていう娘にはしたくなかった、母の作戦
うちの家族はチームのような形で、まず娘とパパ(葉加瀬太郎)が親友のように仲良しなんです。実はこのことはパパを嫌いっていう娘にはしたくなかった私の作戦でもありました。娘にとってパパは一番の遊び仲間で、一緒にお買い物に行ったり、夜のラーメンに付き合ってあげるような関係。2人は似たもの同士なので、私が忙しい時なんかは2人で旅行にも行ったりして、気が合うのかもしれませんね。最近は「パパのことが可愛くて仕方がない」なんて娘がいうんです(笑)。パパにとっても娘は癒しのような存在なので、私は2人の仲をそっと見守る係にしています。
みんなでイギリスにいったときはまだ娘は8歳で、今となっては人生のほとんどをイギリスで過ごしていることになります。娘にとってはイギリスが故郷で日本が海外の感覚みたいです。イギリスに行ったばかりのときはパパは忙しくて家にほとんどいなかったので、私は娘と2人きりの時間が長く、パパが帰ってくる日は「今日はパパが帰ってくる!」って子どもたちは大喜びでした。だからこそ今パパと一緒にいられる時間が貴重で大切にできているのかもしれませんね。
「バイオリンをやめたい」という娘の決断を尊重し受け入れました
娘は2歳からバイオリンを習っていたのですが、パパに教えてもらうのではなく先生と私とで教えていました。それはパパの希望で娘とは親友のような関係でい続けたかったからだそうです。
バイオリンを小さい時から習っていて、娘の1日のやる事リストの一番上にあったので、バイオリンをする時間か、バイオリン以外の時間かというほどずっとバイオリンをさせていたんです。頑張ったときは「頑張った神様が来てくれたからうまく弾けたんだね」と幼い時にがんばるときのおまじないでよく言っていました(笑)。娘は当時を振り返ると「バイオリンの練習が嫌で仕方がなかった」と言います。週末も学校の後も何時間も練習をしていたので、周りのお友達は遊んでいるのが羨ましかったようです。
突然15歳のときに娘から「バイオリンに時間を使わず、勉強も頑張りたいのでやめたい」と言われました。私自身はショックでしたが否定するのも違うと考え「じゃあ1回コンクールで優勝したらやめてもいいよ」って言ったんです。コンクールで優勝することって簡単ではないので、難しいだろうとも思っていました。万が一コンクールで優勝したら、それが自信になってまた続けたいと言ってくれるんじゃないかな?なんて淡い期待も少しは持っていたんです。そしたら本当にコンクールで優勝してしまって(笑)。なんていうかなと娘の言葉を待っていたら「優勝したので、やめます」って…。「わかりました、じゃあいいですよ」っていうしかないですよね。もうダメだ…と思って娘の意見を尊重して受け入れました。
バイオリンがなくなったら母娘の関係が良好になったんです
バイオリンをしていたときは毎日喧嘩ばかりしていて正直仲の良い関係ではありませんでした。バイオリン中心の生活で私自身もピリピリしていたんだと思います。娘はその時のママはすごく怖かったって今でも言います…。それくらい関係もよくなかったと気付かされました。バイオリンが娘との間のやる事リストからなくなったことで、私も解放されて、やっと本当の母娘になれたような気持ちでいます。
最初は、親がある程度子どもの人生にレールを引いてあげないと思いますが、それを押し進めていくかは子どもの人生なので、右に行ってほしいなと思っても、左に行きたいと言い出したら、尊重してあげるのが一番だと思います。実際にバイオリンをやめてから、自分で行きたい大学を選択してやりたい学科に入学して、いま楽しそうに毎日を送っている娘がいます。その姿を見るとあのとき娘の意見を尊重してよかったなって改めて思いますね。その先にちゃんと子どもにとって納得のいくゴールがあるなら、子ども自身の人生なのでやりたいことを楽しんでいる姿を親としては見続けていきたいですよね。
<万由子さん>ジレ¥24,200シャツ¥17,600(ともにドレステリア/
問合せ先
ヴァンドーム青山プルミエール 伊勢丹新宿店℡03-3350-4314
COEL http://ec.coel-y.net/
ドレステリア 渋谷スクランブルスクエア店℡03-6419-7115