少子化時代と言われて久しい今日。そんな中で、たくさんの子どもたちに囲まれて、元気に楽しく大家族を切り盛りしている母がいます。苦労も大変さもありながら、家族も自分も大切に生きる彼女たちの、ライフスタイルや心の持ち方について取材してきました。
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ラミレス美保さん 41歳・神奈川県在住
(社)Vamos Together代表理事
3人目が生まれてから周りへの
「ごめんなさい」が「ありがとう」に
「ごめんなさい」が「ありがとう」に
「夫は子どもがたくさんほしいと言っていましたが、まさか自分が4人の子どもを育てるなんて思っていませんでした」。
そう話すのは、ラミレス美保さん。ご主人は元横浜DeNAベイスターズ監督で、〝ラミちゃん〟の愛称でもお馴染みのアレックス・ラミレスさんです。第1子の長男を出産した後、その子がダウン症であることがわかりました。兄弟姉妹で助け合って育ってほしいという思いが生まれ、美保さんも子どもはたくさんいたほうがいいと思うようになりました。
最初は慣れない育児への焦りが多かったという美保さん。ご主人は当初から、美保さんにシッターと会ってみないかと提案したそう。
「私は何でも自分でやらなければいけないと思っていたので、人に頼むなんてとんでもない! と。でも会ってみたら信頼できるシッターさんで、こういう選択肢もアリなんだなと。何かあったときに頼れる人がいるという安心感ができました」。
とはいえ、最初は周りの人にサポートをお願いすることもできなかった…。しかし子どもが多くなるにつれて、どうしても自分で対応できないことが増え、少しずつ人に頼ることができるようになったと言います。
「以前は、誰かに助けてもらうことがあると『ごめんなさい』という言葉がでてきてしまい、申し訳ないという気持ちばかりでした。頼ることへの罪悪感ばかりでしたが、3人目からは、とても自分一人では対応できなくなりました。そうなると自然と『ありがとう』と言えるようになりました。頼ることで私の心の健康が保たれて、家族もハッピーでいられるんですよね」
3人目の頃から変わった育児のスタイル。「初めの頃は離乳食も丁寧に作っていました。市販のものではなく、オーガニックの食材が中心で、電子レンジも使わないようにしていました。でも3人目からは離乳食らしいものは作っていませんし、寝かしつけもしていません。それでも元気に育っていますよ」。
ご主人はキャンプや遠征で家を空けることが多く、ほぼワンオペで育児や家事、そして自身の仕事をこなしていた美保さん。「子どもたちも、私一人しかいないというのを理解しているので、〈ママを助けないといけない〉という気持ちが芽生えるみたいです(笑)。家族は〝チーム〟だから『誰かができない時にはお互いがサポートし合えるといいね』と話しています」。
息子が3人、娘が1人!
撮影/BOCO 取材/星 花絵 ※情報は2024年3号掲載時のものです。