元日本テレビアナウンサーとして多くの視聴者に親しまれた、フリーアナウンサーの森麻季さん(43)。華やかな大学生活、そしてアナウンサーとしての充実したキャリアを経て、現在は2人のお子さんの子育てを優先されています。子どもたちの幼児期の大切さを強く感じ、その成長に寄り添う日々。現在は、“子育て最優先”を選択している森さんは、お子さんたちとどう向き合っているのか? 大切にしていることや、その思いを伺いました。(第2回/全3回)
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第3回 森麻季アナ(43)が「40代は子育て最優先!」と決めた理由とは
親も一緒に楽しむ! 好奇心を大切にする子育て
私が子育てで大切にしているのは、息子たちの「ねぇ?どうして?」という問いかけに、できる限り丁寧に付き合うことなんです。子どもって、本当に驚くほどの好奇心を持っていて、毎日が新しい発見の連続。そんなとき、親がどう反応するかで、彼らの探究心や学びがどれだけ深まるかが決まるのではないかなと思っています。
具体的に言えば、まずは「子どもの疑問に、その場できちんと向き合うこと」が大前提。そして、ただ教えるだけじゃなく実際に体験させてあげることも大切にしています。子どもが興味を持ったことは、できるだけ自分で触れて学べるようにしてあげたい。それに、親自身も一緒に楽しむ姿を見せることってすごく大事なんですよね。なので私たち夫婦は、いつも子どもと一緒に学びながら、新しいことに挑戦しています。
長男が教えてくれたピアノの楽しさ
長男が1歳ごろから通っていた幼児教室では、音楽や英語、体操、ダンスなどいろいろな授業がありました。その中で、私たち夫婦も驚くほど早い段階で、彼は音楽に強く興味を持つようになりました。その教室で受けた〝毎月1人の作曲家にスポットを当て、その作曲家の曲をみんなで演奏したり踊ったりする〟プログラムに、長男は驚くほど夢中に! 作曲家の肖像画を先生からもらって家の壁に貼ったり、作曲家に関するクイズを私と出し合ったりと、日常生活の一部に取り入れるほど楽しんでいました。
自然と「この作曲家の、この曲を弾いてみたい!」と言い始めたので、長男は3歳からピアノを習い始め、それから6歳になった現在まで自分から進んでほぼ毎日ピアノを弾いています。音がご近所の迷惑になるといけないので、朝8時以降をピアノOKの時間にしているのですが、「早く8時になってほしい!」と毎朝待ちわびるほど大好きなんです。 ピアノが気持ちや頭のリセット方法になっているのか、何かに困ったり、気持ちが揺れ動いたときに、自然とピアノの前に座るようです。すっかり長男にとっての大事な習慣になっています。
音楽への興味や好奇心がどんどん広がっているので、私たちはいろいろな音楽を聴かせるようになりました。寝る前にはクラシック音楽を流し、息子と「この曲は誰の曲?」と競い合うのが毎晩の日課。映画のサウンドトラックも楽しんでいて、映画を観ながら「これって何の曲?」と聞いてくることも増えました。私たち夫婦も一緒に調べたりしながら、子どもと新しい発見を共有し合っている時が、何よりも貴重な家族の時間です。
北海道から沖縄まで、親の私たちもすっかりアウトドア派に
子どもたちが何かを覚える際には、本を読むだけではなく自分自身で体験してほしいという気持ちがありますし、私たち夫婦もその体験を一緒に大切にしたいと思っています。これまで主人はあまりアウトドアな生活を送ってこなかったのですが、長男が魚に興味を持ったことをきっかけに「今度は沖縄に行って釣りをしてみようか」なんて話が出るようになりました。子どもたちと同じく、親の私たちも全くの初心者なので、まずは釣竿をどれにするか一緒に調べるところからスタート。どの行き先が良いかを調べたり、先輩ママたちからアドバイスをもらいながらプランを考えました。これまで知らなかった分野の情報を集めることが、今までの生活にはなかった新たな楽しみにもなっているんです。
今では、北は北海道から南は沖縄まで、家族で山に登ったりキャンプをしたりする機会も格段に増えました。私も主人もテントを張った経験はなかったですし、火起こしはテレビで見たくらい。釣りに行けば餌をつけるのも大変で、「こんなに難しいんだ」と感じます。詳しくなかったアウトドアブランドの洋服や靴は、いつの間にか増えました。子どものために…と思っていた体験は、親にとっても新鮮で刺激的で、想像以上の感動や苦労を味わえていることに喜びを感じています。
子どもたちは男の子だからなのか、怖がりながらもちょっとした冒険が好きなようです。今年の夏には、夕方の薄暗い中で懐中電灯を持ってカブトムシなどの虫を探しに行きました。虫に刺されないよう長袖を着て、帽子をかぶってと完全防備だった分、暑い中での行動は大変でしたが、最後にはたくさんの虫の巣を見つけて楽しんでいました。
近所の公園でのこんな小さな体験でも、終わった後には「次はこれをやりたい!」と次々と新しい興味を見つけて、私たちに教えてくれます。そんな子どもたちの好奇心を尊重し、どんどん挑戦させてあげたいんです。無理に続けさせることはせず、彼らが楽しんでいる間は全力でサポートし、もし興味が薄れたらやめてもいいよ、というスタンスで見守っています。今のところ彼らの興味はどんどん広がっているので、そのプロセスを全員で楽しみながら、家族の絆を深めていけることが今の楽しみです。
衣装協力:スカート¥16,940、ニット¥17,380、スカーフ¥4,290(全てMARIED’OR)
お問合せ先:株式会社マリードール 06-6232-0868 https://www.mariedor.com
撮影/加治屋 圭斗 ヘア・メーク/陶山 恵実 スタイリスト/水口 久美子 取材・文/日野 珠希