子ども4人の母として日々向き合う土屋アンナさん。子育てで大切にしているのは、子どもの“やりたい”という気持ちをできるだけ止めないことだといいます。自由にさせる一方で、人として大切なことはきちんと伝える、そのバランスを大事にする“ロックな子育て”。柔道を通して学ぶ負ける経験や、子どもたちとの食卓の時間、そしてなんとかなると信じる力。子どもたちが自分で考え、選び、前を向いていけるように。日々の積み重ねの中で育まれている、土屋さんの子育てのかたちに迫ります。
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★ 負けることもちゃんと経験させたい
★ 「なんとかなる」と思える力を育てたい
★ “食べさせること”は、“向き合う時間”でもある
★ 子どもたちの「おいしい」が、私の生き甲斐
子どもの“やりたい”を止めない。それが私のロックな子育て
私の子育ての基本は、「自由さ」です。子どもたちが “やりたい”と思ったことを、できるだけ止めない。それを大事に考えています。塾には行かせていないですし、勉強も「やりたい」と思ったときに始めればいいと思っていて。無理に机に向かわせるより、外で遊んだり、好きなことに夢中になったりする時間のほうが、その子にとって必要な時期もあると感じています。
家のなかでは本当に自由で(笑)。一軒家の中でローラースケートをやることもありますし「それやる?」って思うようなことも、基本的には止めません。もちろん危ないことは別ですけど、“やりたい”という気持ちはできるだけ大事にしたいんです。
基本的に子どもたちを怒ることはほとんどありません。家では遠慮せず、失敗してもいいから萎縮しないで思いっきり過ごしてほしい。その代わり、誰かを傷つけるような言い方をしたときや、自分勝手な行動をしたときは、その場で向き合って、なぜダメなのかをきちんと話す。自由にさせるだけではなくて、その中にちゃんと軸をもつこと。そのバランスはすごく意識しています。
見守るということは放っておくことではなくて「大丈夫」と信じること。そのバランスがあるからか、子どもたちは人との関わりで大きく悩むことはあまりなくて。公園でも、気づいたら知らない子と一緒に遊んでいたり、自然に打ち解けているんです。自分の気持ちもちゃんと伝えてくれるので、ぶつかり合うというよりは、話せばわかる関係でいられているなと感じています。
負けることもちゃんと経験させたい
習い事は柔道をやらせています。体が強いからこそ、その力をちゃんとコントロールできるようになってほしくて。礼儀や相手を敬う気持ちも自然と身につくので、すごくいいなと思っています。
やると決めたことはちゃんとやりなさいとは言いますが、「どうしてもやりたくない」と言ったらやめてもいい。そのくらいの自由度は残しています。やらされて続けるより、自分で選んで続けるほうが意味があると思うからです。
柔道で負けた日は、本当に悔しそうな顔で帰ってくるんですよ。道着のまま無言で座り込んだり、「もう嫌だ!」って感情をぶつけてきたりすることもあります。そんなときはまず、悔しいよねって気持ちを受け止めてから、ここまで頑張ったじゃんって声をかけるようにしています。すると、「次は勝ちたい」って、自分でまた前を向くんです。悔しいとか、悲しいとか、そういう感情も全部ひっくるめて、その子の経験になる。だからこそ、負けることも大事にしたいと考えています。
「なんとかなる」と思える力を育てたい
子育てって、こうしなさいって型にはめることではなくて、その子が自分で考えて選んでいくもの。その過程を支えながら、人として大切なことだけを、しっかり伝えていきたいと思っています。
私自身も完璧ではないですし、迷うこともたくさんあります。それでも、なんとかなるって思いながらやってきて、本当に何とかなってきたんですよね(笑)。だからこそ、その感覚は子どもたちにも、持ってほしいと思っています。言葉で教えるというよりも、背中で伝えていくものなのかもしれません。
“食べさせること”は、“向き合う時間”でもある
子どもとの時間のなかで大切にしているのは、食事の時間です。ただ栄養をとるだけではなくて、その日の出来事を話したり、笑ったり、ときにはぶつかったりする時間でもあると感じています。
味噌汁は必ず作るようにしていて、野菜をたくさん入れたり、その日によって具材を変えたりしながら、自然といろんなものを食べられるようにしています。「今日は何入ってるの?」ってのぞきに来るのも、ちょっとした楽しみのひとつです。
子どもは食べず嫌いも多いですが、一口だけ食べてみなって声をかけると「あれ?おいしい」ってなることも多くて。無理やりじゃなくて、まずは経験させることを大事にしています。
子どもたちの「おいしい」が、私の生き甲斐
「今日のこれ、めっちゃうまい!」って言いながらおかわりしてくれたり、兄弟で取り合いになったりする姿を見ると、「ああ、よかったな」ってすごく満たされるんです。
正直、自分は食べなくてもいいくらいで(笑)。子どもたちがお腹いっぱいになって、満足そうな顔をしている。それだけで十分というか、それが何より幸せです。
食べ終わったあとにゴロンと寝転がっていたり、「もう食べられない~」って笑っている姿を見ると、ちゃんと満たされてるなって感じられて。自分よりも、まず子どもたちを満たしたいっていう感覚が、ごく自然に自分のなかにあるんです。それが今の私のいちばんの幸せなのかもしれません。
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撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/山口理沙 スタイリスト/沢田結衣(UM) 取材・文/小出真梨子













