『GOOD LUCK!!』に『オレンジデイズ』……、私たちがキュンキュンと乙女心を震わせながら観て、
今でもその名シーンが頭に残るドラマの数々。
そんなドラマのヒロインだった柴咲コウさんは、まさに私たちの青春のアイコン。
私たちと同じように年齢を重ねた柴咲さんは今、常識にとらわれることなく、
何より“自由”で自律したオーラが魅力的。
そんな柴咲さんが今考える、俳優としての「仕事術」についてお聞きしてみました!
★ 役者でもある重度の障がい児たちは、“社会の目”を跳ね飛ばすくらい皆明るかった
★ 自身でも理解不能な、ジェットコースター的ハイ&ロー気分は、女性としてあるある!
★ 年齢を重ねた今、従うべきは自身の直感!
母でもなく、ましてや障がい児のケアの経験もない私がこの役を演じた理由
今回、私が演じたのは脳性麻痺の息子の過酷なケアに追われながら、家庭を顧みない夫に
精神的に孤立してしまう女性の役どころ。
私は、“母”となった経験もなければ、ましてや障がいのある子どもをケアした経験もありません。
そんな私が、この役柄をお引き受けしたのは、女性として今回私が演じた「由紀」の感情に
共感し、障がいのある子どもたちの本来の姿を社会に届ける一端となることに意義を感じたから。
どのような役柄でも、「共感できるかどうか――」、そんな気持ちが生まれるかどうかが
私にとっての鍵です。
私と「由紀」は、もちろん立場は違いますが、自分の弱さや不甲斐なさといったものに葛藤し、
そして失望し、病んでしまう……、そんな気持ちは理解できます。
そして、やはり人を苦しめるのは、“他者の存在、人の目”なんです。
自分と目の前の子どもだけなら思い悩まずに済むものを、真面目な人ほど
「どう見られるか」といった体裁を考えてしまう。
だから、苦しい。
私自身は、本来あまり人の目を気にすることのないタイプだったのですが、
年齢を重ね、自身で会社を立ち上げるといった中で、体裁といったものも
立場上考えざるを得なくなることも増えてきました。
仲間やスタッフなど、守るものが増えていくにつれ、そういった責任も増幅していくのを
私自身体感していたので、周囲の目に苦しむ気持ちにもどこか共感できたんです。
役者でもある重度の障がい児たちは、“社会の目”を跳ね飛ばすくらい皆明るかった
ところが、実際に重度の障がいのある子どもを育てる親御さんたちにお会いして、
その朗らかさや明るさに、逆に救われたんです。
この映画には、心身障がい児の親御さんの協力で“スペシャルニーズ”と呼ばれる
20人以上の重度の障がい児が出演しています。
私が演じた由紀の息子役の山下舜太くんや、この物語の主軸となる宮藤官九郎さん演じる
“明野”が育てる“新”こと、しんすけくんはじめ、私が接した子どもたちは、皆明るいんです。
そう、まるで天使のようで。
そんな彼らに「希望をもらっている」と話すご家族の方もいらっしゃいました。
だから、勝手に「可哀そう」と見てしまう社会の目を、そうではないのだと
培っていかなくてはならないし、成長させていくべきだと感じたんです。
知らないと不安になるのが、人間。
そんな“社会の目”を育てるという意味でも意義がある映画ですし、
そこに参加する意義もあるな、と感じていました。
自身でも理解不能な、ジェットコースター的ハイ&ロー気分は、女性としてあるある!
私にとって演じることは、自分の内側にある引き出しの中から似たような感情を探して
増幅させていって表現するという感じです。
例えば、今回の作品の場合、自分が辛い感情をいちばんシェアして頼りたい夫が家庭から逃げてしまい、
「なんでこんなことになっちゃうの?」とか、「なんでこんな目にあうの?」と、
その行き場を探してしまう。
不器用だからボタンの掛け違えもあったりして、それでいて甘えきれないし、頼りきれない。
素直じゃない部分もあったり、甘え方がちょっと空回っちゃったり……。
それが積み重なって爆発して、そして大切な相手が自分の前からいなくなってしまう。
あっ、そんな感情や経験、自分の引き出しの中にもあるなって(笑)。
わーっと感情的に気持ちを吐き出したかと思うと、その後サーッと冷静になって
自分を顧みて何も言えなくなってしまう……。
私自身、抱え込んだと思うと、バン!とストレートにものを言ったりして。
それでも、自分の内側にある気持ちを100%なんて言い切れっこないから、
考えれば考えるほど、「ああ言えばよかった」「こう言えばよかった」
なんて、どんどん言いたいことが湧き出てきて、
どうしようもなくなってしまったり……(笑)。
きっと、私だけじゃなく、そんな経験に心当たりのある方もいらっしゃいますよね。
女性の場合、自分の中のホルモンバランスも関係してくるから、
「あれ? なんであんなこと気にしてたんだっけ?」、
「あれ? なんで感情的になっちゃったんだろう?」と、
嵐の後にケロッとしている自分がいたりして(笑)。
そのときは、ちゃんと明るく、ケロッとすることにしています。
何事もなかったかのごとく、「おはよー!」なんてね(笑)。
役づくりより何より、そんなふうに女性としてすごく共感できる感情が大きかったから、
すんなりと役に入っていくことができました。
やっぱり、全く自分の中にない感情は、正直、演じきることはできないんです。
年齢を重ねた今、従うべきは自身の直感!
年齢を重ねた今、仕事に関しての指針は、“直感”に従っています。
台本をいただいて目を通してみて、直感的に「やるべきじゃない」とよぎったときは、
一応左脳で「引き受けた方が良いか、時期的にやった方が良いか」と考えるのですが、
それでも、「自分に相応しくない」と思ったらお受けすることはしません。
その時々の直感に従っていると、年齢や状況によって変わってきたりもするので、
飽きることがありません。
そして、案外それが世の中の変化と合わせ鏡のようにフィットするところもあって、
ずっとフレッシュなんです。
だから、何より直感を信じてます。
たまにその直感とやらが、「これ、やりたい!」とうずうず湧いてくるときがあって、
困ってしまいます(笑)。
自身の直感に従う今は、短期的な目標はあるけれど、長期的なプランニングはないんです。
なぜって、ドキドキしてたいから、あんまり決めたくない。
ハプニングも含めて、楽しんでたいんです。
迷いも、日々の葛藤も、全てが学びで成長の糧。
だから、遠回りも含め、今自分の人生を楽しんでいる、そんな実感があります。
ドレス ¥170,500-(N21/IZA)ピアス ¥1,399,200-ネックレス<ピンクゴールド> ¥1,100,000-ネックレス<ホワイトゴールド>¥506,000-リング<右手:ピンクゴールド> ¥448,800-リング<右手:ホワイトゴールド>¥488,400-リング左手¥976,800-ブレスレット ¥1,874,400-(すべてPIAGET/ピアジェ コンタクトセンター)シューズ 参考商品(Sergio Rossi/セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス)
問い合わせ先
IZA ☎0120-135-015
ピアジェ コンタクトセンター ☎0120-73-1874
セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス ☎0570-016600
今回、柴咲さんが出演した映画は……
『時には懺悔を』
監督:中島哲也
出演:西島秀俊 満島ひかり 黒木華 宮藤官九郎 / 柴咲コウ / 佐藤二朗 役所広司
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
「死んだほうがマシな人間」、そう呼ばれた男、探偵の米本(佐藤二朗)が殺された。
調査することになったのは、元同僚の一匹狼・佐竹(西島秀俊)と、助手で修行中の聡子(満島ひかり)。調べを進めるうちに、9 年前に起こった新生児誘拐事件にたどり着く―。
殺された米本が死の間際に調査していたのは、9 年前に失踪し、今は父親の明野(宮藤官九郎)と二人で暮らす、重い障がいのある少年・新。過去に傷つき、誰かを傷つけ、孤独に彷徨う大人たちが出会った「新」という小さな命。家族から目を背けた男、娘に捨てられた女、子を生きる糧にした男、産んだ子を愛せなかった女「生きているのが奇跡」と言われたそのひとつの小さな命が、逃げ場のない現実にもがき苦しむ大人たちの心を動かしていくー。8月28日(金)より全国公開
撮影/田頭拓人 スタイリング/柴田 圭 ヘアメーク/SHIGE(AVGVST) 取材・構成/河合由樹













