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夏休み 漫然とゲームしている中高生と一緒に映画『新聞記者』を見てほしい!

最近もっとも「観て良かった!」満足度が高かった『新聞記者』を語らせていただく。

平日夕方の渋谷・ユーロスペースは満員。
『カメラを止めるな!』大ブレイク時の興奮を彷彿とさせるような熱気にあふれていて「今のうちに見に来てよかった!」と胸をなでおろしたのが7月5日。今も連日盛況が続いているようで、気づくと全国に上映館が拡大中。友人に会うと「新聞記者観た?」というワードが必ず飛び出すほど、界隈はアツい。つまり、普段はグルタチオン点滴が~、イヤーカフが~、と言ってるワレワレも「ちょ、政治、どーなってんの?」「ホントにマスコミって信じられるの?」「日本には言論の自由があると思ってたけど、もしやどこぞの国みたいに大事な情報は隠されてるの? 操作されてたりするの?」と政治とマスメディアの関係性やあり方に、さすがに不信感MAX。は?老後に2000万貯めとけとか、どの口が?? そんなの年金詐欺だよ~~的イライラ・モヤモヤ気分にピッタリの1本なのだ。

『新聞記者』はざっくり言うと、東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す社会派サスペンス。森友・加計問題や性暴力被害でジャーナリストを告発した伊藤詩織さんの件を彷彿とさせる事件を盛り込みながら、何が何でも政権を安定させるためにネットを使って情報操作を繰り返す内閣情報調査室の官僚演じる松坂桃李と、誤報問題で自殺した父を持つ若き女性新聞記者演じる韓国の人気女優、シム・ウンギョンがある事件の真相に迫っていく…とうわけで内容は少々お堅い。でも、不気味な空間で世論を歪曲操作し続ける機関は、ある種デフォルメされた我が国の“多数は正義”思想、思考にかかる同調圧力に対しての脆弱さを象徴しているし、一方で死で償う、死によって訴えるような幕引きの美学の胡散臭さをナナメに見ている印象もあり、すべてが知的で風刺的。特にネットで多数の人が同調して書き込むとそれが事実かどうかが置き去りになり「既成事実」として一人歩きし、攻撃性を高めていくプロセスにはゾッとするどころか、これ、まんま今の日本じゃん、なう!Twitterで展開されてるヤツ~~と自戒を含めてあきれ果てた。

正義感と保身の間で揺れる松坂氏と真実を世に出すことに自分を賭けるウンギョン氏の演技のコントラストも見応え充分。松阪氏は数年前に取材させて頂いたときはまだ本領発揮前の未完の大器だったけれど、その後「あえて主役はやらずに脇で経験を積む」というマネジメント戦略とご本人の才能開花&努力が一気にブレイクして同じようなイケメン俳優の中で1歩抜きん出た演技派へと成長していて、私は個人的に「こんなにイケメンなのにどうしてこんなに一般的な役がハマるんだろう。どうしてイケメンが演技のジャマをしないんだろう?

キーーーーーッ!!」と観ていて羨ましくて仕方なかった。正直ガチで歯ぎしりした。シム・ウンギョン氏は4月に観た舞台『良い子はみんなご褒美がもらえる』に出演されていたイメージとは異なり、地味で木訥とした、でも胸には真実への執念に火を絶やさないひたむきなジャーナリストを熱演。ほぼスッピン風なのにすごい目力で、抜群に演技巧者で、こりゃ偉い女優さんが参入してきたもんだ、日本の女優、おちおちしてられないじゃんか!(焦)(怒)と複雑な気分に。ホント、日本の女優さん、ヤバイよ~(超危機感)

政治があーだこーだ以外にも、今は闇営業問題から始まる一連の騒動、ある日NHKニュース速報として流した、公正取引委員会と芸能事務所の圧力&忖度問題など、毎日のように「一体何がホントなの?」と全てが迷宮入りしている今のニッポン。一度疑い出すと全てが「黒」に見えてくる。これがいいのか悪いのかが今は正直分からない、のも悔しい。今まで政府やマスコミや報道を鵜呑みにし、自分の頭で考えることを放棄してきた怠慢な自分にも腹が立つ。とはいえ、そんなことまでいちいち真偽を精査してたらこっちは毎日のオカズや塾の宿題進捗状況まで手が回らなくなるんだよ~~税金収めてお任せしてるんだからそっちでちゃんとやってよね~~が本音。ただ言えるのは、報道というものは見る立場でいくらでも変わり、またニュースには裏の裏があり、それは自分の目で頭で追わないと分からないということ。真実は結局は「自分が見たもの、五感で感じたもの」以外にはない、という極論にもたどり着くんじゃないかってこと。まさにラストシーンは観る者の立場によって大きく印象が変わるという仕掛け。今のニッポンの危うさ、無知の暴力、平和ボケの良きに計らえ主義に一石を投じているこの作品。自分がどの思考でどんな未熟さで映画を社会を捉えているか、踏絵的に試されるエンディングに、どうぞ存分に頭ブン殴られて来てください。

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