「あれ? 何かの番組で見たことあるかも……」という方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今月の「私たちのCHALLENGE STORY」で取材させていただいた株式会社エムズファクトリー代表取締役の松田裕美さん。私は一昨年放送された日テレ「マツコ会議」を見て初めて知りました。
「たまたまママ友の集まりで作ったクラフトバンドのバッグをきっかけにはまり、その後7万円で起業してわずか十数年で年商7億円にまで成長させた」というお話と、アラフィフに見えない美しさに強烈なインパクトを受け、勝手に近寄りがたい方なのかなと想像していましたが、お会いしてみると気さくでとにかくお話が面白い!
そこで、誌面では書ききれなかった松田さんの“凄いエピソード”を、クスっと笑えるものから本気で凄いものまで、少しご紹介します。
★ ココがすごい② とりあえず日本中のタウンページを取り寄せる
★ ココがすごい③ 0歳児をおぶって新幹線で製紙工場へ!社長へアポなし交渉
★ ココがすごい④ 欲しがらないなら、私が欲しくて仕方ない人を作る
★ ココがすごい⑤ 女性の“何か入れるのにちょうどいい”という感覚に目を付けた
ココがすごい① 専業主婦時代、趣味は超本気の草むしり
「自由に使えるお金がほとんどなかったので、もう草むしりを趣味にしよう!!と思いました。自分の家に抜く草がなくなっちゃったときは、隣の家に進出。『すみません、草抜かせてもらっていいですか?』って言って抜かせてもらったり、それでも草がなくなったときは育つのを待ちきれず、2~3ミリの草をピンセットで抜いたりしていました(笑)」。
ココがすごい② とりあえず日本中のタウンページを取り寄せる
「ママ友に籠を教えるようになって、材料をちゃんと仕入れたいと思いましたが、どこに問い合わせていいかわからない。とりあえずNTTに電話して『日本中のタウンページを送ってください』とお願いしたところ、北海道から沖縄まであの黄色い本が送られてきて、一部屋が腰の高さまでタウンページで埋め尽くされました(笑)」。
ココがすごい③ 0歳児をおぶって新幹線で製紙工場へ!社長へアポなし交渉
「紙の紐の大半は静岡の工場で作られているということがわかったので、コツコツ貯めたお金で新幹線のチケットを買いいざ工場へ。社長に会うにはアボがいるとも知らず、専業主婦だったので会社の名刺があるわけでもなく、今思えば無謀すぎですよね……。それでも何とか社長とお話することができたのですが、最後に社長から言われたのは『売るのはいいけど、一体あなたは何者?』でした(笑)」。
ココがすごい④ 欲しがらないなら、私が欲しくて仕方ない人を作る
「私はこの紐が絶対売れるって信じていました。でもみんなは“売れるわけがない”っていうんです。じゃあ、私が紙の紐を欲しくて仕方ない人を作ればいいって思ったので、クラフトバンド協会を立ち上げ、講師になれる制度を作りました。営業マンがいなくても今は3,200人の先生という営業マンが全国各地で魅力を伝えてくれています」
ココがすごい⑤ 女性の“何か入れるのにちょうどいい”という感覚に目を付けた
「女性ってとにかく物を入れるものが大好き。バッグは毎年のように買うし、可愛い箱とかもとっておくじゃないですか。そしてすぐ『何か入れるのにちょうどいいわね』って言うでしょ(笑)。クラフトバンドは “何かを入れるのにちょうどいい”ものを作るのにぴったりということに気づいたんです!」。
実は私もクラフトバンドにはまっていたことがありました。もう10年以上前ですが、やはりきっかけはママ友づきあい。紙の紐といえども丈夫で、写真のバッグや籠は自慢の作品(笑)。松田さんときっかけも時期もほとんど同じなのに、私と何が違うのかなと考えたときに、“行動力”と“信じる力”の差なのかなと思いました。
東日本大震災のときは被災地に行き、仮設住宅のおばあちゃんをクラフトバンド手芸で元気づけ、これからは世界中の人を笑顔にできるようなことを思案中という松田さん。
是非誌面のお話もお読みいただけると嬉しいです。
撮影/BOCO(松田さんお写真)