老後の資金、投資、親問題、教育費……悩める40代の「お金」の話を、主だったものを集め、すべて3分以内読み切りでお届けします!
第1回: 増えている 「退職金がない会社 (年俸制)」
−−− そんな会社で働く 40代は、退職後のお金のこと、どう考えるべき!?
◯ 答えるのは…… ファイナンシャルプランナーCFP® 岩城みずほさん
https://www.officebenefit.com/
NPO法人 みんなのお金のアドバイザー協会副理事長。アナウンサー、会社員を経てFPとして独立。近著に、『腹黒くないFPが教えるお金の授業』(三笠書房刊)。
最近、「勤める会社は退職金がもらえないので、老後の生活資金が不安」という話をよく耳にします。
漠然と年金だけでは足りないとは思っているけれど、退職金ももらえない。今までちゃんと計画的に貯蓄をしていなかったから、40代からゆとりのある老後を送る生活費を貯めるにはもう間に合わないのではないかとご相談に来られるんです。
そんな方にお伝えしたいのは、退職金がない会社に勤めていることが不安で、今から何かできないかと気づいたこと自体が、何よりもとても重要なのだということ。
働くにも、貯めるにも「時間」が一番の武器なので、早めに行動すれば心配することはないのです。「今、稼いでいるお金」は今の自分を支えているものですが、同時に未来の自分を支えるものでもあります。ですから退職金がないことを不安に思わなくても大丈夫なのです。
最も大切なのは、正しい方法でコツコツと自分に必要なお金を貯めること。そうすれば老後の不安は解消しますし、STORY世代なら今からでも決して遅くはありません。
ただ、お金を銀行に預けるだけではお金は殖えないので、長期にわたり安定的に資産形成をしていくことです。それができれば、退職金があるかないかは問題になりません。
今は退職金がある会社でも想定額より減ってしまうこともある時代ですし、転職する可能性もあるので、退職金ありきで老後の生活資金を計画するのはむしろ危険。退職金がない会社が増えたなという印象は私自身も実感としてあります。そう思うと、「退職金はないものとして考える」のが、今の時代の流れかもしれません。
老後の不安を解消する方法として最初の一歩は、自分の「必要貯蓄率」を算出すること。まず 「人生設計の基本公式」で自分が老後、安定して生活をするためには月々どのくらい貯蓄をしなければならないかを明確にしましょう。
そして毎月の必要貯蓄額が判明したら、次に「お金の置き場所」を決めることが大切。
毎月の生活費の3カ月~6カ月分は出し入れが自由にできる普通預金に、それ以外のお金は殖やしていけるところで運用しましょう。今後も物価が上がっていく可能性は高いから、例えば100万円のものが120万円になった時でもお金の力、物を買う力を減らすことがないように、今から殖やすべきなのです。
現在、税制優遇が大きく合理的にお金を殖やせる場所がたくさんあります。「iDeCo」や「つみたてNISA」などがそうですが、それらを最大限に活用することをオススメします。
商品を買う際には、勧められる機会の多い「外貨建て保険」などコストの高いものより、全世界の株式に広く分散投資ができるコストの安い投資信託を毎月、少しずつ、長く買い続けていくのがいいでしょう。それがお金を殖やすコツです。
また、パートナーと一緒に貯めると貯まるスピードが早まるので、一緒に考えるのもよい方法だと思います。
第2回「ideco編」はこちらです
Lifestyle特集 【3分でわかる!】退職もそう遠くない40代からの〝お金のこと〟~②「iDeCoを今すぐに!」 2020.08.11
取材/北野法子、小仲志帆 イラスト/Grace Lee ※情報はSTORY2020年8月号掲載時のものです。