老後の資金、投資、親問題、教育費……悩める40代の「お金」の話を、主だったものを集め、すべて3分以内読み切りでお届けします!
第6回: 海外留学も考えている 「子供の教育費」
−−− いつまでにどのくらい用意すればいいのか、シミュレーションしたい!
◯ 答えるのは…… FPwoman 代表 大竹のり子さん
金融専門書籍・雑誌の編集を経てFPとして独立。正しいお金の知識を伝えて、女性の人生支援に貢献。『マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK』(新潮社刊)を監修。
お金をかけようと思えば、いくらでもかけてもよいのが教育費。周りの多くの親が子供を塾に行かせると不安になったり、どこまで他の人たちと同じように教育費をかけるべきかという相談は結構多いですね。
老後のお金など、教育費以外でも40代女性に必要なお金はたくさんあるので、「我が家はいくらまで教育費をかけてもよいのか」を逆算して最初に決めておくことが大事です。
その金額を算出して、「じゃあウチは高校までは公立に通わせよう」とか「私立中学受験をさせよう」というふうに教育費にかける上限を明確にするのです。
また、子供が2人、3人といる場合、上の子にお金をかけすぎてしまい、下の子の時に困ってしまうというケースもあります。複数の子供に対してかけるお金のバランスも考えておくべきです。
子供の教育費は、高校を卒業するまでは、月の収支や年間の収支の中から貯金を取り崩さずに賄うことが大原則。
大学以降のお金は、一人暮らしの費用なども入れると、さらに大きなお金がかかってくるので、子供が小さい時からコツコツ積み立てて、それを使うのがいいでしょう。
逆に言うと、貯蓄を取り崩さないと私立に行かせられない場合は無理して行かせず、大学以降にかかるお金を貯めておくのが得策です。
今の大学生は奨学金を借りることが普通になっていますが、みんな借りているからと安易に借りるのは違います。端的にいえば、奨学金は借金。本人が返済するにあたって貯蓄がしにくいため、結婚の時期などに影響が出る可能性がありますし、親が無理して教育費を捻出すれば自分たちの老後資金がなくなるなどの問題も。どこにどこまでお金を使うかのメリハリを考えるべきです。
一般的に高校までにかかる平均の教育費は、すべて公立に行かせて550万円くらい。中学から私立に通うと約1,000万円、小学校から私立に通うと2,000万円弱と言われます。
将来、海外留学を考えている場合は入学金、授業料、生活費の他に、渡航費、家族の渡航費(年に日本との間を何往復するかによって額は変わる)、保険料なども考えておく必要があります。
アメリカなどは日本のような医療保険がないため留学生保険に入るのが一般的で、年間15万~20万円かかりますし、授業の単位の相談にのってくれたり、安全確認など何かあった時に24時間いつでも駆けつけてくれる「メンターサービス」を利用すると、そこにも100万円単位の金額が必要です。
9月入学までの半年間に通う語学学校の授業料や生活費も考えておかないといけません。
日本の奨学金は貸与型が多く、よほど優秀でない限りは必ず返済しないといけないシステムですが、海外は給付型の奨学金(特待生)がメジャーです。
ほとんどの大学でさまざまな奨学金があり、審査や合格時にどの奨学金を利用するかによってかかる費用が大きく変わってくるので、下調べをし、奨学金をいかにうまく使うかが鍵となるでしょう。
取材/北野法子、小仲志帆 イラスト/Grace Lee ※情報はSTORY2020年8月号掲載時のものです。