Lifestyleママとパパに贈る「ジェンダーレス学」

【上野千鶴子のジェンダーレス連載vol.1】「今の子どもたちは、親が送ったような人生は送れません」

「結婚と家族」について①

Q.最近は、眞子さまと小室さんの結婚が話題になりました。お2人は自分たちの自由を選んだという感じですが先生はどう思われていますか?

眞子さんの結婚についての報道の在り方を見ていると、異常だと思います。
ほっときゃいいじゃん。あんな目にあったら、誰だって皇室からも日本からも出て行きたくなりますよ。本当にかわいそう。親の金銭問題が、どうして子どもに関係あるの? 前首相の菅さんだって、息子の接待疑惑が出た時に「息子は別人格だ」って言ったでしょ。親が息子に責任を持たないなら、息子だって親に責任を持つ必要はない。「母は別人格です」と言えばよかったのに。言ったら言ったで反発くらうだろうけど、言わせておけばいい。

Q.みんなが家族のようにいろいろ言うのはなぜですかね。

皇室は国民の所有物だと思ってるから。眞子さんは家父長制の犠牲者ね。皇籍離脱をするための条件が、もうひとつの別な戸籍に入るしかない、という不自由。眞子さんという人が皇族でなくなるためには「小室」姓になるしかないと。逃げ場がそこにしかなかった。本当にかわいそう……。

だいたい、普通の一般家庭にしても子どもが自分で選んできたのなら、息子や娘の結婚に介入しなくていい。結婚するのはあなたじゃなくて、子どもなんだから。失敗しても失敗するのも権利だから。

Q.あのニュースで騒いでいる人たちは、結局、子どもたちにも自分が持っている結婚の価値観を押し付けるのでしょうか?

そうでしょうね。「私が祝福しない結婚は認めないぞ」という人たちですから。そこで娘たちはどうするかというと、親に紹介できるような人を選ぼうとして、その一方でボーイフレンドと結婚相手を区別してる。今の若い子たちは「付き合ってるけど親に紹介できない」と平然と言います。それはそれ、これはこれ、と。

面白いのは、結婚がたった1人の異性を選ぶことではなくなってしまってること。夫を選ぶことは、夫以外の他のすべての異性との関係を諦めることではなくなってる。夫とボーイフレンドは別、結婚後もボーイフレンドには夫との性的な悩みまで言うみたいです。

Q.そもそも結婚の在り方が変わってきた?

はい。今の子どもたちには、親が送ったような人生は送れません。息子はパパのようには生きられないし、娘はママのように生きられない。そして、自分の子供が結婚するとは限らない。
生涯非婚率の予想値でいうと2030年には、男性の3分の1、女性は4分の1が結婚しない。
だから孫を抱いておじいちゃん、おばあちゃんにもなるのも、当然とは言えなくなるでしょう。
それだけでなく、結婚が一生のものではなくなりました。3人に1人はシングルアゲインになります。それぐらい結婚が盤石ではなくなった。娘や息子を結婚させたから安心、とは思えない時代がやってきたんです。

Q.では、いったい結婚のメリットって何だと思いますか?

それでもメリットだらけです。制度的にさまざまな特典が付与されているのですから。結婚制度は「生活保障財」です。

Q.  生活の基盤として、自分が楽になるために結婚する人もたくさんいますよね。

そう。でも楽とは何か? コストとベネフィットの両方を考えてみる方がよいでしょう。
結婚による生活保障には「妻の座」権というものがあって、ありとあらゆるところで優遇されいます。税制・社会保障制度のうえでも、相続の際にも、離婚時にも、「妻の座」権はどんどん強化されています。
でも私は、それが妻の地位の向上だとは思っていません。裏から読めば「夫の看取り保障」と呼んでる。最終的に得をするのは誰かというと、死ぬまで妻に見放されない夫。妻にとっては夫を看取るまでガマンするための制度なんです。
「妻の座」権が優遇されてきたのは、妻が無権利状態だったから。日本は夫婦共産制を認めていないから基本は個人財産制で、妻に収入がない時にはそれが有効だったということ。

Q.ちなみに、先生は結婚したいと思ったことはありますか?

大昔にあります。ちょっと冗談みたいな話なんだけど……(笑)。大学院の時に同棲していたのだけど、ある時、帰宅した男に「ねえ、結婚しようか」って言ったの。そうしたら男が私の頭を撫でながら「かわいそうに。ちこちゃん、今日は一日おんもに出なかったんだね」って(笑)

Q.  え? それでごまかされちゃったんですか?

違うの。図星だったの。その日は家で鬱々と過ごしただけだったから。
それぐらい私のことを理解してる男だったの。だから私も「そうね」って。
それで終わり(笑)。結婚て、気分が後ろ向きの時にするものみたいね。

Q.もっと突っ込まなかったのですか?

それより前にも、その男の親が「同棲相手の娘さんに、お前が責任をとってあげなさい」と言ってたのだけど、私は「え? 責任なんてとっていりませ〜ん」と。
こちらもそれで終わり(笑)。

Q.結婚したいと思ったときは、その1回だけですか?

まあ、そうですね(笑)。同棲は何回かしてますけど。

Q.エピソードがかわいいですね!

頭を撫でてくれてね。いい男でしたよ(笑)

取材/東 理恵

上野千鶴子 1948年富山県生まれ。社会学者。京都大学大学院修了、東京大学名誉教授。東大退職後、現在、NPOウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長として活動中。2019年東大入学式での祝辞が大きな話題に。『おひとりさまの老後』や『在宅ひとり死のススメ』など著書多数。

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