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森崎ウィンさん「こんなことってある? と感激しました」

ブロードウェイミュージカル 『ピピン』に出演する森崎ウィンさんのインタビューをお届けします。

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◯ 森崎ウィンさん(31歳)

この挑戦をやり遂げられたら、
僕自身も大きく成長できるんじゃ
ないかと感じています

「こんなことってある? と感激しました。自分が出演できる日がくるとは、思ってもみなかったので」

そう声を弾ませる森崎ウィンさん。約3年ぶりに再演される日本語版『ピピン』に出演します。1972年にブロードウェイで初演された本作品は、意義ある人生を探し求める王子ピピンの物語を、劇中劇の形で描くミュージカル。2013年にアクロバットやイリュージョンを大胆に取り入れた新演出で甦り、トニー賞四冠に輝きました。’19年にはその日本語版が、城田優さんやクリスタル・ケイさんらの出演でお目見え。この公演のことを深夜のテレビCМで知った森崎さんは、「面白そうだな」と自らチケットを買い、一人で観に行ったのだとか。

「これぞエンタテインメント! という作品で、マジカルな舞台にすっかり心を奪われました。自分もピピンと一緒に旅をしているような気持ちで、時を忘れて純粋に楽しんでいました」。

その9カ月ほど後に『ピピン』への出演が決まった時は、心底驚いたといいます。

「正直、優くんの次にピピンをやらせてもらうことには、相当プレッシャーや怖さがあります。でも、運命も感じているんです。自分がやるべくして、この作品を観に行っていたんだなって。もしかしたら、あの日、劇場で魔法をかけられたのかもしれない(笑)。歌と芝居はもちろん、アクロバット、イリュージョン、アクション……やらなきゃいけないことはたくさんあるし、きっと壁にもぶち当たると思うんですが、この挑戦をやり遂げられたら、僕自身も大きく成長できるんじゃないかと感じています」

昨年は、米倉涼子さんと城田優さんの共同プロデュースによるエンタテインメントショー『SHOWTIME』に出演した森崎さん。城田さんと一緒に『ピピン』の代表曲「コーナー・オブ・ザ・スカイ」を歌い、さらに彼から座長としてのあり方を学んだことで「ピピンのバトンを手渡されたような気持ちになりました」。

現状に満足せず、特別な何かを探し求めて人生の旅を続ける王子ピピンは、「役者としての自分と重なるものがある」とも話します。

「僕らの仕事は、作品ごとに出会いと別れの繰り返し。次の出会いを探し求めて生きているようなところがあります。しかもそれは、自分がやりたくても、求められなければできない仕事。そういう意味では、僕自身もピピン同様、自分の居場所を探し続けているのかもしれません」

せめて一人で自発的にできることをしようと、近頃はソロキャンプに行っているのだそう。

「自分で料理をして、動画を撮って、それを編集して。キャンプは自分にとって癒しの場であり、クリエイティブな時間にもなっています」

現在31歳。「いろんな人と繫がって、いろんなことに躊躇せず飛び込んでいきたい」と話すミャンマー生まれの好青年は、「自分はこうして普通に暮らしているけれど、世の中にはそうじゃない人たちもいる。それを忘れないで! ということも伝えていきたい」といいます。

「エンタテインメントは、そういったメッセージを伝える力も持っているということを、この『ピピン』からも感じてもらえると思います。でも、それ以外にも素晴らしいところがたくさんあるのが、この作品。その魅力をしっかり届けられるように、一生懸命つとめます。ミュージカルを観たことがないかたも、ぜひ僕らの魔法にかかりに来てください!」

もりさきうぃん 1990年ミャンマー出身。10歳の時に来日。2008年に芸能界デビューし、俳優・歌手として活動。’18年にスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。’20年に映画『蜜蜂と遠雷』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。出演映画『バイオレンスアクション』が8月19日より公開予定。

◯ ブロードウェイミュージカル『ピピン』

美しきリーディングプレイヤーが率いるアクロバットサーカス一座に誘い込まれた青年ピピンは、意義ある人生を探し求めて旅をする王子ピピンの物語を体験し……。

脚本/ロジャー・О・ハーソン 作詞・作曲/スティーヴン・シュワルツ 演出/ダイアン・パウルス 出演/森崎ウィン、クリスタル・ケイほか
8月30日~9月19日/東急シアターオーブ 大阪公演もあり
https://www.pippin2022.jp

シャツ¥38,500(ユーゲン/イデアス)
撮影/嶋野 旭 ヘア・メーク/KEIKO スタイリスト/森田晃嘉 取材/岡﨑 香 ※情報は2022年8月号掲載時のものです。

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