娘と対話することから始まる子宮頸がん予防
娘が中学生になった時に、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の案内が届きました。当時、海外ではすでに推奨されていたワクチンでしたが、日本ではまだHPVワクチンの定期接種が始まったばかりで何もかもが不明でした。
娘のこととなると余計に、判断に迷いが生じますよね。ワクチンを打ったから絶対に安心というわけでもないですし、どんなワクチンにも副反応のリスクはありますしね。いつか、もし娘が子宮頸がんになったら?でも副反応も心配だし…、でも、ワクチンと検診で予防が出来るのであれば?と、気持ちは天秤のように揺れ動きました。
正直、不安と分からないことばかりだったので、自分だけでは決断できず、私がお世話になった主治医の先生に相談しに行ったんです。
「子宮頸がんは、女性なら誰でもかかる可能性がある」
先生の立場上、娘のワクチンに関しては「打ちなさい」と薦めることはありませんでしたが、「あなたが子宮頸がんを経験されたから、親子なので、なおさら心配でしょう。打つことは間違いではないと思いますよ。」と説明して下さいました。それだけではなく、「あなたも一緒に打っておいた方がいいですよ。」と言われたのです。「子宮頸がんになったのに必要なんですか?」と聞いたところ、「何度でもHPVに感染する可能性はある。」と言われたことに驚きました。
娘にはHPVワクチンがどのようなものなのか、そして、子宮頸がんがどんな病気か、さらにこのタイミングで「実は私、子宮頸がんだったのよ。」と初めて「がん」という言葉を使って、自分の罹患経験を娘に伝えました。
娘は驚いたとは思うのですが、それをあまり出さないように気を遣ったのか、意外と「あー、そうなんだ……」という反応でしたね。
そして、「検診を受けて、たまたま初期に見つかったから、今、こうして元気でいられるんだけど、私の娘だから体質的には似ていて、もしかしたら子宮頸がんになるリスクは高いかもしれない。子宮頸がんは女性であれば、誰もがかかる可能性がある病気なの。あなたには同じような思いをして欲しくないな…ワクチンを打つことで子宮頸がん予防をして欲しいと思っているけれど、あなたはどう思う?」と、娘の気持ちも尊重したかったので、本人の意思も確認しました。
そして、「検診を受けて、たまたま初期に見つかったから、今、こうして元気でいられるんだけど、私の娘だから体質的には似ていて、もしかしたら子宮頸がんになるリスクは高いかもしれない。子宮頸がんは女性であれば、誰もがかかる可能性がある病気なの。あなたには同じような思いをして欲しくないな…ワクチンを打つことで子宮頸がん予防をして欲しいと思っているけれど、あなたはどう思う?」と、娘の気持ちも尊重したかったので、本人の意思も確認しました。
娘と一緒に考えた子宮頸がんに罹患した際のリスク、負担
母親が子宮頸がんの経験者ということで娘も自分事として捉えたこともあり、接種をする決め手になったのかもしれません。結局、親子で一緒にHPVワクチン接種*をしようということになり、主治医の先生のところに行きました。
娘のミライを考えたときに、HPVに感染するリスクや子宮頸がんに罹患した際の身体的・精神的・社会的リスクを、「予防できるものは、可能な限り予防する」ように持っていくのも、私が、親としてできる娘への愛情の形かなと思いました。私の場合は、特に、経験したからこそ、娘に「予防しよう」という決断ができたのだと思いますが、それは人それぞれ。考え方に違いがあるのも当然だとも分かっています。
*稲沢さんは自費接種です。接種費用は自費になりますが、27歳以上の方でHPVワクチンを接種していない人は医師と相談の上、接種をすることが可能です。詳しくは専門医(婦人科・産婦人科など)にご相談ください。46歳以上の方の接種は推奨しないとするガイドラインもあります。
大切なことは、娘の考え方を尊重しながら、娘と対話を重ねたこと。
そして分からないこと、迷いが生じたときには専門家(私の場合は、産婦人科の主治医の先生)に相談することだと思いました。HPVワクチン接種も子宮頸がんの定期検診も「自分のミライを作るのは今の自分の選択だよ。」という母から娘へのメッセージかもしれません。
そして分からないこと、迷いが生じたときには専門家(私の場合は、産婦人科の主治医の先生)に相談することだと思いました。HPVワクチン接種も子宮頸がんの定期検診も「自分のミライを作るのは今の自分の選択だよ。」という母から娘へのメッセージかもしれません。
娘の最初の婦人科検診は、緊張しているだろうと思い、私はできるだけ明るく振る舞いました。「病院の後、ランチ、何食べようか?」なんて話ながら、娘との日常のお出かけのように過ごしたのを覚えています。
あれから時が経ち、娘は25歳で結婚しました。
娘には子宮頸がん検診についてはもちろん、女性特有の婦人科系の病気や婦人科検診についても定期的に娘には、「可能な限り受けた方がいいよ!身体の中身は自分じゃ見えないし、分からないから、健康であることを確認するためにも定期検診大事だよ!」と伝えています。娘には、これからも、ずっとずっと健康で、元気にいて欲しい。それが私の何よりの願いです。
娘には子宮頸がん検診についてはもちろん、女性特有の婦人科系の病気や婦人科検診についても定期的に娘には、「可能な限り受けた方がいいよ!身体の中身は自分じゃ見えないし、分からないから、健康であることを確認するためにも定期検診大事だよ!」と伝えています。娘には、これからも、ずっとずっと健康で、元気にいて欲しい。それが私の何よりの願いです。
経験したからこそ伝えたい「子宮頸がん予防」の大切さ
以前、子宮頸がんの話題がたまたま出たときに、ある男性が「それって、性病でしょ?」と言っていて。これだけ子宮頸がんという言葉を聞くようになっても、そういう認識で片付けられてしまうことにすごくショックを受けたんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)は男女関係なく、性経験があれば、誰しもが感染する可能性のあるウイルスであること、子宮頸がんはきちんと理解することで予防や早期発見に繋がるがんであるにも関わらず、まだまだこのような間違った認識で、恥ずかしいから、忙しいから…と、病院に行くのに二の足を踏んでしまう人もいるのが現実ですよね。
日本では性の話がオープンにしづらく、ましてや親子で性の話をするというのはなかなか難しい。グレーにしておきたい部分でもあります。でも、どうかSTORY世代のママ達も「うちの子にはまだ関係ない」と思わずに、一度、親子で子宮頸がんについて、HPVワクチンと20歳を過ぎたら2年に1度の定期検診での予防について、一緒に学ぶつもりで話す時間を持つことをオススメします。
検診やワクチン接種はスケジュール調整して、予約して、病院に行って…と忙しい毎日の中でやり繰りしないといけないので、つい後回しになりがちですが、健康であることより大切なことはないとがんを経験したからこそ強く実感しています。
お子さんの命を、ミライを守るためにも、親から子へ、コミュニケーションを深めていくことで、予防への第一歩になると私は信じています。
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撮影/吉澤健太 ヘア・メーク/神戸春美 スタイリスト/大碕ちほ 取材/小仲志帆 監修:埼玉医科大学病院 産婦人科/ 高橋幸子先生
【服クレジット】カットソー¥16,500スカート¥20,900〈バーニーズ ニューヨーク〉パールネックレス¥26,400ゴールドネックレス¥28,600バングル¥36,300イヤカフ¥15,400〈ラ スール〉(すべてバーニーズ ニューヨーク )サンダル¥19,800(銀座かねまつ/銀座かねまつ6丁目本店)【稲沢さん】ジレ¥46,200(MOGA)カットソー¥7,920スカート¥¥26,400(ともにジネス/ジネス ペリエ千葉店)ブレスレット、靴(スタイリスト私物)【高橋先生】ブラウス¥37,400(J. 八雲自由が丘店)靴¥16,500(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)イヤリング¥154,000(ウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)
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