NHKの連続テレビ小説『あんぱん』をはじめ、ドラマ『不適切にもほどがある!』『愛の、がっこう。』などの出演が話題となり、いまもっとも気になる実力派俳優、中島歩さん。今年は連続テレビドラマ初主演を果たし、大河ドラマにも出演するなど快進撃が止まりません。
画面越しについ目で追ってしまう不思議な存在感がありながら、その素顔はどこまでも自然体、その素顔はどこまでも自然体。世間では”遅咲き”と言われることの多い37歳・中島さんが、これまで歩んできた道と現在地、そしてこれから。“中島歩が見ている世界”を、少しだけのぞかせてもらいました。
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景色が変わったのは、点と点が1本の線になったとき
俳優としての手応えを感じ始めたのは、30歳を過ぎてから。その頃、芝居を一から学び直したんです。20代のときにも、海外のアクターズスタジオやハリウッドのメソッド本を読んではいたものの、当時はピンとこなくて。30代で改めて咀嚼してみたら、それまでぼんやりしていた輪郭が急にクリアに。これまで経験してきたことの点と点が、1本の線でつながったような感覚でした。
理論に基づいてしっかり準備をするようにしたら、現場ではむしろ自由に爆発できた。ちょうどその頃、テレビ東京の夏帆さん主演のドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』で、冨永昌敬監督がとても面白い役をくださって。僕の個性も尊重してくれたから思い切り暴れられて、初めて「これでいいんだ」と思える演技ができました。そこから映画へのお声がけも増え、役者としての自信にもつながっていきましたね。
芝居に限らず、ものごとは理論と実践。その両方がうまく噛み合ったときに、初めて見える景色があるのかも。それを身を持って感じました。
役を通して自分自身を表現したいというのは一貫していて…
ここ数年はテレビドラマにも呼んでいただけるようになり、反響の大きさに驚いています。テレビで僕のことを知ってくださる方も多くて、やっぱり目にする機会が多いんだなと。
昔から名作ドラマを観て育ってきた僕にとって、宮藤官九郎さんの『不適切にもほどがある!』に出演したときは、あの世界線が目の前にあって、そこに自分がいるなんて…と不思議な感覚でした。
好青年だったりクセが強かったり、幅広いキャラクターを演じることが多いのですが、演じ分けるという意識はあまりなくて。目の前の作品に向き合って、役を全うするのみ。どんな役でも、自分のパーソナリティが滲み出ていたらいいなと思っています。役を通して自分自身を表現したい、というのは一貫していますね。
初めての主演で芽生えた”作品をつくる”という意識
最近ではテレビ東京の『俺たちバッドバーバーズ』で、民放連続ドラマで初めて主演を務めました。主演という立場にはやはり特別な思いがあり、感慨深かったです。破天荒な役柄に、自分の中のお調子者な一面を重ねながら、演じる楽しさや心地よさも改めて実感しました。
撮影中は、主演として”何が求められているのか”も強く意識するように。発言や提案を通して主体的にかかわることで、これまで以上に”作品をつくっていく”という感覚が増しました。また一段、見える景色が変わったような気がします。
撮影/佐藤俊斗 取材・文/渡部夕子



























