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斎藤工さん(44歳)、僕は「アンチエイジング」という言葉がキライです

「MEN‘S NONO」や「POPEYE」といった男性ファッション誌を飾っていたモデル時代から
、STORY世代にとっては気になる同世代男性だった斎藤工さん。
そんな斎藤さんも、俳優デビューから25年めとなる今年、
プライベートでも45歳を迎え、まさに人生ど真ん中。
そこで、人生ど真ん中の今だからこそ見えてきたこと――、そんなあれこれをお聞きしてみました!

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【特別カット集】斎藤 工さん(44歳)、「おじさんのアイコン」髭フェイスに大人の色気が漂って

★ 髭は「“おばさん”じゃないよ、“おじさん”だよ」という僕に必要なアイコンです
★ 人間だって、熟成したから生まれる「旨味」がある

髭は「“おばさん”じゃないよ、“おじさん”だよ」という僕に必要なアイコンです

どこか、年齢を重ねること=エイジングを否定するような感覚に陥るから。
今、「若く見えることが正義」という男性たちに起こっているブームがありますが、
そんなツルツルとした皮膚呼吸などしないような陶器肌の男性たちが、
「コレでよし」という哲学で、西洋のファッションショーの会場や映画祭に行くと、
それを目にした西洋の方たちにとって、「不気味」と受け取られるようです。
「エイジング」を価値とする西洋の人たちは、「若さに向かうことが正解」と
信じてやまない男性たちに、「この人たちのエイジングは?」となってしまう。

ブームは、わかるんです。
僕も「脱毛もしてないなんて、信じられない」なんてことを、言われることもあります。
「ひげさえなければね……」と言われることも。
だけど、ブームはゆっくりと巡りますし、年齢を重ねると自然と“おじさん”だか
“おばさん”だか分からなくなってくるじゃないですか。
「髭を生やす」ことは、「僕は“おばさん”じゃなくて、“おじさん”である」という
エチケットだと思うんですよ。
そのために、髭は今僕に必要な“アイコン”と思っているんです。
「おばさんじゃなくて、おじさんだよ」って(笑)。
先日、映画祭でカンヌに行った際、スーパーマーケットの店員さんに「ミスター」と
呼びかけられて。
僕は今、髪が顎まであるヘアスタイルだから、西洋の人から見たら「ミセス」や「ミス」に
見えるかもしれないのですが、それでも「ミスター」と言わせたのは、
髭のおかげだと自負しています(笑)。
若い男性俳優さんの中には、永久脱毛をされている方もいると思うのですが、
これから時代劇など髭を蓄えることが必要な役柄を演じることもあるかもしれません。
でも、付けひげは痒いので、「その痒みを覚悟しておいてね」というのが僕の忠告です。
トレンドは気まぐれだけど、髭ブームが来たらいいな、というのが僕の密かな願いです。

人間だって、熟成したから生まれる「旨味」がある

僕はここ数年、移動映画館やミニシアター支援など、映画業界を盛り上げるプロジェクト
を企画したり、参加したりしています。
友人でお笑い芸人の永野さんとこんな映画があったらいいと映画を製作したり、
ドラマで共演した永尾柚乃ちゃんの映画製作をお手伝いしたり、俳優でラーメン店を営む
朝比奈寛くんが作るラーメンの味に感動して、彼のお店を舞台にした
ショートムービーとラーメンチケットをセットにして販売したり……。
でも、その全てにおいてプロデューサーという立場に立つ僕が、発案者の純粋な気持ちを邪魔したり、
コントロールしたりしないよう心掛けています。
色々なプロデューサーさんがいらっしゃると思うのですが、
僕の場合は、それをゴハンの糧にしていないのが、最大の強み。
だから、「クリエイティブファースト」で判断できます。
“中年”という重ねた年齢があるからこそ、今の自分が出来ること、すべきことが見えてくるし、
「ライスワーク」と「ライスワーク」を分けて考えることができる。

発酵食品しかり、時間を重ね熟成したからこそ生まれる味わい深さ、
旨味というものが存在しますが、人間だってそう。
そして、僕はそういった重ねた時間を持のあるものに、“本物”と思えるものが多い。
古典映画もそうですし、昔からずっとある梅干しや、日本にしかない麹カビ……。
そう、世界を見渡しても、日本ほどたくさんの麹のバリエーションがある国はないんです。
米麹ゆえに「発酵の楽園」と言われる日本独特の食文化が出来る。
僕は、そんな食文化に日本人の可能性すら感じているんです。
「発酵」は、自ら変化するだけではなく、周りを巻き込んで皆で良い方向に
向かっていきますが、それが日本人の資質とどこか似ているんですね。
自分だけが何かを成し得て一番になるより、周りの人たちと一緒にシェアする感覚――、
それこそが、一番の喜びなんじゃないかと、僕自身も感じるんです。

年齢を重ねると、何だか重くなりがちですが、僕は「軽くしていこう」と思います。
人として熟成を始めた今、自分のダメな部分を認め、「ここは苦手だから任せよう」という軽やかさの方が、
実は必要なんじゃないかなと感じています。

TAKUMI SAITOH 1981年8月22日生まれ。東京都出身。俳優/フィルムメイカー。
主な出演作に映画『シン・ウルトラマン』、『新幹線大爆破』、『THIS IS I』、『マジカル・シークレット・ツアー』ドラマに「極悪女王」、「誘拐の日」など。公開待機作に、『キングダム 魂の決戦』(7月17日)初長編監督作『blank13』は国内外の映画祭で8冠を獲得。企画・プロデューサーを務めるドキュメンタリー映画『大きな家』は第34回、日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞を受賞。永尾柚乃初監督作品『LITA』でもプロデュースを務める。また、全国の被災地等での移動映画館「Cinéma Bird」主宰、「Mini Theater Park」、白黒写真家など、活動は多岐にわたる。

今回、斎藤さんが出演した作品は――

©️ PROTX

Prime Originalドラマシリーズ「犯罪者」
出演:高橋一生、斎藤工、水上恒司 ほか
監督:松永大司
警察、政治、巨大企業、そして過去が複雑に絡み合う群像劇と時 系列が交錯する重層的な構造、さらには圧倒的なスケールで描かれるスペクタクルな展開から“映像化困難”と言われ続 けてきたクライム・ミステリー。白昼の駅前広場で起きた通り魔事件を物語の入口に、被害者にして唯一の生存者である 青年と、事件を追うひとりの刑事とが出会ったことで、警察組織、政界、巨大企業、そしてマスコミが複雑に絡み合う群像 劇が駆動し始める。7月17日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信

ジャケット ¥226,600、カットソー ¥49,500、パンツ ¥189,200以上全て/ヨウジヤマモト プールオム(ヨウジヤマモト プレスルーム☎︎03-5463-1500)、シューズ スタイリスト私物

撮影/鏑木 穣(SIGNO) スタイリスト/三田真一 ヘアメーク/くどうあき
取材・構成/河合由樹

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