2024年8月に乳がん(浸潤性小葉がん・ステージ3A)を公表した梅宮アンナさん。手術、抗がん剤、放射線治療を乗り越え、現在も月に一度の通院と分子標的薬とホルモン剤による服薬治療を続けています。40代、50代は、子どもの独立や仕事の変化、更年期、親の介護など、人生の景色が大きく変わる時期。「私の人生、このままでいいのかな」「人間関係も少し変わってきた気がする」──そんな思いを抱く人も少なくありません。アンナさん自身も、乳がんを経験したことで人との付き合い方が大きく変わったといいます。「本当に必要な大事な人だけが残った」
そう振り返る一方で、「実は昔から友達は少なかった」と笑うアンナさん。ママ友との距離感、病気が教えてくれた人間関係、そしてSNSや世間の評価に振り回されず、自分の感覚を信じる生き方、「自分軸」の育て方について伺いました。
友達はね、いるんだよ。いるんだけど、私には距離が必要なの
私、もともと友達いないんですよ(笑)。いや、いますよ、いる。数人だけね。でも、昔から群れないんです。一人でいるほうが楽だし、女子会とかも本当に苦手で。そういう集まりがダメだったんですよね。
娘のモモカを幼稚園に入れた時も、ママ友の世界には馴染めませんでした。だってママ友って、たまたま子どものクラスが一緒になった人たちでしょう。自分で出会って、仲良くなった友達とは違うじゃないですか。だから私には難しかった。
年少さんの頃「モモカちゃん、どこのリトミックに行ってるんですか?」と聞かれて、「うちは行ってないんですよ」と答えたのに、1週間後には「通っているのに教えなかった」と話が変わっていたこともありました(笑)。誰かと仲良くすると、今度は別の誰かがやきもちを焼いたりする。そういうこともあって「もうやめよう。安全にいこう」と思いました。送り迎えは、ほとんどパパにお願いしていました。だってそれが一番安全だったから(笑)。
でもね、「友達がいない」と発言することって、実はすごく勇気がいることだと思うんです。若い頃は言えなかったですよ。友達がいないなんて言ったら、変な人だとか、寂しい人だと思われる気がして。「アンナさんっていつも一人ですよね」「いつも自分で自撮りしていますよね」なんて、嫌味っぽく言われたこともあったけど、今は「別にいいじゃん」って思える(笑)。
友達はね、いるんだよ。いるんだけど、私には距離が必要なの。いつも一緒にいたり、頻繁に連絡を取り合ったりしなくてもいい。同級生の集まりにも毎回行くわけではないけれど、たまに会った時に「やっぱり楽しいな」と思える人たちがいる。それくらいの距離が、私にはちょうどいいんです。
がんが教えてくれた「本当に大切な人」
そんな私の人間関係を、さらにくっきりさせたのが、がんでした。自分ががんになると、いろいろなことが明確になるんですよ。白黒をはっきりさせないと、もう生きていけない。中途半端というか、グレーゾーンがいらなくなったんだよね。もちろん、相手も何と声をかけたらいいのか分からなくて、自然と疎遠になってしまうこともあります。でも、それはそれでいい。その中で、この先も一緒にいたい、話したいと思える人とだけ付き合えばいいと思うようになりました。
そうしたらね、心のきれいな人が残って、寄ってきたんですよね。もう、心のきれいな人としか話せなくなっていたのかもしれない。だから今も、当時そばにいてくれた人たちとの関係は変わっていません。反対に、あの時から話さなくなった人たちとは、今も話していないです。
私はそれを「がんセンサー」って呼んでるの。がんセンサーがピピピって働いて、「この人はやめましょう」って教えてくれる(笑)。ある意味、すごく楽になりましたよね。本当に。
一方で、病気になったからこそ生まれた、想像もしなかった新しいご縁もあります。今は保険会社さんからお仕事をいただいたり、大きな学会で先生と一緒に登壇したり。これまでは個人的に接点のなかった、病院や製薬会社、お医者さんたちと仕事をするようになりました。「私、すごい仕事をやってるな」って、自分でも思います(笑)。
誰かの評価で決めることがなく、「自分で見つける」が私の基準
私は昔から、誰かの評価だけで物事を決めることがあまりありません。例えば、どこかへご飯を食べに行く時も、食べログの星の数は全く気にしない。誰かが「あそこ、いいよ」と言っても、その人がいいと言ったからという理由だけでは行かない。自分で見て、なんとなく感じた感覚で選びます。
それで行ってみて、自分の好みと違っていたとしても、美味しくないじゃないと怒ることもないんです。多分、私の口がおかしいのかなって思っちゃう(笑)。誰かの評価が正解で、自分の感覚が間違いだとも思わないし、逆に自分の感じ方だけが正しいとも思わない。そのくらいでいいんですよね。
SNSを見ていても、全部をそのまま信じるわけではないし、人の投稿を見て気持ちがガタガタすることもない。だから、人と比べて落ち込むこともあまりないのかもしれません。
もちろん、「素敵だな」「いいな」と思うことはありますよ。でも、表面的に見えているものが、その人のすべてではないと分かっているから。「こんなに華やかに見えるけれど、この人も絶対に悩みをいっぱい抱えてるよね」って思うんです。見えている一部分だけで、その人の人生を判断することはできないじゃないですか。
自分の目で見て、自分で見つける。その感覚は、若い頃からあったのかもしれません。JJをやっていた頃、私物を紹介するページをすごく支持していただいて「これはどこで買ったんですか?」とよく聞かれました。でも私からすると、すごく不思議だったの。「え、みんな今そこを素通りしたじゃん。あったじゃん、そこに」って(笑)。同じ場所を歩いていても、目に入るものは人によって違う。私は昔から、自分の好きなものを見つけることが得意だったのかもしれないですね。誰かから教えてもらった二次情報よりも、自分で見つけて、自分で確かめたものを大切にしてきました。
そして、がんを経験したことで、その自分軸はさらに強くなりました。がんになっていなかったら、人生はもっと平坦なまま進んでいたのかなと思うことがあります。でも今は、これは私じゃないとできないよね、と思える仕事が増えました。
街で声をかけられる時の言葉も変わりました。以前は「雑誌、素敵でした」と言われることはそれほど多くなかったけれど、今はがんについて発信していることに対して、「ありがとう」と言ってもらえる。がんで悲しんで、苦しんでいる人たちに、ほんの少しでも光を届けられたことが、明確に自分へ返ってくるのを感じるんです。
人からどう見られるかではなく、自分の経験を通して、本当に伝えるべきだと思ったことを届ける。そうやって私は、自分の生きがいを見つけたんじゃないかなと思います。
ジャケット¥305,547(by HANA WRIGLEY) デニムパンツ¥27,500(ヤヌーク/カイタックインターナショナル) パールネックレス¥61,600 「あ」 リング¥390,500 「クロス」リング¥389,400(すべてビジュードエム/ビジュードエム六本木ヒルズ) パンプス¥113,300(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス) タンクトップ・その他リング/アンナさん私物
撮影/古水 良(cheek one) ヘア・メーク/森 ユキオ(ROI) スタイリスト/乾 千恵 取材・文/日野 珠希 構成/玉榮日菜子
SHOP LIST
〇カイタックインターナショナル 03-5722-3684
〇セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス 0570-016600
〇by HANA WRIGLEY hello@hana-wrigley.com
〇ビジュードエム六本木ヒルズ 03-6271-5353

















