「もし映画化されるなら、櫂は絶対に自分が生きたい」。これまで一度も抱いたことのないほど強い感情に突き動かされ、横浜流星さん自ら凪良ゆうさんに映画化への思いを伝えた『汝、星のごとく』。心に孤独や痛みを抱えながら、世間が決めた“正しさ”から時にははみ出し、それでも必死に自分の人生を生きようとする櫂と暁海。その姿に横浜さんは、自身が知らないうちに囚われてきた固定観念を揺さぶられたと言います。役を通して櫂として15年の人生を生きた横浜さんが感じたことについて、お話を伺いました。
★ 藤井監督には、事後承諾を取る形でお声がけして(笑)
★ 櫂は優しい…自分と比べてみても
★ どんな人にも一番星のような存在がいるはず
★ 横浜さんが考える「愛」とは?
★ 櫂が暁海に語りかけているような、主題歌にも注目
自身の価値観をも変えた、本作との出会い
凪良先生の描く、美しくも残酷な世界観、人物造形、心理描写、正しさや生き方の問い…その全てが新鮮で、考えの幅を広げてくれるものでした。自分の育ってきた環境とか、空手をやっていたこともあり、男はこうあるべきだとか、一般的な正しさとか、こう生きなきゃいけないとか、どちらかというと僕自身の考えが偏ってた側でもあったので。とはいえ、SNSや世間の声の大きさに翻弄される今の時代は、生きづらい世の中にもなっていることも感じていました。その中で、凪良先生の、社会の片隅に生きているような人たち、孤独を抱えたり痛みを抱えている人たちに寄り添うような言葉の力は、一筋の光を与えてくれるものだと思ったんです。これはやはり、今届けるべきだと。
それと、コロナ禍以降、人と人との心の距離が離れていっているように感じています。今までは直接会って話していたのに、携帯ひとつで済ませることが当たり前になっているような気がして。こういう状態もリアルじゃないなとモヤモヤを抱えていました。だからこそ、この作品の中の、櫂と暁海の生き方に何か感じてもらえるものもあるんじゃないかなと思ったんです。
藤井監督には、事後承諾を取る形でお声がけして(笑)
必ず絶対映画化されると思っていました。櫂に関しては、きっと自分だけではなく、他の男性たちも共感し、共鳴するに違いない。でももしこの作品が映画化された時に、他の人が櫂を生きてたら嫌だと思いました。自分が櫂を生きたい。そんなこと、今まで感じたことがありませんでした。そして、いてもたってもいられず、自分の思いの丈を凪良先生にぶつけさせていただいて。その時はまだ、藤井監督に何も言ってなかったんですけど、勝手に先生に、「藤井監督がやります」と(笑)。そして事後承諾を取るように、藤井監督に「『汝、星のごとく』って素晴らしい作品を一緒にやりたいので、ちょっと読んでみて?それから、いつ空いてるか教えて?」って。
絶対に、凪良先生が作り出す物語と、藤井監督の撮る一寸の妥協もない映像、少しの感情の揺れも逃さない演出は、ハマるはずだと確信していました。実際、藤井監督は、1章、2章、3章でカメラを変え、フィルムにまでこだわっていらっしゃいました。15年という長い年月をより鮮明に感じていただけると思います。また、作品に寄り添うための挑戦もされたそうで、監督は今まで、男性目線で描く作品に携わることが多かったのですが、今回は暁海という女性に寄り添って撮られていたように感じます。撮影中も、多くの女性スタッフたちの意見を聞きながら、櫂の描き方に取り入れてくださいました。そのおかげで、ある場面の櫂は少しいい奴に映っていると思います。そういったバランスの取り方も、とても新鮮に感じました。
櫂は優しい…自分と比べてみても
櫂と比べたら母に対してあんなに優しくはないかもしれません…。母親に対してだけではなく誰に対しても、彼は本当に優しいじゃないですか。もう少し僕は自分本位に考えちゃったりするところはあるかもしれないです。ただ、全てを自分で背負い込もうとする、そういう責任感が強いところは自分にもあるところで、その重責に勝手に心が折れていくところも、共感できました。また、作品の中で一度だけ、付き合っていた男性に振られ泥酔し、絡んできた母親に対して直情的になるシーンがあります。彼にとって、ああいう母の姿を見るのって、もう日常なんです。でも、そこに暁海がいたことによって、「こんな姿を見せたくない」といろんな感情がごちゃまぜになったのだと思います。そういう変な男の見栄だったり、プライドっていうところは、やっぱり櫂の持ってるところ。自分にとっても、こんな気持ちが沸き起こってくるんだみたいな、不思議な感情でした。
どんな人にも一番星のような存在がいるはず
大人の犠牲になった子どもたちでもありますよね、ふたりは。ヤングケアラーは社会的場問題にもなっていますが、作品の中だけでなく、本当にこの世界にたくさん、そういう子どもたちは存在しています。凪良先生は、綺麗な世界だけではなく、あらゆる世界を見渡し、さまざまな環境で生きている人たちを描き、一人一人に寄り添っておられます。僕自身、櫂を演じることで、その境遇を肌で感じました。それは本当に苦しくて…。だからこそ、彼ら、彼女なりの、救いとか光とかを求め、苦悩しながらも生きてるんだということも理解しました。どんなに辛くてもきっと必ず櫂と暁海のように照らし続け合える、一番星になるような人がいると思います。今辛いと感じている方たちに、その光があることを信じてもらえたらいいなと思います。
横浜さんが考える「愛」とは?
どうなのでしょうか…。でも本作を通じて、いろんな形があるんだなと思いましたし、櫂と暁海にとっては、世間からの正しさからははみ出たとしても、自分たちだからこそ分かり合える、聖域のようなものだと感じました。僕自身は人前に出てる分、どうしても“一般的な正しさ”という枠組みから抜け出せないでいます。でも、そういうものに流されず、自分の人生を生きること…彼らにとっては苦しかったと思いますが、どこか羨ましさもあるんです。櫂と暁海の付き合いは15年。お互いの存在自体が、自分たちのが生きる意味にもなってるんです。そういう風に思える相手がいることが、本当に尊いなと思いました。
櫂が暁海に語りかけているような、主題歌にも注目
凪良先生が作り出した物語、そして自分の中でも大切な作品を、映画という形に残せたことを改めて嬉しく思っています。RADWIMPSさんの主題歌もぴったりです。櫂が暁海に語りかけてるような歌だな…と感じました。劇場で皆さんどのように感じられるのでしょうか?僕たちの15年をぜひご覧になってください。
出 演:横浜流星 広瀬すず松村北斗 中村アン 濱田岳/尾野真千子 木村佳乃
石田ゆり子 長谷川博己
原 作:凪良ゆう『汝、星のごとく』(講談社文庫)
監 督:藤井道人 脚本:安達奈緒子
公開日:2026 年 10月9日(金)
©2026「汝、星のごとく」製作委員会
©凪良ゆう/講談社
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【応募期間】
2026年10月16日(金)7:00 ~ 10月31日(土)23:59
【当選者発表】
当選された方には、STORY公式Xアカウントよりダイレクトメッセージにてご連絡いたします。
※当選に関するお問い合わせにはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
ジャケット¥148,500、シャツ¥77,000、タンクトップ¥29,700、パンツ¥74,800(すべてBED j.w. FORD/BIRTHLY)、その他スタイリスト私物
問い合わせ先
BIRTHLY 03-6432-9313
撮影/中田陽子 スタイリスト/根岸豪 取材/竹永久美子 構成/松矢花奈































