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純な涙を流したくなったら、映画「君の膵臓を食べたい」を見てほしい。

もう、毛嫌いして馬鹿にしていてごめんなさい! と見ている途中から土下座したくなりました。あざとく衝撃的なタイトルに嫌悪感がぬぐえず、原作すら読んでいなかったけど、私もとうとう「キミスイ」現象に負けて映画「君の膵臓をたべたい」の試写に。

結論。敗北です、号泣です、まんまとやられました。マスカラが落ちてパンダ目になった顔で外に出たら夏の日差しがキラキラ眩しい。「私が生きてるこの世界最高!」とラ・ラ・ランドばりに踊り出しそうに。まさに毎日を「感じて」生きている人こそ染みいる映画です。

舞台は高校。膵臓の病気を患って余命1年(何このベタな設定、てか何の疾患? でもここはこらえて)のクラスの人気者、咲良と地味で根暗な「僕」の友達とも恋人もつかないような不思議な関係性で進む物語は映像の独特の淡い空気感でおとぎ話のようでもあり、10代に流れる時間特有の儚さに満ちていて鼻がツンとします。正直最初の20分は咲良のぶりっ子ぶりにイラッとしてお尻のあたりがムズムズしてくじけそうに。でもそこを乗り越えると後半はどんどん彼女の深い部分、明るさの裏の孤独がどんどん胸に迫ってきて凄みすら出てきます。咲良がいう「あたしも君も1日の価値は一緒だよ」「出会ったのは偶然じゃないよ?君がしてきた選択があたしたちを会わせたの」「生きるって誰かと心を通わせること」という言葉ひとつひとつが、人生ベテラン級の私たちの心に生きてきた時間の長さの分だけ刺さります。

最後、ずっと低体温キャラだった「僕」役の北村匠海くんが咲良のお母さんの前で「、、もう泣いてもいいですか」と言って涙をあふれさせるシーンではこちらも一気に涙腺も化粧も崩壊です。

一方で原作にはない12年後という設定が取り入れられているのも成功理由のひとつ。大人の主人公たちを小栗旬らが演じているのが、1歩ひいた大人の視線を感じさせ、物語に奥行きを加えています。

タイトルの本当の意味を知って「今から1分1秒を大事にしてして生きよう!」と心に決めても、きっとすぐに夕飯の献立や夫の面倒なラインや子供の成績や5キロ増えてノースリが着られない夏を恨みたくなって眉間にシワが寄るんです。人間って幸せな気持ちは続かず、不安な感情のほうに強く囚われるものですから、ええ、そんなもんです、大人の日常って。でもキミスイ後は少しは、「悲しみや淋しさ込み込みで愛しい人生なら、苦しみもきちんと味わって生きてみよう」と思えるんです。

そしてもちろんそんな気分で、まんまと映画帰りに本屋さんで原作買いました。チョロいぜ!私! でも何でも感じて楽しんだもの勝ちです。同時公開の『心が叫びたがってるんだ』もすご~く良かったし、この夏は青春映画が豊作。心揺さぶる”エモい”映画でデトックスしてみてください。

 『君の膵臓をたべたい』7/28~ 全国ロードショー(東宝系)

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