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昔、夢中になったドラマのように、恋する心をもう一度!男女4人秋冬物語

2組の夫婦、男女4人の物語を
storyweb.jpでは女性目線から、
esquire.jpでは男性目線からご紹介します。

男性目線の「男女4人秋冬物語」はこちら
※esquire.jpへリンクします。

「やだ、また炭酸飲料。2Lのペットボトルからそのまま飲むなんて、直人が真似するからやめて!」

「あっ、うん」

やだ……。最近、こんなふうに母親みたいな口調になっている自分に気づく。
まるで、息子の直人に注意してる時と同じ口調だ。
そんな自分を制するように話題を変えてみる。

「それより、この間紹介した四井不動産どうだった?
岩田部長と話したんでしょ?」

「そうそう、仁香に話さなくちゃって思ってたんだけど、他の大手に決まっちゃったらしいんだ。
Web製作の会社は今、星の数ほど競合がいるからね」

「えっ、そうなんだ……。残念だったね」

この間、ママ友の麗子さんには、気鋭のIT社長風に貴史のことを話しちゃったけれど、現実はなかなか厳しい。
一年前に彼が友人と三人で立ち上げた会社は、なかなか順風満帆とは言えない状況だ。
それでも、サラリーマンの時よりは少しばかり収入が多いから、貴史的には満足しているらしい。

「ねぇ、お昼どうする? 直人君がサッカーの練習から帰ってくるのが夕方だから……、あっ! 俺、行きたい店あるんだよね」

「やっぱ、並んでるなー。まっ、人気店だからしょうがないっか」

念願の人気ラーメン店の列に並び、嬉しそうな顔をする貴史の顔を横目で見て、ちょっぴり鼻白む。
結婚前は、息子の直人が夕方までサッカー練習に行くのをいいことに、
休日にはしばしばホテルランチを楽しんだものだ。
ホテルランチは、しばらくお預けかな……。
中学受験を控える直人のこの先の学費を考えても、あまり浪費はできない。

「そろそろ、直人、塾に行かせなきゃって思うんだけど……」

「塾? 今どきはみんな行ってるの?」
「うん。私立に行く予定の子はほとんど。
だから、私も仕事辞められないかな」

「えっ? だって、仁香バリバリのキャリアウーマンじゃん!
俺、そんな仁香に惚れたんだしさ」


5歳上の前の夫は、私が仕事をすることを嫌った。
だから、直人が生まれた時も、「産休なんかとらずに、会社を辞めてしまえばいいのに」と言われたものだ。
でも、マネージャーを目指して頑張っていた頃だったから、
自分自身に辞める選択肢はなかった。
けど……。6歳になったばかりだった直人には寂しい思いを散々させたという負い目がある。
だから、もし再婚することがあったら、仕事を辞めて直人の傍にいてあげたい、そんなふうにも思っていた。
でも、直人を大学まで行かせることを考えると、
貴史のお給料だけでは……。やっぱり、しばらく仕事を辞められそうにもない。

「俺、家事も手伝うから、仁香には好きな仕事続けて欲しいな。
あっ、次の次だ! 仁香、何ラーメンにする?」

ホント、能天気なヤツ。 結婚する前はそんな貴史の屈託ないところが好きだったのだけど、最近は何だか、時折鼻につくのだ。
ここのところ仕事が忙しく、精神的に余裕がないからかもしれない。
いや、精神的にだけじゃなく、40歳を過ぎてから無理をすると体に答える。

ズルズルッ、美味しい――。
美容によくないかな、と控えていたから、ラーメンなんて久しぶり。

「何だろ、この味。スープが深い!」

「だろー、並んだ甲斐あったでしょ!」

自分の手柄とばかり、貴史は自慢げな顔でラーメンをすする。
うーん、悔しいけど美味しい。

「貴史の塩ラーメン、一口ちょうだい!」

ちょっとイラ立ちながら、貴史のラーメンに手を出す。

「いいよ! ほら、イケるでしょ」

この笑顔……。私のイラ立ちなんて、貴史は微塵も気づかないのだ。

「この靴、可愛いな!」

「うん、仁香似合うね」

仕事でショップの前を通るたびにチェックしていた靴に足を入れてみる。
直人が帰ってくるまでにはまだ時間があるから、と
デート気分で表参道をブラつくことにしたのだ。

「俺も、2階のメンズ見てきていい?」

「あっ、うん」

しばらくの間鏡の前で、お気に入りの靴を堪能した後、
フーッと息を吐き靴を脱ぐ。
あまり贅沢はしてられないもの、次のボーナスまで我慢我慢っと……。
そろそろ直人が帰ってくるから、帰らなくちゃ!
時計を見て慌ててメンズフロアを物色しているであろう貴史を呼びに行く。

「ありがとうございました」

ちょうど買ったばかりであろうショッピングバッグを受け取る貴史と目が合った。

「買っちゃった。欲しかったんだー、この靴」

えっ? えええっ? うちの経済状況把握してる?

「ねえ、仁香さぁ、昨日から無口じゃない?
 体調でも悪い? 最近忙しそうだったからね。
今日は早く帰ったほうがいんじゃない?」

「俺も、今日は早く帰れそうだから、何か作るよ」

今日は、取引先へ直接立ち寄りだったため、ゆっくりめの出勤の貴史と家を出る時間が一緒になった。
しかし、貴史の鈍感力ときたら、ハンパない。
私、怒ってるんですけど! そして、この先が不安なんですけど!

子供を抱えて生活がかかっているから、〝愛があれば〟なんて悠長なことを言っている余裕なんかない。
口を開いたら、貴史を毒づいてしまいそうで、つい口から出まかせを言ってしまう。

「ちょっと、熱があるみたい……」

沈黙が続く駅への道のりは、いつもの何倍も長く感じられる。

 

 

「もう一度恋する服」をまとめてチェック!

 

close up BRAND!

ELIN(エリン)

2015年春にデビューした、STORY世代注目のブランド。
素材にこだわったシンプルでベーシックなアイテムを発信。
エリンは、「エッセンシャル」と「マスキュリン」を合わせた造語。
女性らしさとマスキュリンが同居するデザインは、スタイリッシュな今どきの〝大人の可愛い〟が完成します。

※ストラダ エスト オフィシャルウェブサイトへリンクします

「もう一度恋する服」は、
タトラス&ストラダ エストで買えます

SHOP LIST ◆タトラス&ストラダ エスト青山店
東京都港区南青山6-5-39
TEL:03-3407-2700

◆タトラス&ストラダ エスト日比谷店
東京都千代田区有楽町1-1-3 東京ミッドタウン日比谷2F
TEL:03-6273-3400

◆タトラス&ストラダ エスト大阪店
大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ1F
TEL:06-6450-8456

◆タトラス&ストラダ エスト伊勢丹新宿店
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館2F=アーバンクローゼット
TEL :03-3352-1111

 

表参道・元ハナエ モリビル前:『東京ラブストーリー』
1991年1月~3月放送。最終話が視聴率32.3%を記録した、いわゆる〝月9〟ドラマ。
第3話で、仁香さんと櫻井貴史氏がショッピングに向かうシーンとして撮影した場所は、鈴木保奈美さん演じる赤名リカと、織田裕二さん演じる永尾完治ことカンチが偶然出会った場所。〝月9〟は、この「東京ラブストーリー」を皮切りに波に乗り、次々ヒットドラマを飛ばした。10月から放送のドラマ『SUITS/スーツ』で、鈴木保奈美さん、織田裕二さんが再び共演することに加え、9月に『東京ラブストーリー』が再放送され話題となった。

これを読めば、恋する気持ちを取り戻せる!?
その他のシリーズもCHECKしよ!

 

撮影/嶋野 旭(モデル)、坂根綾子(静物) モデル/仁香、櫻井貴史 ヘアメーク/YUMBOU(ilumini) スタイリスト/大碕ちほ
撮影協力/ソラノイロ NIPPON 東京駅店 文・構成/河合由樹

お問合わせ先/タトラス&ストラダ エスト TEL:03-3407-2700 https://www.strada-est.com/

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チームSTORY
FROMチームSTORY 雑誌「STORY(ストーリィ)」の製作に携わる編集部員たち。日夜雑誌作りに勤しむなかで得た知見、タメになる情報、愉快な話などなどファッションからライフスタイルまで、STORYらしさ溢れるトピックを、webでも存分に披露していきます。
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