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都心暮らしを捨て、移住生活で得たものとは

40代ともなれば、仕事も人間関係も安定し、変化を望まない方が多いもの。でも、目まぐるしいスピードで変化するこの時代、これから先もずっと現状維持は叶うのでしょうか。今回は、今あるモノや状況を、思い切って捨て、新しい暮らしや生き方を手に入れた方々にお話を伺いました。

都心暮らしを捨てました①

石渡祥子さん(42歳・和歌山県在住) キャリアコンサルタント

和歌山県に移住希望者の再就職支援や転職のアドバイスをしている石渡祥子さん。名古屋に6年、東京で10年過ごし、マンションも購入していましたが、’18年に夫婦で東京から和歌山県へ移住。きっかけは、5年前にキャリアコンサルタントの資格を取得した際に感じた違和感でした。「5年後、10年後に自分が何をしたいかを具体的にイメージしたら、一度くらい自分の力で何かを生み出す生活がしたいと思ったんです。でも都会では生み出すどころか、お金でサービスを受ける世界で、私はほとんどの物をお金で買っていました。違和感を覚えた私は、『生活をするのは都会ではないのでは』と思い始めたんです」。

同時期に、「インドネシアに住みたいね」とご主人が発した一言が移住へと行動を起こす後押しになりました。海外旅行が夫婦の趣味だったため、“国際空港に近い都会ではない場所”が移住の条件になり、和歌山県が最有力候補地に。「とはいえ、移住について調べてみたら、ゲストハウスやカフェの経営を始めた方の体験談が目につき、スーパーマンみたいな印象(笑)。自分には難しいと思い込んでいました」。初めての場所は不安もあるため、まずは民泊を数回してみることから始めました。「民泊先の中に農家でバーを経営している方がいて、お客さん達を紹介してくれました。一気に友達が増え、移住が現実味を帯びてきました。主人は元々関西出張が多く、コロナ前でしたがリモートでの働き方を会社に交渉してくれたことも大きかったです」。

移住後の大きな変化は、東京に居た時には興味があっても腰が重くてできなかったことに挑戦できるようになったこと。インバウンドが多い紀の川市の観光交流拠点施設のイベントに参加をし、知り合った方達と’19年には“おいけファーム”を設立。現在は地域の人や観光客が集う場所作りの運営に携わっています。「東京で気になっていたことも、言葉にしてみるとすぐに関連する人が身近にいて、繫がることができるんです。人と人の距離が近いこの地域だからこそですね」と石渡さん。「関心があった環境や福祉などにも今は少し関わることができ、地域の問題に関われる人間になれたことに喜びを感じています。都会から田舎暮らしを始める際に、10を全部捨てると考えるとハードルが高いし、無理にスーパーマンにならずに小さな行動を起こすだけでいいんです。私の場合、捨ててきたのはマンションと都会の暮らしだけで、デパコスへのこだわりは捨てていません(笑)。月1のペースでショッピングに行き、都会との距離感を変えただけなんです。けれども捨てないとこの暮らしは手に入らなかったし、いいとこ取りをしている感覚です。東京での経験は無駄にはならないし、それを活かした仕事は何かしらあります。今はお世話になっている地域に貢献したいですね。関わることで地域が元気になる活動を続けていきたいと思っています」。

  • 「農業を始めて、野菜を作る楽しみも知りました」
  • 世代を超えた交流の場。イベントも開催。
  • ご主人の康太さんとは、二人だけで過ごすより、おいけファームのメンバーなどと過ごす時間が増えたそう。「東京にいるより何十倍もたくさんの人と会ってるよねと話しています」
  • 桜の名所で窓からは田園風景が広がります。
  • 南高梅の梅酢(梅干しのエキス)は「おいけのまど」でも購入可能です。
  • 「移住前はペーパードライバー。車に慣れた今は暮らしやすさを実感しています」。
  • 東京で大学職員として働いていた時の写真。「移住する際は経験を活かすため、まずは大学職員の仕事を探して転職しました」。

撮影/前川政明 取材/孫 理奈 ※情報は2021年12月号掲載時のものです。

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