子どもの職業観を深めるために、いまどういうことが必要ですか? ママは何をすべきですか? 専門家に聞きました!
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モノづくりへの関心が高まる?親子で工場見学「葛飾区の町工場」編
キャリア教育の第一人者・筑波大学の藤田晃之教授に聞きました
◇「向き・不向き」を決めつける前に親子でしっかり対話を
工場見学は立派なキャリア教育です。現場の温度、空気やニオイ、音などが直に感じ取れるため、非常に良い経験ができます。そこで重要なのは「親子の対話」。帰り道や休憩所で「流れ作業は速かった」「ロボットが大活躍だったね」などと、感じたことをシェアすること。親と子の見ている視点は違うので、対話することでお互いの考えが補えます。
小学校低学年は、お菓子工場などの身近なものから。中・高学年は「働いている人」をフォーカスして、身内や知り合いの工場へ。親が自分の職場へ連れて行くのもOKです。その際は通勤ルートや同僚の紹介もしてください。
今のキャリア教育は、職業だけでなく、"社会的に必要な基礎能力や態度を育てる教育"。子どもには「これが向いてる!」などと親の価値観を押し付けずに、将来をとらえる。視野を広げる選択肢を増やしてあげてください。
『宇宙人とみつける 仕事図鑑』を手がけた編集者・ 谷 綾子さんに聞きました
『宇宙人とみつける仕事図鑑』
先生や親も大絶賛。全く新しい職業図鑑。イラストが多くて読みやすい。宇宙人と地球の少年が576の職業を見ていく。世の中を眺めるように仕事の数々を紹介。今どきの雇用問題も掲載。文響社より
◇ 仕事の「リアル」がここに。 社会は人でできている
製作期間3年。苦労の結晶です(笑)。きっかけは、知り合いから新しい職業の人たちをたくさん紹介してもらったことから。でも、子ども目線で見ると職業に新旧はありません。そこで何もバイアスのかかっていない宇宙人と少年を主人公に、たくさんの仕事を載せることにしました。
作るうえで大事にしたのは「リアル」。そして社会は、たくさんの人が仕事のバトンを繋ぎながらでき上がっている、ということです。実際の小学生に調査したら「編集者って、お給料いくら?」。お金のことをいちばん知りたがった(笑)。雇用問題、職種別給料の差、給料明細も掲載しました。大事ですよね。
「将来つきたい職業」が小学高学年で変わる
撮影/田渕睦深 取材/東 理恵 ※情報は2022年10月号掲載時のものです。