「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの上原亜希子です。これまでの取材では北は北海道から南は鹿児島まで訪問し、いろいろな方のお話を聞かせていただきました。しかし、いくら遠くても泊りがけでの出張は一度もなく、子どもがまだ小さかったのでどんな場所に行っても日帰り出張が基本でした。しかし、今回初めてStory Webにてご紹介させていただくホテル2軒の取材をするために初“泊りがけ出張”を敢行！ 行き先は福岡と大分。取材とはいえ2泊3日の初めてのひとり旅です。その出張で訪れたホテルご紹介記事は、お時間のあるときに良かったらご覧になってみてください。

https://storyweb.jp/lifestyle/38133/（福岡ホテル）
https://storyweb.jp/lifestyle/39129/（大分ホテル）

事件は2泊目の大分で起きました。福岡から2泊目のホテルに向かうべく、電車を乗り継ぎ大分へ。しかし朝から雨。それも結構、激しい雨……。今晩はかなりひどく降るという予報。無事に大分のホテルに到着したものの、雨はどんどんひどくなるばかり。しかし温泉に浸かり、美味しいお料理をいただき、ホテル側のご厚意で用意していただいた素敵なお部屋でゆったりと過ごしていたら、雨のことなどすっかり忘れ眠ってしまいました。しかし！翌日はゴーゴーという目の前の川の音で目を覚ましたのです。

通常なら“川のせせらぎ”という表現が丁度いい規模の川なのに、窓から目の前に見える川は激流！ そして茶色く濁っていました。急いで大分駅までの送迎バスの時間を早め、朝食を食べてすぐにチェックアウトし駅に向かいました。しかし、すでに電車は豪雨の影響で遅れや運転見合わせが発生しており真っ青！ 福岡方面の電車は遅れはあったものの、何とか乗り込むことができました。特急なので福岡まで3駅。しかしあと一歩の鳥栖駅で停止……。そこから7時間、私は鳥栖駅の電車の中で過ごしました。駅には到着していたので、売店でお菓子を買ったり、立ち食いうどんを食べたりと意外と楽しんでいた私。しかし6時間を過ぎて携帯の充電もなくなりかけ、不安は増していくばかり……。そんなとき近くで荷物をパッキングするヤングが目に入り「これからどうするんですか？」と声をかけたところ、タクシーで隣駅まで行き、今乗っているのとは別の鉄道で福岡を目指すとのこと。どうやら今乗っている電車は全く復旧の見込みが立っていないそう……。「一緒に行きます？」という彼女の言葉に私はもちろん即答。「はい！ついてきます！」彼女は仕事で福岡からある場所に向かおうと思っていたところにこの事態に出くわし、目的地に行けなくなってしまったため福岡に戻るといいます。彼女以外に男性２人も一緒でした。

彼らはTwitterを駆使して、どの電車が動き、どうしたらいいかの情報収集をして動くことを決意したそう。常日頃、中学生の娘に「Twitterなんてそんなもの見るのやめなさい！」と怒っている私……。こんなふうに役立つとは。彼らと行動を共にして、どうにか福岡に到着！ 大分のホテルを朝9時に出て、福岡空港に着いたのは19時。無事に着けたことが奇跡のようでした！ ひとりでは絶対に到着することが出来なかったと思います。

聞けば、彼らは地球一周の船旅「PEACE BOAT」を主宰する会社で働いていて、もともとこのツアーに参加し、後にスタッフメンバーとして働くことになったそう。皆さんも飲食店の洗面所や街中でポスターを見かけたことありませんか？「飲食店で発見する度に怪しいな～って思っていたの！」と彼らに伝えると、大笑いしながら最初にゲストとして参加したときの写真を見せてくれ、楽しかった思い出や寄港した各地での素晴らしい経験を語ってくれました。そして今は、快適かつ楽しい船旅を多くの人に経験してほしいという思いから、スタッフとして同行したり、各地で行われる説明会で登壇しているそう。親切でとても優しく、細やかな気遣いのできる彼らが同行してくれなら、安心して素敵な旅を送れそうだな～と心から思いました。

人との出会い、そして大変なことに遭遇したときの人との繋がり。その大切さをしみじみと感じた初ひとり旅。余談ですが、夫にこの話をしたら「インスタとか見たら、＃おばさん救出って書かれて、この写真アップされているよ～(笑)」。そんな夫からの茶化したようなコメントは、右から左に流し消去させてもらいました！