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タレント立花理佐さん(52)がんを公表し経験を伝えることで、役に立てる場所ができました

医学の進歩によって多くの病に治療法がある現代。しかし、どんな治療法を用いても恐怖や不安を消すことはできません。そうした不安と向き合いながらも、自分らしい生き方を探し続け、前を向いて歩み続ける女性たちがいます。今回は、そんな彼女たちのSTORYをご紹介します。

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タレント 立花理佐さん
52歳・東京都在住

病気を公表して、必要としてくれる
役に立てる場所ができたと感じました

立花理佐さんは2020年5月、大腸の一部である直腸にがんが見つかりました。「もともとあまり病院に行くことが好きではなくて、定期的に検査を受けていませんでした。痛みがさらに強くなってきたころ、コロナ禍のため飲食店を休業していた夫が病院に行こうと言ってくれたことがきっかけで、クリニックを受診しました」。

受診してすぐに先生から内視鏡検査を受けることを勧められたそう。普通なら、前もって下剤を飲んだりして、準備があるそうですが、その過程を飛ばしてすぐに検査したそうです。「1週間ほどして結果を聞きに行くと、『がんです』と言われました。聞いたその時は他人事のようで、あまり驚かなかったです。でも病院の外で待っていた夫の顔を見ると涙が出てきました」。

すぐに大学病院を紹介してもらい、たくさんの検査スケジュールを受け、約5カ月後の2020年10月ごろに手術となりました。それまでは、放射線と抗がん剤の治療をしましたが、完全にはなくなりませんでした。

「手術前は『がんばるぞ!』という気持ちと『もうだめかも』という気持ちが交互にくる感じでした。でも入院前は前向きな気持ちで、普段家ではできないような韓国ドラマを一気に見るためのPCや、美容器具などもたくさん持ち込んで、『退院の時にはキレイになってるぞ!』という気持ちでいました」。

でも実際は、手術後の痛みがひどく、何も手に付かなかったそうです。

「手術から1カ月後に退院しました。家に帰れたのは良かったのですが、何をしても痛くて、ほとんど動くことができませんでした。でも家族が何でもやってくれて、嬉しいけど、申し訳ない気持ちでいっぱいでした」。なかなか外にも出られずにマイナスなことを考えたこともあったそうです。

「でも、ある日、友人が『公表してみたら?』と提案してくれました。ある友人も私の経験を知って病院に行ったら、初期のがんが見つかったということがあり、『公表したら、病院に行く人が増えたり、勇気づけられる人がいるのではないか』と背中を押してくれました。そのおかげでがんを公表し、『励まされた』と言ってくれる方もいて、私も勇気づけられました」。

立花さんのお母様も、同じ病気で亡くなっています。しかしお母様の病気の症状を知っていたのに、自分の時は見ないふりをしてしまったことを後悔していると話します。

「私が経験したことを話すことによって、一人でも多くの人が、後悔しないように、同じ思いをする人が少なくなればと思いブログを続けています。これからもたくさんの人と一緒に前に進んでいこうと思っています」。

<編集後記>立花さんの笑顔でたくさんの元気をもらいました 病気の話をお伺いした時に、当時のことを思い出して少し涙を流されましたが、それ以外はいつも笑顔だった立花さん。彼女の前向きな話を聞くと元気がもらえます。今後も病気のことを発信して、病気発見のきっかけになったり、同じ病気の人の励みになればと話していました。彼女の思いが、たくさんの人に届いてほしいと思います。(ライター加藤景子)

撮影/BOCO 取材/加藤景子 ヘア・メーク/篠山真澄 ※情報は2024年11月号掲載時のものです。

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