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モノも体験も共有する、井浦 新さん流・思春期教育~ 「陶芸にアート、本…、集めた宝ものを子ども達にも触らせています」

STORY世代がまだ思春期だった頃、『MEN’S NON-NO』や『an・an』、『smart』に『CHECK MATE』と
数々のファッション誌の表紙を飾り、私たちの心を震わせていた井浦 新さん。
そんな井浦さんも、50代を迎え思春期の二人のお子さんを持つパパに。
俳優として唯一無二の存在感を放つ井浦さんが、今回の映画『トロフィー』で演じたのは、
まさにプライベートともリンクする、思春期娘を持つ父親の役どころ。
そこで、井浦さんが考え、実践する「思春期教育」についてお聞きしてみました!

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★ 子どもが、予想外に与えてくれる「カタチのない宝もの」
★ 僕の尽きない好奇心に子ども達を巻き込んで、一緒に体験を

子どもが、予想外に与えてくれる「カタチのない宝もの」

子どもって、予想だにしない宝ものを、親に与えてくれる瞬間があります。
今回の映画の中でも、僕が演じた思春期娘の父・サンジュを通し、そんな体験をしました。
父の生き方への反抗心から関係がギクシャクする娘が、大きな舞踊大会で精一杯自分を表現して踊る姿は、
同じ思春期の娘を持つ父として「一秒たりとも見逃したくない」と舞台を目で追っていました。
大会の後で、娘からトロフィーを手渡されたシーンもエモかったけれど、
トロフィー以上のものを、既に舞台上の娘の姿から受け取っているんです。
だから、父としては舞台の上の娘の姿こそが、最高の“トロフィー”。
僕自身も、日常で子ども達からそんな“見えない宝もの”をたくさんもらっています。
僕にとって、それは“生きる力”にもなりますし、毎日の“笑顔の元”にもなりますし、
“嘘のないようにまっすぐに仕事をしたい”そんな気持ちにさせてくれます。

そんな子ども達に、僕が与えられるものは――? そう考えると、
僕にとっての“宝もの”“好きなもの”を共有することでしょうか。
僕は、役者以外にも興味をくすぐられるものがたくさんあって、
陶芸やアート、本やCDと、10年以上をかけて集めたり、育てたりするものがあります。
そんな宝ものたちを、「触らないで」と自分だけで楽しむのではなく、
子ども達に、触らせることも教育だと考えています。
もう、自分のコレクションは、家族の共有物だと思っているんですね。
だから、壊されるのも慣れてきて、許容範囲のうちです。
なぜって、興味を持って、手にした証拠ですから。
ただ、何も言わずに捨てられているのを見つけたことがあって……(笑)。
さすがに、それはキツイです。
その価値が、全くわからないってことですから。
「コレはあの子にとっては価値がなくて、興味を持っているのは、僕だけか……」
なんて、現実を突きつけられて、ちょっと寂しくなったりします(笑)。

僕の尽きない好奇心に子ども達を巻き込んで、一緒に体験を

子ども達には、僕の“宝もの”を共有するだけでなく、
自然の中への旅や、陶芸の窯元さんに訪れたりする際、「一緒に行く?」と
声をかけ、体験も共有しています。
旅に出かける際、息子とは僕の宝ものの一つ、カメラで写真を撮り合ったりすることもあります。
でも、考えてみると、子ども達にとってこの体験は、”好き“からスタートするのではなく、
与えてもらったところからがスタート。
僕とは、入口が違うんですね。
僕にとっては、“好き”とか“憧れ”の先に体験があって、
「やっとここまで来れた」とか、「やっと出会えた」とか、「やっと見ることが出来た」
「やっと感じることが出来た」と、そこに辿りつくにはすごく時間がかかっています。
だから、ゼロから1になっていく過程で、僕の感性とは全く違うものが育っているに違いありません。
“好き”の始まりって、案外、瞬間的に“バンッ”と生まれるものじゃなくて、
一、二年前に出会っていたものを、「やっぱり好き」と時間が熟成する場合もあります。
僕は、子ども達を「こっち系の感性に育てたい」と、無理に親の思う方向に
向かせることが好きではないし、やっぱり“好き”は、子ども達が自分で取りに行ってこそ、
カタチになっていくのだと思います。
だから、僕にできるのは、一緒に体験して、出来るだけたくさんの出会いを与えることくらい。

僕の好奇心は、50代になった今も尽きることがありません。
そんな僕に巻き込まれている子ども達がどんなふうに思っているのか――?
今は聞かず、成人した頃に楽しみにとっておいて、
その時に聞いてみようと思っています。

ジャケット¥59,400、パンツ¥49,500/marka、シャツ¥37,400/MARKAWARE(PARKING
TEL:03-6412-8217)、その他スタイリスト私物

©2026 K2 Pictures

『トロフィー』
監督・脚本: 孫 明雅
出演:恒那 / ちすん 笠松将 / 市川実和⼦
/ 井浦新
在日コリアンのルーツを持つ14歳の少女・ソヒ(恒那)は、朝鮮学校に通い、部活で朝鮮舞踊に打ち込む日々を送っている。ある日、日本学校との交流会で日本人の未来(梨里花)とK-POP好きという共通点で仲良くなり、ソヒは少しずつ外の世界と繋がりを持っていく。そんな中、ふたりは推しのK-POPアイドルのライブチケット代を稼ぐために、ソヒの家にある不用品をフリマサイトで売ることに。そこで意外にも高値で売れたのは、朝鮮学校の校長である父・サンジュ(井浦新)が持っていた一枚の北朝鮮のCDだった。それに味をしめたソヒたちは、サンジュが祖国・北朝鮮から授与された”勲章”までも売ってしまう……。7月10日(金) より テアトル新宿 ほか順次公開

撮影/田頭拓人 ヘアメーク/山口恵理子 スタイリスト/上野健太郎
取材・構成/河合由樹

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