長く国際報道の現場でキャリアを積んできた吉田まゆさん。育児のためのキャリアブレイクを経て、今年からはフルスロットルで仕事にシフトし、活躍の場を広げています。 〝報道のプロ〟の吉田さんから、時事問題をベースに情報の取捨選択法を教えてもらいました。
★ 【時事問題】興味を引くには 子どもへの問いかけが必須
★ 吉田さんと考える『情報との付き合い方』
★ 情報収集は「PodcastとInstagramの二刀流」 がおすすめ
チームSTORY Premier 吉田まゆさん 38歳
コミュニケーション戦略エージェンシー「Better Media Tokyo」代表。報道現場で培ったジャーナリズムの視点と国際ネットワークを活かし、企業経営者や国際機関のPR・メディア戦略を支援。J-WAVE のニュース情報プログラム「JAM THE PLANET」火曜ナビゲーターを務める。日英バイリンガル。
【時事問題】興味を引くには 子どもへの問いかけが必須
大学卒業後、共同通信社英文記者、NHK WORLD経済キャスターを務めたのち、英ロイター通信に入社。日本人唯一のアンカー兼シニアプロデューサーとして、1、000本以上のニュースを世界に向けて発信してきました。
その後、3児の育児のために2022年からは2年ほどキャリアブレイクも経験。この専業主婦体験をする中で、世の中の人はいかに時事問題に対して興味がないかということを実感、ある意味衝撃でした。
中受では「時事問題」は必須項目の一つと聞いていますが、一朝一夕で身につくものではありません。時事問題は暗記させるのではなく、関心を持たせ、現実味のある問題として理解を促し、身につけさせることが親としての役目。そのためには日々の生活の中で親が常に「正しく情報を切る、選ぶ」姿勢を見せることは必須です。
私が情報収集先としておすすめしたいのはポッドキャストとインスタ。テレビには尺があり、新聞も文字数制限があるので、ある程度理解しているという前提で伝えるしかない側面があるのですが、ポッドキャストは、時間の制約も少ないので、誰が聞いてもわかりやすく、自分のタイミングで情報を得ることができるんです。
子どもの送迎の車中で必ず聞く、という習慣づけをするだけでも子どもに時事問題に対して気付きを与えることができ、親子の会話も違ったものとなってくるはずです。
吉田さんと考える『情報との付き合い方』
◆ 子どもに 「戦争と平和」について、どう質問する?
日本で普通に暮らしていると、世界で起こっている紛争は「自分たちの生活には関係ない、遠い国の出来事」として捉えがち。でも、子どもとの会話では主語をグッと小さくして伝えることで身近に「自分ごと」として感じ、興味を持ち、深く知りたいという知識欲が生まれます。
例えば、戦争の影響で夏休みの海外旅行の航空運賃や飛行ルートがどれだけ変わるのか。大好きなお菓子がなぜ値上がりするのか。あるいは、つい先日まで自分と同じような生活を送っていた同い年の子どもたちが、学校や住む場所を失ってしまうこともある、ということ。そうした視点から伝えることで、子どもは自らニュースにアンテナを張るようになるはずです。
ただし、子どもが相手の国籍によって、将来差別や偏見を持たないように「国単位」で悪者にする表現は避けるように注意してください。
◆「戦争とファッション」を考えて自分ごと化を
ファションと時事問題は深くつながっています。戦争による原油価格の高騰や空域の閉鎖は、輸送コストを押し上げ、ファストファッションの価格から高級ブランドのマーケティング戦略にまで影響を及ぼします。
子どもたちにとっても、制服の洗濯タグやボタン、靴、ユニフォーム。そうした身近なものの価格や背景にも、世界で起きていることがつながっているかもしれない。
だからこそ、子どもに時事問題を伝えるときも、いきなり「戦争」や「国際情勢」という大きな言葉から入る必要はないと思うんです。「この服はどこで作られているんだろう」「この素材はどこから来ているんだろう」。そんな身近な問いから始めることで、親子でニュースを話すきっかけになると思います。
情報収集は「PodcastとInstagramの二刀流」 がおすすめ
情報のプロの吉田さんは最近、Xのアプリを削除したそう。なぜなら根拠のない情報が溢れているから。逆に取り入れているのは、新聞や通信社系のポッドキャストとインスタ。中でも信頼を寄せているのは、ニューヨークタイムズのポッドキャスト。英語放送なので、聞き取りが難しい場合はインスタでもOK。翻訳機能を使えば英語が苦手でも問題ありません。近く、吉田さん自身もポッドキャストを立ち上げて発信する計画があるので、こちらもマストとなりそうです。
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◯ 編集後記

撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/本多遥香(ROI)取材・文/安西繁美 撮影協力/J-WAVE ※情報は2026年9月号掲載時のものです。
















