華やかな存在感と行動力で、俳優業から司会やチャリティ活動まで幅広く活躍する藤原紀香さんが、北条司さんの人気漫画を原作とした舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』に出演します。原作の世界を明治時代に置き換えたオリジナルストーリーで、紀香さんは大好評を博した初演(2024年)に続いて、怪盗キャッツアイ三姉妹の次女・瞳を演じます。歌舞伎俳優・六代目片岡愛之助さんの妻という顔も持つ紀香さんに、舞台の話や日々の生活で大切にしていることなどを伺いました。
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キャスト同士で集まれそうなイベントがあると、「私が行ける日はここ」と絞って誘います
――約2年半ぶりに再演される『メイジ・ザ・キャッツアイ』。改めて、作品の魅力をどうお感じですか?
ダンスやアクション、宙乗り、そしてあの名曲の歌唱といった、華やかなエンターテインメント性も魅力的ですが、三姉妹で怪盗キャッツアイとして父親を捜すという使命を背負った“家族の物語”であるところにも、大きな魅力を感じます。謎解きの面白さもありますし、瞳の恋人・俊夫が警察官というラブコメディの要素もある。俊夫の口癖が“キャッツを捕まえてから瞳と結婚する”なので、ラブコメでありながら、揺れる女心や切なさも描かれているんですよ。
――三姉妹の長女・泪役の高島礼子さん、三女・愛役の剛力彩芽さんとは、初演での共演以来、プライベートでも親しくされているそうですね。
はい。カンパニーの誰かが出演する舞台を一緒に観に行ったり、ゴルフに行ったり……。お二人はもちろん、『メイジ・ザ・キャッツアイ』メインキャストとは結構よく集まっています。ルパン歌舞伎『流白浪燦星 碧翠の麗城(ルパン三世 へきすいのれいじょう)』を観に来てくれたこともありました。嬉しかったですね。
――集まれそうなイベントがあると、いつも紀香さんが声を掛けてくれる、しかも日にちを絞って誘ってくれるのでありがたいと、高島さんがおっしゃっていました。
「今度みんなで行きたいですね」と話しているだけでは、なかなか日程が決まらないし、それぞれのスケジュールを合わせるのも大変で、結局「別々に行こうか」となったりするじゃないですか。ですので、「私が行ける日は、こことここなのですが、どう?」というスタンスでお誘いしています。そうすれば、予定が合うメンバーは一緒に行けますし、行けない人も気兼ねなく断れると思うので。
支援活動を続けて23年。カンボジアで経験した「奇跡のような再会」
――その行動力と心配りが素敵です。社会貢献活動も長く続けていらっしゃいますね。2004年にカンボジアを訪れたことをきっかけに、NPO『Smile Please☆藤原紀香 世界子ども基金』を立ち上げて、紛争地域の子どもたちの教育支援をなさっています。
今年で23年になります。一緒に活動している仲間や、賛同してくださる方々がいるからこそ、ここまで続けてこられたことだと思っています。各県の教育委員会や学校、ロータリーやライオンズクラブさんなどからご依頼をいただいて、チャリティ講演会と写真展を開催し、アフガニスタンやカンボジア、日本の被災地で出会った子どもたちのことを写真とともに伝えています。講演先の子どもたちが前のめりになって話を聞いてくれたり、後日「自分たちにできることを考えてみました」というお手紙をくれたり……。そんな姿に触れるたび、私自身もいろいろなことを感じますし、活動を続ける意義を改めて感じています。
――アフガニスタンやカンボジアなどに、これまでに計6校の学校を建てられたそうですね。
各地で行うチャリティ写真展や講演会の入場料をすべて『Smile Please 世界子ども基金』に充て、学校を建設しています。もちろん、学校を作って終わりというわけではなくて、教員のトレーニングや教材、図書など、その後の教育環境を整えるための支援にも充てています。コロナ以降、なかなか開発途上国へ行くことができなかったんですが、来年の春にはまた現地を訪れたいと計画しています。
――教育支援活動を続けてきた中で、特に印象に残っていることを教えてください。
図書などを贈るために、カンボジアに作った学校を再び訪れた時のことです。突然、肩をトントンと叩かれて、女の子から「私のこと覚えてますか?」と声を掛けられて、もうびっくりしてしまって。その子は、16年前にその学校を作った時の竣工式で、子どもたちを代表して「日本の皆さん、この学校を作ってくれてありがとう。私はここで勉強して、たくさん友達を作って、自分の夢は先生になることなので夢を叶えます」とスピーチしてくれたソフィアという女の子でした。高校まで卒業して教員の免許を取り、学校に戻って今そこで子どもたちを教えていると聞いて、鳥肌が立つほど感激して泣いてしまいました。
――最高に嬉しいご褒美のような出来事ですね。
教育支援はすぐに結果が出るものではありません。私たちは子どもたちの笑顔を想像しながら活動しているんですが、続けていると、時にこうした奇跡のように嬉しい出来事に出合えることがあります。それは仕事とはまた違う喜びであり、本当にありがたい経験です。支援というものは決して、支援する側からされる側への一方通行ではないんですよね。被災地支援に行ったボランティアの方が、よく「逆に元気をもらった」とおっしゃいますが、私も同じです。現地の子どもたちと話したり、一緒に遊んだりしていると、こちらのほうがエネルギーや光、生きる力のようなものをもらっていると感じます。私にとってはそれが、かけがえのない“心のお土産”。これからも、自分にできる形で長く続けていきたいと思っています。
どんな仕事をするにしても、やっぱり人間力が大事
――STORYのメイン読者層は40代の女性なのですが、紀香さんは40代をどう過ごされましたか?
たとえば仕事でいえば、私は役や作品との出合いは絶対に偶然ではないと思っているんです。自分のもとにお話が来たということは、きっと今の自分がその作品、その役を演じることに何か意味がある。その意味を自分なりに理解して、自分の表現を通して伝えることがお役目なのだと考えてきました。目標に向かって猪突猛進して、何かにぶつかって、それでも立ち上がって、また進む。そんなふうにシャカリキに走ってきたので、実は過去を振り返ることがあまりないんです。でもひとつだけ言えるのは、一度きりの人生、後悔しないように生きてきたということ。仕事でもプライベートでも、出会った人たちに全身全霊で向き合い、いただいたお役にも全力で向き合ってきた。それが私の40代だったのかなと思います。
――最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
私はどんな仕事をするにも、やっぱり“人間力”が大事だなと感じているんです。人から教わるマニュアルは、あくまでも基本となる枠組。もちろんルールは守る。その上で、自分にできる最大限の工夫や努力を重ね、自分だからこそできる成果につなげていくことが大切なのではないかと思います。そのためにも、決められた枠組みの中だけで満足してしまったり、自分自身で「ここまで」と限界を決めたりしないこと。そして感受性をもって人の話を聞き、自分の頭で考え、行動する。その感受性こそが人間力を育てる大切な要素で、仕事でもプライベートでも必要なものではないかと思っています。
――自分の頭で考えることも、大事な人間力なのでしょうね。
そう思います。SNSやAIで情報を得ることはとても便利ですし、私自身も活用しています。でも、最後に考え、選び、決めるのは自分でありたいですよね。自分の人生は、自分自身の物語なのですから。もちろん、生きていればいろんなことが起きます。悲しいことや辛いこともある。でも私は、そういう試練に出合った時、「これも自分の物語を生きるうえでの修行なのかもしれない」と思うようにしています。自分の物語=ストーリーの主人公は自分。そこで何を選び、どう生きていくかも、自分で決めることができる。そう考えることで、少し突破口が見えてくることもあります。せっかくの一度きりの人生ですから、自分の人生の物語はハッピーエンドにしたいですね。
【公演情報】
舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』
明治時代の東京。来生泪(高島礼子)・瞳(藤原紀香)・愛(剛力彩芽)の三姉妹は、喫茶猫目を営む一方、怪盗キャッツアイとして暗躍していた。ある日、喫茶猫目に外国から帰って来たばかりという車いすの少女とその執事が来店する。同じ頃、浅草の料亭にキャッツアイが盗みに入ると、謎の怪盗ホークスクロウが突如現れ……。
原作/北条司「キャッツ♥アイ」(コアミックス) 脚本/岩崎う大(かもめんたる) 演出・共同脚本/河原雅彦 出演/藤原紀香 剛力彩芽 崎山つばさ 上山竜治 長谷川初範 川久保拓司 佃井皆美 新谷姫加 美弥るりか 高島礼子 ほか
2026年10月9日~11月1日/明治座 博多座と大阪・新歌舞伎座でも上演
取材・文/岡﨑 香 ヘアメイク/光倉カオル(ダイナミック) スタイリスト/今井聖子(Canna) 撮影/佐藤俊斗
ジュエリー協力/RUBIDA


























