今日は、『STORY』でヘアページを担当するライターの法子さんの紹介で、初めてのヘアサロンへ。
麻布にある隠れ家サロンでマイナーチェンジしたという法子さんのヘアスタイルがちょっと素敵で、「私も！」と紹介してもらったのだ。
でも、初めてのヘアサロンのドアを押すときは、いくつになってもドキドキする。
「これが新しい自分への扉なんだものね！」　とばかりに思い切って店内へと入る。

「11時に予約した高垣です」

「お待ちしてました」

えっ？　何々!? この癒し系。
ジャニーズ顔負けのアイドル顔。

「担当させていただく、吉田です。
今日は、どんなふうにしましょうか？」

「前髪を少し軽くしようかなって」

彼の手が柔らかに髪に触れると、何だか鼓動が早くなったような気がした。

「お似合いになると思いますよ」

ポッと顔が赤らむのがわかって、ちょっぴり恥ずかしくなった。

「ははぁー、法子さんが最近キレイになったのは彼のせい!?」

友人の中には、ジャニーズの可愛い男の子たちに胸をときめかせている人もいるけれど、私はこんなふうに会いに行けるアイドルがイイ。
少し髪が軽くなった私の心も、心なしか軽やかだ。

カットをしてまだ２週間だけど、今日はカラーへ。
吉田君に会いたい気持ちが後押しして、
これまで通っていたヘアサロンから、ただ今浮気中。

今日のオシャレがぬかりないか、街のウィンドウに写してチェックしてみる。
吉田君の前では、“キレイなお姉さん”でいたいもの。

「よし！」

おニューのスカートを風になびかせ、久しぶりに「女」を楽しむ自分を自覚した気がする。
ダンナももちろん好きだけど、ワクワクは何年か前にどこかに置いてきてしまったから。
さぁ、２度目に押すサロンのドアは、２週間前ほど重く感じない。

今日は、大学の仲間たちとミニ同窓会。
それで、吉田君にヘアメイクをしてもらうことに。
彼は、ヘアだけでなくメイクの腕前もなかなかなのだ。

「僕のメイクで、麗子さんさらにモテちゃうな」

キュン！　ありがと。
女は、そんな誉め言葉が愛おしい。
ダンナからは、そんな誉め言葉、何年も言われてないな。
メイクは、髪を切ってもらう以上に吉田君の顔が近い。

ドキドキ、ドキドキ……。

同窓会でみんなから、「キレイになったんじゃない？」と
誉められた。

当たり前じゃない！
だって、今日は特別なメイクで
最高にフェロモンUPしてきたのだから。

そう、女の“キレイ”には、とっておきの理由があるのです。

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