女子旅に欠かせないもの。
私の中では、美味しいお料理と体の芯まで癒される温泉、そして景色も良かったりすると最高なんですが……皆さんはいかがですか？
この要素をばっちり揃えた、心にも体にも優しいデトックスの旅を計画するなら、本格的な温泉地に行きたいですよね！
遠出もしやすくなってきた今、ぜひ訪れてほしいのは大分県の別府温泉。なぜなら大分県は、温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇り、「おんせん県」を名乗っているんです。その中でも別府市内には８つの温泉郷（別府温泉、観海寺温泉、堀田温泉、浜脇温泉、亀川温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、明礬温泉）が点在し、「別府八湯」と呼ばれています。
温泉には全10種類の泉質があると言われていますが、なんと別府ではそのうち7種類の泉質の温泉を楽しむことができるんです。素敵なお宿を拠点に、湯めぐりをしてみるのも楽しそうだと思いました。街を歩いているとあちこちから湯けむりが立ち上るレトロな風景が情緒ある別府温泉は、なんだか懐かしいというより、むしろ非日常を味わわせてくれる温泉天国。わざわざ飛行機に乗ってでも行きたい温泉地のひとつなんです。
そんな別府温泉の中から「ラグジュアリーステイ」をコンセプトに、厳選した宿を旅好きライター・笹がナビゲートします。

別府を代表するホテルのひとつが、1944年創業の【別府温泉 杉乃井ホテル】。
私も幼い頃、父に連れて行ってもらったことのある温泉リゾートホテルですが、今年1月26日には、宿泊棟「宙館（そらかん）」が開業したとのことで、懐かしい思い出をつれて早速行って参りました。
「宙館」はホテルの敷地内で最も高い場所にあるので、館内どこからでも絶景が堪能できました。最上階にある展望露天風呂は空と海、山と朝日を眺めながら入ることができる天空の露天風呂。大型温泉リゾートで有名な杉乃井ホテルですが、今回の「宙館」は、ファミリー向けというよりもラグジュアリーでゆったりできる大人の空間という感じ。女性同士でしっぽりと過ごすにはぴったりです。館内の壁を彩る作品の数々は小鹿田焼や竹細工など、大分にゆかりのある作家が手がけたもので、地元の文化を楽しむこともできます。
若い頃は気がつかなかったようなこだわりの設えのひとつひとつや、宿と地元の関わり方を知ることも、この年齢になったからこその楽しみ方ですね。

客室はスイート、ジュニアスイート、デラックス、スタンダード、カジュアルの５タイプ。それぞれの部屋には別府の自然をイメージしたテーマカラーがあります。和を意識した竹や木のあしらいで、畳使いなどは特にホッとしますよね。

そして、楽しみにしていたのは、特に最上階の展望温泉「宙湯（そらゆ）」やビュッフェレストラン「TERRACE & DINING SORA」。
杉乃井ホテル敷地内にはいくつかの宿泊棟がありますが、宙館内の施設は宙館宿泊者専用なので特別感もあります。
女湯から別府湾や朝日を見ることができると聞いたので、翌朝は６時半に大浴場へ行ってみました。眩しいほどの朝日を浴びながら入るお風呂。目の前には広く穏やかな別府湾、そして眼下に広がる街は、朝の準備で忙しそうに湯けむりがたなびいています。
そんな景色を眺めながら、家事のことは一切考えずにゆっくり入るお風呂というのは格別なものです。内風呂も露天風呂もすごーく広いので、混雑したとしてもゆったりお湯につかれます。スイスイと湯船の中を移動しながら、さまざまな景色を楽しむのもいいですね。
泉質は「ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉」。肩こりや腰痛、切り傷などに効果があると言われています。無味無臭の泉質なので、‟ザ・温泉”という感じはしませんが、しっかり芯から癒されていくのがわかります。

ダイニング「TERRACE & DINING SORA」でのビュッフェはディナー・朝食ともに見事なラインナップ。
夕食は大分の地産の食材を取り入れた郷土料理から、寿司やてんぷらといった和食、ローストビーフやブイヤベースなどの洋食、北京ダックやフカヒレスープなどの中華、さらにデザートもその場で作ってくれるモンブランなど、実に豊富に揃っていますが、品数だけでなく味もかなりのクオリティの高さです。
旅先のビュッフェは、ボリュームがあっても味がついてこないことがありがちですが、こちらは４回もおかわりに行くほど大満足な内容でした。特に北京ダックや手作りモンブランを見つけた瞬間、テンションが上がりました（笑）。