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東尾理子さん「保険適用もいいことばかりじゃない。メリットとデメリットに注意して」

体外受精で授かった三人のお子さん(10歳、6歳、4歳)のママである東尾理子さん。病院の実績リスト作りや胚培養士国家資格化に向けての推進活動を行う彼女に、昨年4月から始まった不妊治療の保険適用利用にあたって注意すべき点や東尾さんが行なっているTGP (Trying to Get Pregnant=不妊治療ではなく、妊娠しようとがんばっている)の活動、今後の目標、いま妊活中のかたに向けてのメッセージをうかがいました。(全3回の第3回)

前回記事はこちら
東尾理子さん「妊活は、自分に合ったクリニック選びが最重要です」

東尾理子さん 1975年、11月18日、福岡県生まれ。プロゴルファーとして活躍後、現在はゴルフ解説以外にもバラエティ番組やCM出演など、多方面で活動中。2009年、34歳で石田純一氏と結婚。妊活のために2010年から産婦人科に通い始め、人工受精を試し始めた2011年にTGP(Trying to Get Pregnant)ライフという独自のワードを発表。日々の暮らしをつづったインスタグラムも人気。
@rikohigashio
https://instagram.com/rikohigashio

子どもがまだ、な時は盆と正月・年賀状が苦手な方も。

私は治療を始めてすごく反省したことがあるんです。それまで、結婚された方に「お子さん、何人欲しいんですか?」なんて特に気にしないでご挨拶がわりに無邪気に聞いていたような気がして。いざ自分がクリニックに通いだしてみるとそういう言葉がいちばん辛い。自分がいかに何気なく無自覚に人を傷つけていたのか、と感じてゾッとしました。でもここ数年、少しずつ社会全体が妊活や不妊治療について言い出しやすくなってきた気がします。私も自分の経験を発信することを通して少しでもいい環境づくりをお手伝いできたら、と思っています。

保険が適用できるようになり、戦略が必要に。 患者は賢く選択、病院の淘汰が進むかも

昨年の4月から不妊治療に保険がきくようになり、いろんな意味で変化が出てきました。最初に私が感じたのは、「戦略」が必要になったということ。保険適用内で収めようとすると治療の回数制限や病院によって、麻酔を使える使えない、という問題点が出てきたり。地方では、自費診療が値上がりするケースが出てきたり……(それでもまだ東京よりは安いですが)。
先生方が感じている変化は「若い方が増えた」とのこと。それと「ステップアップ」というんですが、人工授精から体外受精に移行するタイミングが早くなったようです。

でも私がいちばんいいなと思うのが、初診は必ず夫婦一緒に行くのが義務付けられたこと。オンラインでもOKだったりはするんですが、夫婦で足並み揃えるのがマストになったことはすごくいいなと思っています。今までは奥さんがまず通って検査して、先生に言われたことを旦那さんに伝えて、という流れがほとんどだったのが、今は二人の同意確認がスタート地点。考えてみたら当たり前のことですよね。
私は妊活スタートを公にしたときによく「不妊治療している東尾理子」という言われ方をされたのですが、主人の方は「不妊治療している石田純一」とは言われませんでした。男性にだって百人に一人くらいの割合で無精子症という病気がある場合もあるのに、日本で治療しているというともっぱら「治療しているのは奥さん」という偏った捉えられ方をしてしまう。
不妊治療って、どちらに原因があるかは関係なく、原因不明でも二人で行うものだと思っています。保険適用によって、「妊活・治療は夫婦で行うもの」という概念がもっと一般的になったらいいなと思います。

早いうちに受けたい「AMH検査」(卵巣予備能検査)。 女性はもっと自分の体に関心を持って欲しい

私は30歳の時の怪我をきっかけに、子どもを持ちたいなら結婚を考えられる人とお付き合いしなきゃ! と人生の残り時間を逆算して考えました。これって女性の体の仕組みを考えたら当然のことなんです。卵子というのは生まれたときには200万個ほどあるのがピーク(胎児の時の700万個がピークといえば、ピークなのですが……)で、それからは増えることなくどんどん減り続けます。思春期には30万〜50万個になり、その後も毎月どんどん失われる一方。これは毎日新しい精子を生み出せる男性とは大きな違いで、人によっても個人差があります。そこで自身の卵子がどれくらい残っているかを血液中のAMH 濃度から調べられるのがAMH検査(卵巣予備能検査)(※1)。
この検査を20代のうちに受けておくだけでも将来の妊娠に対する心構えが違います。
私はTGPの活動を通して治療中の方のサポートと同時に、治療しなくてもいい人を増やしたい。いわゆる「プレコンセプションケア」(将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと)を推進したいなと考えています。
またカタカナばっかりで申し訳ないんですが(笑)「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」(性と生殖に関する健康と権利。略してSRHR)についてももっと広まっていったらいいなと思います。性と生殖における自由と法的権利、つまり性を選ぶ権利、産む産まないを選べる権利、望まない妊娠を減らすことも含めて女性の体を大切にしていければいいなあと。
「そんなこと知らなかった」「知っていればもっと違う選択をしたのに」と後悔する人が少しでも減るように、女性側からだけではなく社会全体で、自分が願うような人生を生きられることをサポートできるように、これからもポジティブ妊活含め、いろんな活動を続けていきたいと思っています。

※ 1
AMH とは「抗ミュラー管ホルモン(anti-Mullerrian hormomne)の略で卵巣内の発育過程の卵胞から分泌されるホルモンのこと。この濃度が高いと「卵子の数」が比較的多く残されていることがわかるという仕組み。

ワンピース¥45,100(フランコ・フェラーロ/フジサキ株式会社)ピアス¥12,100(ナチュラリ ジュエリ/NATURALI JEWELRY 横浜高島屋店)オパール付きリング¥29,700(ete)ウェーブリング¥89,100 淡水パール付きリング¥71,500(ete bijoux)

撮影/沼尾翔平 ヘア・メーク/岡野朋恵 スタイリスト/前田美香 取材/柏崎恵理

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