一歩足を踏み入れた瞬間から、イタリアの洗練された美学と日本の豊かなテロワールが心地よく響き合う「アルマーニ / リストランテ」。ここでは今、エグゼクティブシェフのブルノ・昼間氏が日本各地を巡り、その土地に息づく食文化や生産者たちの熱い想いに触れながら、鮮やかなイタリア料理のコースに仕立てていくプロジェクト「47 Roots(ルーツ)」が展開されています。
愛媛、長野に続く第三章の舞台に選ばれたのは、冷たく湿った風「やませ」が吹く、厳しくも美しい大自然が広がる岩手県です。コースで表現するのは、岩手県の静けさの中に宿る力強さを映した一度きりの味わい。イタリアの技法による芸術的なひと皿を、旅する気分で楽しめます。
手前:自然な甘みとしなやかな食感が際立つ岩手のスルメイカを使ったカルパッチョ。岩手の食文化を支えた雑穀(アワ・イナキビ)を下に重ね、シチリア産オリーブオイルで仕上げた岩手とイタリアの食文化が交差する逸品。
奥:ナラ炭をパンに練り込み岩⼿県の⾷材だけで仕⽴てた現代的なブルスケッタ。熟成された豚の生ハムと、酪農牛乳から生まれたダブルクリームチーズを贅沢に重ね、野田塩のまろやかな塩味をプラスしています。
岩手の豊かな実りとイタリアンの調和が生む一皿
「47 Roots」は、ただ美味しい食材を探すだけの旅ではありません。シェフ自らが日本各地を訪れて生産者と出会い、その土地に根ざす技術や食文化、知恵や思いをイタリア料理で表現し、次の世代へつないでいくプロジェクトです。
岩手・宮古を訪れたブルノ・昼間氏が、特に心奪われたのは「浄土ヶ浜」の風景でした。雨の中に佇む静寂とした海と岩、そしてトンネルを抜けた先に広がる自然の大きなエネルギー。その時の鮮烈な記憶が、今回の料理のベースに息づいています。
また、生産者と対話を重ねる中でシェフが学んだのは、食材のクオリティの高さはもちろん、それを支える丁寧な仕事へのリスペクト。「表には見せず、内側に包む」という岩手の文化へのオマージュとして、あえて主役の食材をソースで覆うなど、見た目の華やかさだけにとどまらない、素材の奥にある深い魅力を引き出すアプローチをしています。
東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー 10階&11階
TEL 03-6274-7005
水~日曜日 Lunch 11:30~15:00(L.O. 14:00) Dinner 18:00~23:00(L.O. 20:00)
月・火曜定休
取材・文/本條千春
















