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山田邦子さん「乳がんが発覚した47歳で人生が激変。そのとき初めて友達の良さに気づきました」

昨年末、日本一の若手漫才師を決める大会「M-1グランプリ」決勝戦で審査員として初参加。その明快かつ芯を食った大胆な選評で大きな話題をさらった山田邦子さん。10代からモノマネネタでテレビに出演、20代でバスガイドのモノマネネタでブレイクし一時期は14本ものレギュラー、3本の冠番組を持ち「唯一天下を取った女性ピン芸人」と言われる彼女に63歳の今の心境と「今の邦ちゃんが出来上がるまで」をうかがいました。

今回はその第2回目、「がんになったことで増えた友達が人生後半を豊かにしてくれた」です。(全3回の第2回)

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Profile 1960年東京都生まれ、1980年 芸能界デビュー。1981年、 デビュー曲『邦子のかわい子ぶりっ子バスガイド編』で有線大賞新人賞受賞。『オレたちひょうきん族』『やまだかつてないテレビ』などで人気になり多数の冠番組を持つ。2020年、 YouTube『山田邦子 クニチャンネル』開設。これまでに共演した大御所芸能人との秘話から、最新の芸能ニュースまで次々と切り込む動画が大好評。2022年12月18日、「M-1グランプリ2022」(ABC朝日放送系列)の審査員をつとめ、大きな話題に。
2007年に乳がんを罹患し、その体験から2008年にがんに対する知識と理解を呼びかけるチャリティー団体「スター混声合唱団」を設立。団長を務め全国各地にて活躍中。執筆活動も精力的で『生き抜く力』(祥伝社新書)など著書多数。
【INDEX】 乳がんが発覚した47歳で人生が激変。そこで初めて友達の良さに気づきました
友達作りのコツは「やり過ぎないこと」 「自分をしっかり持っておくこと」

乳がんが発覚した47歳で人生が激変。そこで初めて友達の良さに気づきました

2007年、テレビ番組がキッカケで乳がんが発覚しました。その当時は「神様、なぜ私だけこんなに辛いの」と恨みました。でもいろいろ考えているうちにみんな頑張ってることに気づいたんです。同時に自分が体をいたわっていなかったことも反省しました。

それまでやけっぱちみたいに働いていて寝なくても平気だったりしていたのが、どんどん体力の貯金を削っていったのかな。ストレスもため込んでいたから、なるべくしてなったのだと思いました。幸いにも早期発見だったのでよかったけれど、がんが見つからなかったらまた全然違う40代以降を送ることになっていたと思います。というのも、病気をしてからすごく周囲に目を配れるようになって、友達の輪が広がったから。

ピン芸人は自分で考え、自分でネタをやる形。自分で考えて自分で発表するから、全て自分のおかげという自己完結なので、それまでは友達と何かをするとか、みんなで何かをやるなんてあまり考えたことがなかったんです。

でも“がん友”もできて、歌うことが免疫力アップになるということもあって、みんなでコンサートをやったりするように。がんになる前から歌や長唄、三味線はやっていたんですが、仲間ができてさらに音楽の力を信じるように。

美容情報やいろんな口コミもどんどん友達からもらえるようになっていって、それまで知らなかったいろんな扉がどんどん開いていった感じ。遅ればせながら、お友達、よろしく!!みたいな感覚でした。人生の大切な財産がそこで作られたと思います。自分自身の力は1しかなくても、友達が10人集まれば10,100人集まれば100になりますからね。

実は売れているときに、母が家族で会社を作ってくれたのでお金の管理を全部任せていて、気づいたら借金だらけになっていました。びっくりして、一度会社を解散してもらい、死に物狂いで借金を返しました。その頃プロに投資などを任せていたら、今頃大金持ちになっていたかもしれません。

でも、自分自身お金にはあまり執着がないので、やっぱりそれはないかも(笑)。欲しい財産はやっぱりお金よりお友達!です。

友達作りのコツは「やり過ぎないこと」 「自分をしっかり持っておくこと」

私が考える友達付き合いのコツは、過剰にやらないことです。面倒くさいと思ったらそこで行き止まりですから。

いろいろな会、たとえば邦子=925という数字に置き換えられるので、毎年9月25日に集まって9時25分に乾杯する、なんていう「925の会」もやっています。私が幹事なので毎回会場を手配したりするんですが、毎回結構な参加人数なので会場を決めるのもひと苦労。最近は1泊で温泉に出かけたりしているので宿の予約も大変(笑)。直前まで人数が分からなかったり、ドタキャンする人も出てきたりもするし。コンサートや合唱の会などもやっていますが、大事なのは、集まりに来れなくても参加できなくても、いい加減で自由に楽しく出入り自由にしておくことですね。急に来られなくなっても、急に参加できるようになっても、もろもろ不問。無理なく会えるようなゆるい感じを保って一喜一憂しないのが、友人関係を続けるコツだと思います。

実は私、去年初めて母校の同窓会に出たんです。卒業してから大きな同窓会には1回も出たことがなかったんですが、100周年記念ということで初めて出席させていただきました。私が通っていた女子校は、1枚の雑巾を奉仕の精神からチクチク縫うという校風でありながら、先進的な気風もあって、卒業生の中には社長になったり海外で活躍される方も多数。その同窓会にも92歳現役の美容師さんという方がいらして感動。

「デビューしてからずっと見てましたよ」と声をかけていただいたりして、皆さん、特に普段は何もおっしゃらなかったけど、静かに応援してくださっていたんだなぁと思うと感無量。私はもともと学校の講堂でモノマネを披露して、いわゆる“学校の人気者”からテレビのお笑いに進んだ人間。母校の先輩や同級生や後輩たちを見ていると、あの頃、みんなの前でバスガイドのネタをやっていた学生時代(私は中・高・短大まで同じ学園卒です)が思い出されて、自分の思いがあの頃からなんら変わっていないことも嬉しかったですし、この気持ちがあれば、これからもずっとお笑いをやっていけるんじゃないかという励みにもなりました。

私って野望とかはあんまり持っていないんです。スタンダップコメディーは極めたいけれど、ステップアップして偉くなりたいとか大きな箱でライブやりたいとかあんまり思いません。ただ自分が関わったことが大きく成長すればいいし、いつまでも板の上でお客さんを目の前にしてネタをやりたいし、1人でも多くの人が「山田邦子、面白いじゃん」と思ってくれたら嬉しいです。

撮影/河内 彩 取材・文/柏崎恵理

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