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孫の成績を気にする義母と反発する息子の板挟み【尾木ママ連載vol.22】

第22回は義母への態度が悪い息子に、嫁としての立場もあり、困っている方のお悩みです。

前回はSNSが必須の中学生の男女交際は親としてどんなことに気を付ければいいかという質問です

Y.Kさん(47歳) 11歳男の子、14歳女の子 小学校6年生の息子が反抗期に入り、自分が好きではない人への態度があからさまです。特に気になるのが、祖母への態度です。私にとっては義理の母にあたるため、息子の態度の悪さは私の教育がなってないということになるので、とても気をもんでしまいます。先日も、祖母の言うことに対して反抗的な発言を繰り返すことにあまりにも腹が立ち、帰宅後に息子に目上の人に対する言動として間違っていると叱責しました。すると、「僕はおばあちゃんが好きじゃない。」と言うのです。カッとなってしまい、「あなたの大好きなお父さんを産んでくれた人で、あなたのことも心から愛してくれているおばあちゃんに対して、そんなことを言うもんじゃない!」と頭ごなしに怒ってしまったのです。すると息子は泣きながら「おばあちゃんは僕のことを成績でしか見ていない。いつもテストの点数とか、成績とか、クラスの中での順位とか、そんな話ばっかり。僕のいいところなんて、何も見てくれない。」と言われました。確かに、義母はそういう面があるのは確かです。息子には「あなたのことを心配してくれているから。」と伝えたのですが、「僕は僕なりに頑張っているのに、それを見てもいないのに言われたくない。」と。このままでは嫌いになってしまいそうで心配です。義母に勉強の話をしないで下さいとも言えないですし。息子が祖母をこれ以上、嫌いにならないようにしたいのですが、このような場合、どのように対処したら良いのでしょうか。

尾木ママ’s Answer

このお母さんは、いい意味で古風な方のようですね。息子さんに伝えた言葉からしても、色々とわきまえておられるしっかりされた方なのでしょう。ただ、理想の形にとらわれすぎず、もう少し力を抜いて、柔軟に考えてもいいかもしれませんよ。
「おばあちゃんは自分の事を成績でしか見てくれないから嫌い。」このおばあちゃんの態度が本当だとしたら、息子さんがそう思うのも無理もありませんよね。この子は、もしかしたら、お手伝いがよくできたり、お姉ちゃん思いの優しい子かもしれません。でも、普段の彼のすてきな部分を見ずに、成績だけで人間性を判断されたら、その人のことをなかなか好きになれなくても当然だと思います。また、このくらいの年齢の子は思春期特有の正義感というのがあって、特に男の子には強くあるのですが、大人の矛盾している点に嫌悪感を抱くんです。本来なら、「人の善し悪しは成績で決まらない」と正しいことを言ってくれるのが親のはずなのに、躾が悪いと思われることを気にして、自分の態度ばかりを責めるお母さんの矛盾に息子さんは気づいているのでしょう。「普段言っていることと違うじゃん」と息子さんは態度で訴えているのかもしれませんね。
息子さんが矛盾していることを嫌がるのも、おばあちゃんを「嫌い」という気持ちになっていることも、決して否定をしないということが大切です。発達段階の特徴のひとつでもある正義感も認めて応援してあげてほしいと思います。

では、具体的にどう対処するか、一緒に考えてみましょう。

①お母さんがお義母さんへ、やんわりと話してみる。
「義母に勉強の話をしないでくださいとも言えない」とありますが、そのお気持ちもとてもよくわかります。そこは、もしお母さんができるのなら、無理のない範囲で上手に「息子は今、思春期でもあるので、成績の話をされるのがイヤみたいで。」などと伝えてみてはいかがでしょうか。お義母さんとの関係性にもよりますが、遠慮しすぎず話してみてもいいかもしれません。

②息子さんが直接おばあちゃんと話してみる。
自分がイヤだと思う気持ちを相手に伝えるも大切なことですから、感情的にならず、相手を傷つけないように、言い方に気をつけて話すというのもよい経験になると思います。その子やおばあちゃんのタイプにもよりますが、「僕、成績の話をされるのがあまり好きではないんだ。」と素直な気持ちを伝えてみるのもひとつの手です。おばあちゃんにとっても可愛いお孫さんでしょうから、そんな話ができる関係になると良いですよね。

③お義母さんの前で息子さんのいいところを話す。
「息子にはこんないいところもあるんですよ。」と普段の息子さんのいいところを話題にしてみてはいかがでしょうか。もし、それでもおばあちゃんの態度が変わらなかったとしても、自分のためにお母さんが努力してくれている、僕のことをわかってくれているということは、息子さんにとっても嬉しいはずです。そうするとそこまで反抗的な態度は出さないのではないかと思いますよ。

④衝突を避ける工夫の一つとして、表情や態度に出さないという方法も伝える。
矛盾していることを嫌う思春期ですが、現実的には社会に出ると矛盾だらけです。嫌いな人と一緒に仕事をしなくてはならないこともあります。嫌いな人や苦手な人がいてもいいのですが、その感情を表情や態度に出さないように努めることも社会を生きていく上で必要な工夫となります。正義が大切である一方で、不要なトラブルやストレスを減らすために言葉や態度を工夫したり、自分の心をコントロールする力をつけることも生きる上でのコツのひとつとしてアドバイスしてあげるのもよいでしょう。

⑤最後の手段として、距離を取る。
アプローチしてみても変わらない、もしくはアプローチできる関係ではないという時には距離を置くというのもひとつです。息子さんがおばあちゃんと会う機会を減らしてみるのです。しばらく時間が経つと、子どもの心も成長し、状況も変わって、関係も変わるかもしれません。無理に良好な関係を築くことより、その方がいい関係でいられる場合もあります。

いくつかの提案をしましたが、一番大切なことは、お母さんが息子さんの話をよく聞いて、一番の理解者になってあげること。お母さんと息子さんの信頼関係が深まることが大切です。また、息子さんとおばあちゃんの関係を無理に改善させようとせず、気長に見守りましょう。その結果として、おばあちゃんと息子さんの関係もいい方向に向かえば嬉しいですね。

取材/小仲志帆

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