青春時代に胸をキュンキュンと震わせた「ロングバケーション」に「ラブジェネレーション」に「HERO」、そして経験を重ね大人女性へと成長した30代、40代では「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」『ファーストキス 1 ST KISS』……と私たちを夢中にさせる作品に出演し、10代から49歳の今に至るまで、変わらず第一線で活躍する松たか子さん。そして、役者を30年続ける今、初めての「カンヌ国際映画祭」に、秋からは初めてのNHKの「朝ドラ」へと、50代を前にしての新しい挑戦に私たち同世代女性は、勇気をもらいます。そこで、50代を前にした松たか子さんの「今」を、ライフスタイルからカラダや肌、お仕事に至るまで、あれこれとお聞きしてみました!
▼あわせて読みたい
松たか子さん、演技に踏み出す瞬間はどんなに準備しても“孤独”。でも、その先にあるものを信じ一歩を――
最近、「ささやかな気持ちいい」習慣を心がけています
日めくりカレンダーを1枚1枚めくるようにゆったりと時間が流れる――私が今回挑んだ作品『ナギダイアリー』は、そんな作中の1シーンさながらに奈義町の豊かな自然を背景に、静かでゆったりとした空気が流れています。撮影で1ヶ月身を置いた奈義町のそんな穏やかな時間から一転、私の日常はというと、毎日バタバタの連続。でも、私自身、忙しいのは嫌いではないんです。お休みの日も、家のことを色々するのが好きで、気が付くと部屋のあちこちを整理整頓しています。ところが、ある時ハタと気がついたんです。
「これをあそこへ」「あれををこっちへ」と、家の中で永遠に物の移動を繰り返しているだけなんだなって(笑)。でも、結局、その永遠の移動、整理整頓が好きなんですね(笑)。どこか、気持ちがスッキリとして落ち着くんです。
コロナ禍で学んだこともありますが、最近、自分の気持ちがいい状態かそうでない状態かが、周りに影響を与えてしまうな、と感じています。自分の前向きな気持ちや、逆に問題を抱えている時など、いいことも悪いことも全て伝染していくのを感じてからは、「自分が機嫌よくいるためにどうしたらいいだろう?」と考えながら過ごしています。例えば、これまで食洗機をあまり使っていなかったのですが、活用し始めました。食器の片付けに関しては、「次の日でもいいけど……」という気持ちがよぎる中、
「その日のうちに」と、ちょっと頑張ってみる。
そんなふうに、本当に小さなことからですが、次の日の朝、片付けからスタートせずに済むだけで、ちょっと気分がいい。整理整頓に食洗機……、バタバタとしながら“ささやかな気持ちいいこと”を実践しています。
カラダも肌も変化してきたけれど、新しいものに飛び込むマインドは身軽に!
一方で、50歳を前にして、自身のご機嫌にも大きく左右するカラダや肌に変化を感じ始めました。舞台に入ると、規則的に「この時間に劇場に行って、準備運動して」と規則的な生活をするんです。でも、それだけではカラダの悩みに対処なんか出来ない、と気が付いて。「ちゃんとカラダを動かさないと!」と、運動を始めました。そうして続けているピラティスが、結構楽しいんです。
加えて、筋トレも少々しているのですが、鏡で見ると全然映えない(笑)。それでも、自分のカラダを知るいい機会になっています。
もちろん、肌の変化も感じますが、若い頃のように「このクリームがないと不安」ということがなくなって、ストックが切れて「じゃあ、何かあるもので対応しよう」とか、「別ものに切り替えてみよう」と、逆に楽しくなったりして。今のほうが、新しいものに身軽に飛び込めるマインドになっているようです。
巡ってきた波にしなやかに乗れるよう、50代もとにかく元気に!
“新しいもの”“初めて”というところでは、50歳を前に、今年初めて『ナギダイアリー』でカンヌ国際映画際に参加し、この秋初めて、NHKの朝ドラに挑戦することになりました。私自身は、「何歳までにこうしよう!」「この時期までにカンヌに行きたい!」と、思い描いたことは全くないんです。でも、そういうことは、自分の意志とは異なるところから巡ってくるんですね。だから、やって来た時に、「乗っかってみようかな」「たまには流されてみようか」と、楽しませていただいています (笑)。50代を前に、若干開放的になっている自分に気をつけて自制しながら、これからもそんな無責任さは携えていたいな、と思っています。
50代でそんないつやって来るかわからない波に乗るためにもやっぱり第一に健康。ピラティスは奥深く、まだまだ入口地点なので
これからもっと理解していきたい。50代も、カラダを動かすことを楽しんで、元気でいられたらと思います。
今回、松たか子さんが出演した映画は……
『ナギダイアリー』
監督:深田晃司
出演:松たか子、石橋静河
川口和空、藤原聖、藤間爽子、水間ロン、申瑞季
松山ケンイチ
近くの⼭から切り出される⽊でひとり彫刻を作る寄⼦(松たか⼦)。 ある⽇、東京と台湾で建築家として活躍してきた友梨(⽯橋静河)は、 数⽇間の休暇をとって、別れた夫の姉・寄⼦のもとを訪れる。都会にはない「ナギ」での穏やかな⽣活。妻を亡くした寄⼦の幼なじみの好浩(松⼭ケンイチ)、そして息⼦の春樹(川⼝和空)とその親友の圭太(藤原聖)⼈々との出会いは、⽇常に⼩さな揺らぎをもたらしていく。やがて、彫刻のモデルを毎晩つとめるなかで寄⼦の知られざる喪失に触れ、友梨にも変化が起きていく。9月25日(金)より新宿ピカデリー、ユーロスペース ほか全国ロードショー
撮影/田頭拓人 取材・構成/河合由樹
















