オークラ東京から、2026年のクリスマスに向けたスペシャルセレクションが登場しました。今年のテーマは「素材を重ね、深まるクリスマスの美味」。選び抜かれた素材の組み合わせが織りなす、奥行きのある贅沢な味わいは、大切な人と過ごすクリスマスにぴったりです。シェフに開発秘話を伺いながら、新作&人気スイーツをご紹介します!
時を経て進化する「フォレ・ノワール」
—— 今回、ホテルオークラの伝統的なケーキを復刻されたそうですね
青森:はい。私が39年前に入社した時には、既に「フォレ・ノワール」は伝統菓子として提供されていました。その後、時代の流れとともに一度メニューから外れていた時期もあったのですが、お客様から「また食べたい」という根強いお声をいただくことも多くて。それなら復刻版として、思い切って新しく作り変えてみようと思ったのです。
—— 伝統の味わいを残しつつ、現代風に進化させたポイントはどこでしょうか?
青森:チョコレートのスポンジ、生クリーム、サワーチェリーというベーシックな構成は崩していませんが、今回は薄くのばしたチョコレートで一枚一枚花びらを作って優雅にデコレーションしました。実は最初、ビターチョコレートで試作したのですが、生クリームの柔らかさと一緒に口に入れた時、どうしてもチョコの硬さがストレスになってしまったんです。そこでミルクチョコレートに変更し、カカオ分を33%まで落とすことで、口の中で生クリームとスッと溶け合う一体感を実現しました。技術的にはかなり難易度が上がりましたが、理想のバランスに仕上がったと思います。
*オンラインでの予約受付は終了。店舗へお電話にてお問い合わせください。
和栗の魅力を引き出した“至高のモンブラン”
—— 続いて、即完売した新作モンブランについて教えてください。栗へのこだわりが詰まっているとお聞きしました
青森:「エクラ ド ノエル」は、産地の異なる国産和栗(熊本県産、丹波産、茨城県産など)を取り寄せて厳選しました。フランス産の栗を使う場合はラム酒などで大人っぽい味付けにすることもありますが、国産和栗はとても繊細なので、あえて強いお酒や味付けは控え、和栗のやさしい味わいと香りをそのまま残すように工夫しました。
—— 層ごとに異なる栗の表情が楽しめるそうですね
青森:一番上のクリームには茨城県産の栗を細かく刻んで合わせ、甘さを抑えた生クリームにしています。真ん中には北海道産のシナノキの蜂蜜をアクセントにしたクレームブリュレやカステラ、奈良県産の希少な在来種「大鉄砲」を使った香ばしいきな粉のメレンゲを挟みました。そして一番下のタルト仕立ての土台には、熊本県産の利平栗をゴロゴロと入れて、食感を楽しんでいただけるようにしています。栗の味を引き立てるために、どこで甘みを足し、どこで抜くかというバランス調整に一番苦労しましたね。
試行錯誤の末に完成!新作「栗と抹茶のシュトーレン」
—— 続いて、淡路シェフにクリスマスブレッドの誕生秘話をお伺いします
淡路:もともと「オークラ東京だからこそ提供できる“和のシュトーレン”を作りたい」という想いが数年前からありました。そんな折、熊本産の大粒の見事な和栗が手に入り、「これならメインの素材にできる」と確信したのがきっかけです。そこに相性の良い、宇治「丸利 吉田銘茶園」の香り高い抹茶を合わせる構想からスタートしました。
—— 和の素材を融合させる上での苦労や工夫はありましたか?
淡路:最初は「抹茶と栗なら簡単にできるだろう」と思っていたのですが、実はこれが一番大変でした(笑)。普通は、“美味しさを強調するために何かを足す”という作り方をするのですが、今回は“違和感を消していく”という真逆のプロセスを取りました。抹茶をしっかり効かせようとすると苦みや渋みが出てしまう。それを和らげるために黒蜜をプラスし、アクセントにくるみを入れました。さらに、くるみ独特の渋みを抑えるためにくるみ自体も黒蜜でコーティングしています。
—— スパイスや隠し味にも工夫が施されているのですね
淡路:スパイス感も大切にしたかったのでシナモンやジンジャーをベースにしつつ、爽やかさを出すために「柚子」を加えました。栗の甘みと柚子の酸味が絶妙にマッチして、後味がとてもすっきりします。さらに、全体をまとめる隠し味として少量のチョコレートも忍ばせ、仕上げには香ばしい「深煎りしたきな粉」をまぶしています。スライスして食べ進めると、途中で甘酸っぱいアプリコットが出てきて口の中がリセットされるので、気づいたら1本食べ進めてしまうような味わいを目指しました。
箱を開けた瞬間の笑顔のために
—— 最後に、特別なクリスマスを待つみなさまへメッセージを
青森:私たちが苦労すればするほど、お客様の手元に届いて箱を開けた時の感動やサプライズ感につながると思っています。時代に合わせてブラッシュアップしつつも、オークラらしい妥協のない美味しさを届けていきたいですね。
淡路: シュトーレンの仕込みは真夏から始まるのですが、厨房にスパイスや発酵の香りが広がる瞬間は、私にとっても特別な時間です。昔オークラのシュトーレンを食べたお子様が、大人になって食べた時に当時の家庭の温もりや思い出が蘇るような……そんな変わらない価値と新しい感動を、これからも大切に作り続けていきたいと思います。
東京都港区虎ノ門2-10-4
予約TEL:03-3505-6072(オーキッド スイーツ&デリ/10:00~18:00)
詳細:https://theokuratokyo.jp/ja/news/christmas-special-selection-2026/
取材・文/本條千春





































